破
ドラコーンというのはギリシア語のドラゴンにあたるそうです!
「大丈夫ですか!」
声の主は誰とも知らない少年だった。
彼の名前は上野陸斗。
今日転入したばかりの2年生だ。
「助けて…」
学校のトップ、カガリ・フレアは彼に頼む。
「助けますとも!!」
彼はそう言い残すと禍々しい刀を持ってドラゴンに挑む。
「はぁぁぁぁぁぁーーー」
まず陸斗が狙ったのは統率者である異形種だった。
ムラマサを縦に振る。
返す刀でさらに追い討ち。
『シャアァァァァ…』
一瞬弱ったように見えるが、これはドラゴンの誘いだ。
だが、陸斗は手を止めない。
カウンターを知らないわけではない。
相手にカウンターの隙を与えさせないのだ。
『シャアァァァアアアアアアアアアア…』
誘いが本当の悲鳴に変わる。
陸斗の連撃は着実に効いていた。
ドラコーンを今日、入手した彼に技などはない。
ただ思うままに刀を振るだけ。
それが『普通』のドラコーンでは致命傷にはならないだろう。
が、しかし。
『普通』ではないのだ。
ムラマサは何度も人の命を奪ってきたが、その分にドラゴンの命も奪ってきた。
どちらにとっても相手にしたくないものだが、今は上野陸斗の手にある。
つまりは、どちらにも矛先が向くのではなく、ドラゴンだけに矛先を向けたということだ。
これほどに心ず良いものはない。
『シャアァァァァァーーーー!!!』
ドラゴンの声の大きさには命の危険度が比例する。
この大きさは明らかに危険を感じている。
およそ5分間連撃は続いた。
もはや、ガーゴイルの異形種はその原形をとどめていない。
「終わりだっ!!」
ラストの一撃がきまる。
『‥‥‥…』
異形種は地に堕ちた。
統率者がいなくなるだけで、ガーゴイルの集団は一気に混乱する。
その中をまるで仕返しをするように一網打尽にしていく。
『シャアァァァァ!?』
残り一体まで追い詰めた。
ムラマサにはガーゴイルの血が大量に付着していた。
「体の中の力を刀身に!」
適応試験で行ったあの光の正体に陸斗は気づき始めていた。
光の正体は自身の技なのではないか?
そう思った陸斗は力を刀身に込めた。
「はっぁぁ!」
勢いよくムラマサを振る。
閃光の刃が最後のガーゴイルにかかった。
まだこの技に名前はないが、つけるとしたら『振動刃』であろう。
振動刃はガーゴイルを綺麗に一刀両断した。
「よし!」
陸斗はたった一人で異形種を含む9体を倒した。
この記録は未来永劫、打ち破られなかった。
◇◇◇
10年後。
救世主と呼ばれた少年は陸軍の大将にまで上り詰めていた。
生徒会長であったカガリ・フレアも今では中将だ。
「これより、タイプβ・ファフニールの討伐を開始する。相手は一体だが気を抜くな!奴は始まりにして最強のドラゴンだ。戦死したものには構うな!いくぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
威厳のある声で兵士を奮い立たせる。
「目標確認」
「各自、ドラコーンの使用を許可!」
『了解』
「閃光刃!」
先陣を切ったのは陸斗、オリジナルの必殺技だった。
『グォォォォオォォォォオオオオー』
ファフニールに命中するも致命傷ではない。
「私もいきます、聖槍!」
聖なる光に包まれた槍がファフニールを貫く。
『グゥゥゥウゥ‥‥』
聞いているようだが、誘いだ。
「そんな誘い乗るかよ」
陸軍に集められた兵士は皆、最高峰の兵士だった。
誘いに引っかかる者はいない。
「千本矢」
後方支援部隊からの弓攻撃が命中した。
『グォォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!』
これは誘いではなく、悲鳴だった。
隙をみて一斉に攻撃を始める。
動きが鈍った分、でかい体はただの的だ。
「どけぇぇぇぇぇ!!制限解除を使用する」
陸斗は言う。
制限解除とは陸斗の切り札にして、人類の奥の手だ。
体に負担がかかる代わりに自身の一撃の威力を倍増する。一撃必殺の技だった。
「制限解除・閃光刃」
地形を変化させるほどの一撃をファフニール目掛けて放つ。
『グォ‥‥』
ファフニールは絶命した。
時を同じくして他のドラゴン達も絶命する。
こうして世界は救われた。
制作スタッフ・加納オッツ、峰紙クルト、‥‥
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
監督・大西義経
『完』
「へ〜。なかなか面白かったなぁ〜」
次回は現実です!
題名は『急』、ご期待ください!




