設備室の証言・聞き取り
雨の残る品川で、真壁は入館記録を受け取った。空調設備員も消えず、無人になった直後の音と温度を証言する。建物への滞在だけでは対象にならない。 刑事の久世晃が上下階の勤務者へ同じ順番で質問する。音、光、振動、臭いの証言はどれも一致しない。
同じフロアへ毎日来ても、対象会社の仕事に加わらない清掃員と設備員は残った。滞在日数だけを数える仮説は崩れる。
二十四日以下なら安全とは断言できない。現時点で消えなかったというだけで、次の事例が同じ規則に従う保証はどこにもなかった。
二十五という数字は、最初の三件では偶然に見えた。別業種、別階、短時間勤務を加えても境目が動かず、班は初めて暫定規則へ記した。
真壁は明日の対象階を予告できなかった。できるのは危険な勤務を止めるよう伝え、発生後の記録を失わないことだけだった。
廊下の時計が日付を越えても、通報は止まらなかった。班員は勤務回数を互いに確認し、同じ業務へ固定されない交代を続ける。
特別班は現象を再現する実験を行わない。危険が疑われる人を検証のため勤務させることは、捜査ではなく犠牲を選ぶ行為になる。
消失者はチームの外にいる。班員は現場へ入るたび滞在と作業内容を記録し、同じ役割へ二十五日固定されないよう交代した。
原因を示す物質も装置も信号もない。規則らしきものが増えるほど、それを誰が何のために数えているのかという空欄だけが大きくなった。
特別班は現象を再現する実験を行わない。危険が疑われる人を検証のため勤務させることは、捜査ではなく犠牲を選ぶ行為になる。
消失者はチームの外にいる。班員は現場へ入るたび滞在と作業内容を記録し、同じ役割へ二十五日固定されないよう交代した。
(本文実測:703字)




