第五話=アテネとの激戦
清市は言われるがままに研究室へと向かう。
薄暗い廊下をひたすら走る。
「なんでオレっち走ってんだよ」
矛盾にさいなまれながらもひたすら研究室に向かう。
その道中別の聖人が道を阻む。
「私は聖人マッハ、走るのは得意なの勝負してみる?」
「いや、いいです……」
「どっちがUSBケーブルとソードを取るのが早いかな?」
泣く泣く清市はマッハと競争する羽目になった。
「そうだ、負けたらあなたの命いただくわ」
「そりゃねっしょー」
清市の意志は関係なくマッハは競争を無理強いする。
「よーい、ドーン」
「きたねぇ、フライングかよ」
清市も走り出すが間に合わない。
人間では追いつかないスピードだ。
体力も並の人間ではかなわないだろう。
そんな不利な状況下で清市は必死に走る。
いや、走らなければ命が奪われる。
「はあはあ」
息切れする清市、あと1メートルの差である。
「死にたくねー」
その、一心だった。
マッハを越えたのだ。
「なに」
マッハは自分を越える走りを見せた清市に気を取られて転倒する。
清市は研究室に入りタイムカプセルをあけてUSBケーブルとソードを手にとり、カラミティアのもとへと走って行く。
「負けた……私が人間に……?」
マッハは人間に負けた悔しさで床を叩く。
そのころカラミティアはアテネの攻撃をまともにくらっていた。
「天才神とどめだ」
アテネのは剣を振り下ろすがピタっと剣を止めた動揺を隠せないでいた。
清市が目の前に現れたのである。
「オーナー様、よくぞ御無事で……」
しらじらしく清市を迎えるカラミティア。
そしてUSBケーブルとソードをうけとると、スマホに接続してコード番号を入力した。
『306、コード認識完了』
天才のスマホはソードを認識した。
ソードは光りを放ちビーム状の刃が出てきて、カラミティアは壁に試し切りする。
見事に壁はえぐれるような切り痕を残した。
「まだ、使える」
「なんだよそれ?」
清市の質問は聞く耳もたず質問するカラミティア。
「破壊……守護……?」
「今は守護でおねがいしやす」
「了解……」
そのとき急に睡魔に襲われ倒れこむ清市。
「アテネ、睡眠術をつかったな?」
「そのほうが都合いいだろう」
「ああ、たっぷり破壊をたのしめるよ」
カラミティアはスマソードで切りかかる。
その怒涛の攻撃にアテネも応戦する。
切りかかっては防ぎ切り返しの攻防。
「今は守護のはずだろう?」
「……」
アテネの言葉にカラミティアは守りに徹した。
「く……分が悪い」
「起きろもう一度命令しろ」
カラミティアは清市を大声で起こそうとするが睡眠術は解かれない。
勝負はアテネのものに。
「天才神くたばりな」
たった一撃である。
一撃であったはずの攻撃が天才神カラミティアはスマホを盾にした。
「なんのつもり?」
「やはりな、天才のスマホは絶対だ」
カラミティアは狂気に狂ったかのように大笑い。
「あはは、勝てまい」
「卑怯な……」
「ちがう守護だよ」
カラミティアはおもむろにスマソードを横に振りアテネの腹を切った。
アテネは消滅した。
「許さない」
マッハである。
「かけっこしようよ?」
マッハは狂気じみていた。
「聖人が哀れだな」
カラミティアは目が覚めた清市にあとは任せることにした。
「オーナー様、その哀れな子と競争してあげて……」
「オレっち関係ねぇっしょ」
泣く泣くまた競争する羽目になった清市。
デスマラソンが始まる。