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東京から人が消える。――二十五日働いた者だけが消失する現象を追う特別班の記録  作者: 竜太郎


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班員の勤務票・判断

白石は勤務者の生活条件まで確かめ、停止できる道があるかを探った。久世も聞き取り対象を替え、同じ企業の業務へ参加しない範囲を確認する。捜査と対象業務の境界は慎重に記された。


白石は勤務停止だけでなく、給与、住居、保険が途切れない道を探した。生活を失えば、人は危険を知っていても席へ戻る。


退職や休職の期間は日数を増やさないが、記録も消さない。一年後に同じ業務へ戻った例では、残りの日数から再開した。


夜の庁舎で電話だけが鳴り続けた。通報のすべてが消失ではなくても、一件ずつ記録へ戻すほかなかった。


警告が届かなければ規則は役に立たない。班は会社の代表番号だけでなく、働く本人へ情報が渡る経路を確かめた。


一度消えた人から連絡はない。位置情報、声、映像、遺留物のどれも戻らず、行方不明者名簿だけが残る。


働く本人へ説明する時、班は「安全」と「対象外」を使い分けた。対象外の確認例が、将来までの保証になるわけではない。


報告書には現象の呼び名より、勤務日と作業内容が多く並んだ。名前を与えても、消えた人の行き先は分からない。


班は他県の警察とも記録形式を揃えたが、指揮権まで一つにしなかった。現地の家族対応と捜査は各署が担った。


夜の引き継ぎでは、確定した条件より先に、翌朝までに止めるべき業務と連絡の届いていない人を読み上げた。


真壁は日付と原記録への参照先を付け、後から別の班が同じ判断を確かめられるようにした。


一つの一致だけで線を結ばず、残った人の例も同じ条件で照合した。反証を外せば、規則は簡単に作れてしまう。 班は原記録へ戻り、判断の根拠をもう一度確かめた。


(本文実測:671字)

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