表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

終りの時

連は、気を引きし直して、先へと進んだ。

だが、おかしな点が一つあった。

それは、健太の行動だった。

健太はちらちらこっちを見てくるようになった。

それが、普通の目じゃなく、敵を見る目だった。

連はそれから一度も健太を見ることが出来なかった。

歩いて20分ぐらいだろう。

目の前から、音が聞こえてきた。

多分、一人でこっちに向かってくると思う。

連は銃を構えて向かってくる敵を待っていた。

だんだん迫ってくる音と共に緊張が上がってくる。

次の瞬間、銃声が鳴り響いた。

敵は素直に倒れた。

健太が敵によっていきなり、膝を曲げた。

「どうしたの?」

連は健太に近寄り、その先を見たら連は一瞬にして力が抜けた。

「そ・・・そんな・・・。」

その先には隆志が体から血を出して死んでいた。

右手には銃を持っていて、左手には胸を押さえていた。

多分、血を止めようとしたのだろう。

健太が手首を触り、口に耳を当てて息をしているか確かめていた。

健太が首を横に振った。

連は信じる事ができず、隆志の体によって、胸を一生懸命押した。

「死ぬな、死ぬな」と何回も繰り返し呪文みたいに唱えながら、一生懸命胸を押した。

その時、健太が涙をたらした。

だが、そんな事には気にせずにただ、繰り返し、繰り返し、生き返ることを願って連は胸を押した。少しの希望をまだ捨て切れなかった。

「くそおおおおお」

連は叫びだした。

手には真っ赤に血で染まっていた。

それから、連は泣き崩れた。

連は頭が真っ白になった。

だが、一つだけ考えられたのは、復讐だけだった。

連は立ち上がり、憎しみと復讐と言う気持ちだけが、連を動かしていた。

「皆死ね、だれだ、お前か、それともお前か。」

連は健太と香奈を睨みつけて銃を構えた。

「お前達だな」

連はそう言って銃を構えた。

「やめて・・・。」

香奈が泣きながら訴えかけてきた。

連はそんな事を気にせず、香奈に向かって銃を構えて、引き金を引いた。

「死ね・・・。」

銃声が鳴り響いた。

「あ・・・あぁ」

香奈はそのまま倒れてしまった。

連は香奈を撃ってしまったのだった。

「おい、連、何している。」

健太が香奈の方へ駆け寄った。

連はただぼーと見ているだけだった。

「おまえ・・、よくも」

健太は連に銃を向けた。

「何故撃った」

健太は連を睨んで歩み寄ってきた。

「くるな、こっちにくるなぁー」

連は健太に向かって銃を向けて引き金を引いた。

だが、健太はそれに動じることなく、こっちに歩み寄ってきた。

「くるなぁあああああああああ」

銃声が鳴り響いた。

健太は仰向けになって悲鳴を上げていた。

だが、連は生きていると分かるとさらに引き金を引いて、

健太に向かって撃った。

連は何発も何発も、気がつけば弾が無くなっていた。

健太の体には血が溢れていた。

もう、すでに死んでいた。

連はやっと我に戻った。

皆が死んでいる。

連は怖くなってそこから逃げ出した。

走って、走って走りまくって、

連は何にも考えずにただ、走り続けた。

その時、何かに躓いて転んだ。

それは、スイッチだった。

次の瞬間、サイレンが鳴り響いた。

敵が前後からこっちに向かってくるのが分かる。

連は逃げられない、銃の弾もない、なす術がない状態だった。

連はようやく平常心に戻り、連は静かに目を閉じた。

「これで、終わり・・・・か。」

連の顔は死を恐れない、涼しい笑顔だった。

「いたぞー」

敵の声が響き渡り、ついに連の目の前まで来ていたのだ。

「これで、最後だな。」

敵の声が聞こえるが、連は目を開けなかった。

「みんな、ごめんな・・。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ