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ドラゴンとゲーム廃人  作者: 東条李禹
2/3

破

ドラコーンというのはギリシア語のドラゴンにあたるそうです!


「大丈夫ですか!」


声の主は誰とも知らない少年だった。


彼の名前は上野陸斗(うえの・りくと)。

今日転入したばかりの2年生だ。


「助けて…」

学校のトップ、カガリ・フレアは彼に頼む。

「助けますとも!!」

彼はそう言い残すと禍々しい刀を持ってドラゴンに挑む。


「はぁぁぁぁぁぁーーー」


まず陸斗が狙ったのは統率者である異形種だった。

ムラマサを縦に振る。

返す刀でさらに追い討ち。


『シャアァァァァ…』


一瞬弱ったように見えるが、これはドラゴンの誘いだ。

だが、陸斗は手を止めない。

カウンターを知らないわけではない。

相手にカウンターの隙を与えさせないのだ。


『シャアァァァアアアアアアアアアア…』


誘いが本当の悲鳴に変わる。

陸斗の連撃は着実に効いていた。

ドラコーンを今日、入手した彼に技などはない。

ただ思うままに刀を振るだけ。

それが『普通』のドラコーンでは致命傷にはならないだろう。


が、しかし。

『普通』ではないのだ。

ムラマサは何度も人の命を奪ってきたが、その分にドラゴンの命も奪ってきた。

どちらにとっても相手にしたくないものだが、今は上野陸斗の手にある。

つまりは、どちらにも矛先が向くのではなく、ドラゴンだけに矛先を向けたということだ。

これほどに心ず良いものはない。


『シャアァァァァァーーーー!!!』


ドラゴンの声の大きさには命の危険度が比例する。

この大きさは明らかに危険を感じている。


およそ5分間連撃は続いた。

もはや、ガーゴイルの異形種はその原形をとどめていない。


「終わりだっ!!」

ラストの一撃がきまる。


『‥‥‥…』


異形種は地に堕ちた。

統率者がいなくなるだけで、ガーゴイルの集団は一気に混乱する。

その中をまるで仕返しをするように一網打尽にしていく。


『シャアァァァァ!?』


残り一体まで追い詰めた。

ムラマサにはガーゴイルの血が大量に付着していた。

「体の中の力を刀身に!」

適応試験で行ったあの光の正体に陸斗は気づき始めていた。


光の正体は自身の技なのではないか?


そう思った陸斗は力を刀身に込めた。

「はっぁぁ!」

勢いよくムラマサを振る。

閃光の刃が最後のガーゴイルにかかった。


まだこの技に名前はないが、つけるとしたら『振動刃(ソニックムーブ)』であろう。


振動刃はガーゴイルを綺麗に一刀両断した。

「よし!」


陸斗はたった一人で異形種を含む9体を倒した。

この記録は未来永劫、打ち破られなかった。



◇◇◇



10年後。

救世主と呼ばれた少年は陸軍の大将にまで上り詰めていた。

生徒会長であったカガリ・フレアも今では中将だ。


「これより、タイプβ・ファフニールの討伐を開始する。相手は一体だが気を抜くな!奴は始まりにして最強のドラゴンだ。戦死したものには構うな!いくぞぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」


威厳のある声で兵士を奮い立たせる。


「目標確認」

「各自、ドラコーンの使用を許可!」


『了解』


「閃光刃(ソニックブーム)!」

先陣を切ったのは陸斗、オリジナルの必殺技だった。


『グォォォォオォォォォオオオオー』


ファフニールに命中するも致命傷ではない。


「私もいきます、聖槍(グングニル)!」

聖なる光に包まれた槍がファフニールを貫く。


『グゥゥゥウゥ‥‥』


聞いているようだが、誘いだ。


「そんな誘い乗るかよ」

陸軍に集められた兵士は皆、最高峰の兵士だった。

誘いに引っかかる者はいない。


「千本矢(サウザンドアロー)」


後方支援部隊からの弓攻撃が命中した。


『グォォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!』


これは誘いではなく、悲鳴だった。

隙をみて一斉に攻撃を始める。

動きが鈍った分、でかい体はただの的だ。


「どけぇぇぇぇぇ!!制限解除(リミットブレイク)を使用する」


陸斗は言う。

制限解除(リミットブレイク)とは陸斗の切り札にして、人類の奥の手だ。

体に負担がかかる代わりに自身の一撃の威力を倍増する。一撃必殺の技だった。


「制限解除(リミットブレイク)・閃光刃(ソニックブーム)」


地形を変化させるほどの一撃をファフニール目掛けて放つ。


『グォ‥‥』


ファフニールは絶命した。

時を同じくして他のドラゴン達も絶命する。

こうして世界は救われた。



制作スタッフ・加納オッツ、峰紙クルト、‥‥

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監督・大西義経


『完』



「へ〜。なかなか面白かったなぁ〜」


次回は現実です!

題名は『急』、ご期待ください!



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