とある風景。
窓越しのハーモニー
もう 17時を過ぎれば 闇が近付く
早めの夕食どき
冷たい空気から逃れようとして
ジッパーを閉じる
そこに交わる 旋律
イントロは軽やかで
突如 激しめの重低音だ
軽く 過ぎ去ろうとしていた
足並みが途切れて
凍り付くほど 冷たさを覚えた指先に
ふと 息を吹き掛ける
ちらほらと 降り掛けてゆく
手のひらに 滲むのは 蕾みたいで
焼き芋屋さんの 笛の音が妙に切ない
忙しない日常に オルガンが鳴り響く
まだ 拙いけど
景色が 色鮮やかに 染まった