↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東京から人が消える。――二十五日働いた者だけが消失する現象を追う特別班の記録  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
277/312

遅れた一枚

朝、特別班の会議は前夜の未処理一覧から始まった。退避対象の一覧が届いた後、紙の勤務票が一枚だけ倉庫から見つかる。そこには別部署の二十四日が記されていた。


三上は出勤簿だけを信用せず、入館証、端末起動、送信履歴を重ねた。欠けた一日は推測で埋めず、欠損として残した。


派遣業務だけで成り立つフロアでは、受付や清掃や設備管理まで業務の一部として扱われ、通常階なら残る役割も消えた例がある。


家族へは行方不明として連絡した。遺体も帰還者もなく、警察は生死や行き先を言葉で埋めることができない。


勤務者本人が過去の日数を持てることが、最初の防壁になった。退職や転職で会社の記録から切り離されても写しは残る。


予告できなかった事例を隠せば、次の警告も信用されなくなる。班は失敗と欠損を成功例と同じ紙幅で残した。


班は他県の警察とも記録形式を揃えたが、指揮権まで一つにしなかった。現地の家族対応と捜査は各署が担った。


夜の引き継ぎでは、確定した条件より先に、翌朝までに止めるべき業務と連絡の届いていない人を読み上げた。


真壁は日付と原記録への参照先を付け、後から別の班が同じ判断を確かめられるようにした。


一つの一致だけで線を結ばず、残った人の例も同じ条件で照合した。反証を外せば、規則は簡単に作れてしまう。


働く本人へ説明する時、班は「安全」と「対象外」を使い分けた。対象外の確認例が、将来までの保証になるわけではない。


報告書には現象の呼び名より、勤務日と作業内容が多く並んだ。名前を与えても、消えた人の行き先は分からない。 班は原記録へ戻り、判断の根拠をもう一度確かめた。


(本文実測:671字)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。