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日常ラブコメ書くの初めてな作者ですが、ちょっとだけ頑張ってみようと思います。

「誰か私を助けてくれ! 君でも良い! 頼む。この通りだ。(涙)」 そう泣きつかれているのがこの物語の主人公みたいな人である。


そしてこのおれの洋服を鼻水と涙だらけにしているのが、おれの通っている学校の通称”イケメンプリンス”と呼ばれている男。本当の名前はおれも知らない。つまりそういうことだ・・・。赤の他人である。


「私の妹をどうにかして欲しい!」「ほら、どこからかノコギリを買ってきているんだ!(ガタガタッ)」


うん。おれに何を求めているのだ。そこのお方。「お兄さま~。浮気は感心しませんね~。(ゆらりゆらり)」


(ここまであらすじと一緒です)

*****


なるほど。これがお隣さんの妹さんか。学年も違うしなんか学校行ってないみたいだし。顔を合わせたことがなかった。


「どうも初めまして。命だけはお助け!」


男2人は仲良く土下座した。


情けないとか、なんでおれもとか、そんな考えはすっ飛んでいっちまった。


目がマジなのだ。こ、殺される!


「なんで、なんで私がいるのに、彼女つくろうとしたの!? ねえなんで!?」


おれの首筋数ミリ横をのこぎりが転がっていった。


「すまなかった。雪乃! どうか愚かな兄を許してくれ! そしてのこぎりで切らないでくれてありがとう! おかげで明日も呼吸することができるよ!」


なんだ、と・・・!?


「私というものがありながら! お兄ちゃんのバカ~!」

「すまなかった!」


ヒシっと抱き合う兄妹。その姿は一瞬すれ違っただけでは幸せそうに見えただろう。おれも無事に土下座を解除できた。


だが、兄の目は真剣だった。助けてくれ、そうおれに必死にアイコンタクトをしてきた。


おれは何をかくそう。フッ。静かに笑い、お幸せにとばかりにこの場から見事脱出を果たした。


この廊下綺麗に見えて意外とゴミっぽいんだなあ。裾のほこりを二人から離れて叩き、ドアを閉め、さっきの事は忘れることにした。


「お兄ちゃんと私は血がつながっていないから・・・。」

「お兄ちゃん私のこと好きでしょう!?」


「ああ。大好きさ。」

「ねえ。絶対に・・・」


何か聞こえたのはキノセイだ。タブんおそらくきっと!


ノイズキャンセリングイヤホンをし、台所に向かう。


「母さんただいま。」

「おかえり。ねえ。牛乳買ってきてくれた?」


「やべ。忘れた。」

「もうLINEでちゃんと改めてお願いしたのに!」


「ごめんね。」

「すぐ買ってくる!」


外にでるのが今日はもう嫌だった。


2度とあいつらには会いたくない!


あんなに美人な妹さんに、愛されていてその上助けてだと!? フッ。寝言は寝て言え~!


階段を慎重に降りていった。あいつらに合いませんように! 信じろおれ! おれの運は悪くないはずだ!


ヒシッ。誰かにつかまってしまった。


この感覚。この背丈はヤツだ・・・。


「くたばれこのブラコン拗らせた妹抱えたイケメンやろおおおお!」


「ブフォオ!」


「や、やるじゃないか。いきなり顔面ストレートか。だが用事があったのは私なんだ。今のは受け入れよう。」


なんてやつだ。確かにそんなに強く殴ってないが、突然殴られて笑顔で次に話を進めてくるとはただ者ではではない。


「簡潔に話すから! 5分いや1分でも良い! 私の話を聞いてくれないか。」

「内容にもよりますね。同じ学校の先輩とはいえ、ただの他人ですし。」


「君のあの土下座へと導いた、君の柔軟さに免じて・・・。」

「話長そうなんで返りm」


「ちょっと待て! 私の妹とお付き合いしてくれないだろうか? どうにかして、彼女を雪乃を兄離れさせたいんだ!」

「冗談はよして下さい。」


「おっと。それ以上しゃべると貴重な情報を聞き漏らすぞ・・・。良いか? 妹のバストはcだが、君の知っているグラビアアイドルのそれより美乳であるずだ。そして抜群のふともも・・・。あの細さで・・・。」


「その話詳しく聞かせてください。」

「フッ。君も男だな。」


「当然ですよ。プリンス先輩。」

「では中で詳しく話そうか。」


「うっす!」


そう言って中にお邪魔することとなった。


そこはシンプルな作りの部屋で、ダイニングには白いシーツで区切られたベット2つ。


おれの隣の部屋と間取りは大体一緒なはずだが、ここまで印象が変わるとは。


ベットですやすやと寝息をたてているのが、先ほどまであんなにもメンヘラ系ブラコンを見せつけてくれた彼女の姿だった。


その寝顔はあまりにも可愛いらしく、こんなにも美しい女性がこの世に・・・と放心仕掛けてしまったその頃。


「雪乃はとても可愛いだろう。」


妹を大事に思う兄の横顔があった。その視線はどこまでも優し気で。この妹にしてこの兄だと思い込むには十分だった。


先ほどの脅威を忘れてしまう事なんてこんなにも簡単なことだったのだ。


「はい。」

「私が君の事を全力サポートしよう。」


「はい。」

「私の急なお願いを聞いてくれて君は優しいな。」


「それほどでも。」


雪乃さん。寝返りをうちながらちょっとよだれが・・・。ごめんね。寝顔見たりしたら失礼だよね。



「では明日から頼んだ。」

「お任せ下さい。プリンス先輩!」


こんな可愛い子とお付き合いできるようサポート完備・・・。家族公認・・・。これおれにも運回って来たんじゃね!?


この決断をおれは死ぬほど後悔することになる。


一日一日が平凡だったおれの今までの人生。それがどれだけ恵まれていたかおれは身をもって後悔させられてしまうのだ。













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