第七話=隣人
「ふう、やっと家についた。」
清市は帰宅しまず風呂に入ることにした。
これから戦いが巻き起こるとも知らずに。
夕食をすましたとき、大五郎とタツムが押しかけてきた。
「先輩、大丈夫だったのか?」
「心配したんだよ」
大五郎は清市の背中をたたき感極まる。
タツムは少し泣いていた。
その時はじめて清市は真の友情を知る。
「二人とも心配ないっしょ、オレっちは無敵だからね」
「よく言うぜ」
また背中をたたく大五郎。
「本当にお調子者なんだから」
涙を拭きタツムも清市の背中をたたく。
その夜三人は盛大なパーティーをすることにした。
「うるせー」
隣人の充郎が壁を叩き文句をつける。
「すいません」
清市は反射神経で謝るが、大五郎が立ち上がり逆に文句をいう。
「うるせーとはなんだ?」
それに対し充郎は切り返す。
「やろうっての、ちょうどいい新しい聖人の能力とかも知りたいしな」
大五郎は部屋を飛び出して充郎の家に殴り込み、タツムが止めようとするもこうなった大五郎は誰にもとめられない。
清市はあまり関わりたくなかったので部屋の鍵を閉めてとじこもる。
「清市先輩、あんた男でしょう止めてよね」
「オレっち関係ないっしょ」
「あんた最低だよ」
タツムは清市の部屋のドアを蹴る。
『本当にそれでいいの……?』
「カラミティア助けてくれよ」
『私は聖人や神と戦う天才神だから……』
するとススマホの中からカラミティアが出てきて、清市の頬に平手打ちする。
「あなたは、友人を見捨てるの?」
カラミティアはいつになく本気の目をしていた。
「私は親友であるサンタナに千年以上も前に裏切られたの……」
「へ?」
それ以上カラミティアは何も言わなかった。
その様子をみた清市はカラミティアに背中をおされた気がして立ち上がり、ヘルメットをかぶりほうきをもって外に飛び出した。
「やめろ二人とも」
足はガクガク震えて声が裏返っていた。
そんな様子をみた大五郎は拳をおさめ清市に礼をいう。
「先輩、ありがとう、俺どうにかしてました、止めてくれなければ今頃暴力事件で町追放処分に……」
清市は鼻水をたらし腰が抜けて地面に膝をつく。
「いや~、ははは……」
「先輩、かっこよかったです見直しました」
そして大五郎は充郎に頭を下げる。
「すみません、俺たちが悪かったです」
「すみません」
清市とタツムも頭を下げた。
その様子をそっと覗いていたカラミティアは考える。
「このまま人間を滅ぼすのはもったいない……神の裁きか……」
ボソリと口を開く。
しかし充郎は気が収まらない。
「あのね、謝って許されたら神なんていらないんだよね」
創造のタブレットから聖人トラソルテオトルを呼び出す。
「な……聖人……マジ?」
清市は目を丸くし、すぐさま天才のスマホを手に取りカラミティアを呼び出そうとした、