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シュンカンキ  作者: pix
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海岸

 海岸を歩く。

 日は当たっているが時折風が吹きそれが少し肌寒い。

 突然やって来たこの海岸は日本だという確証はないし、そうじゃないという確信もないので呼び方に少し困るな、もう少し確実な証拠があればいいのだが。向こうに見える街は到底日本街と呼べるものではないけれど証拠として認めない、認めたくない。

 そういえば俺の住んでいる日本では季節が春だった、だからここが似たような気候なのは日本だからなのだろうか。

 ――海外だと言われても実感は湧かないのだろうけど。


 思考しながらも足を進め続ける。

 砂浜は、歩くと一歩一歩足が砂に沈む。時々小石が転がっているので足の裏が痛い。

 部屋での恰好そのままでここにいるので靴は履いていない。靴下は砂がついて汚れてしまった、新しい物を買わないと。

 そう思いながら今ひたすら目指している街を眺める。

 ……あそこで買うのか。

 日本では無いのなら言葉が通じないだろうな。俺は外国の言葉など使えない、そもそも中学で英語を少し習った程度だし、教科書に載っている文程のレベルくらいまでしか読むことしかできないと思う。話すときは簡単な言葉で何とかしてみないといけない。

 あー、気分が沈んできた。やっぱり無理にでも前向きに考えないとさすがに厳しい……。


 まーでも海外に行った人の話を聞くに身振り手振りでも通じるときがあるみたいだし。苦労はするだろうが案外何とかなるかもしれない。察するのが酷い奴でもない限りそれらしくやれば大丈夫だろう。

 一番の問題が金かな、これはかなり厳しい。財布に入っている金はたかが知れているし、交通機関とかは使えない可能性がある。最悪、誰か知り合いに連絡して迎えに来てもらわないと、でもここがどこか分からないんだよなぁ。

 どんどん深みにはまりそうだ。この状況も何なのかわからないし、さっきは勢いで街に行くと言ったが、本当はもっと考えた方がいいのではないだろうか。

 自室にいて気が付いたら海にいました。

 ありえないよなこれ、あまりにも普通に別の場所に来たから現実感ないし。

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