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東京から人が消える。――二十五日働いた者だけが消失する現象を追う特別班の記録  作者: 竜太郎


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似ていない仕事・名簿の差

正午、渋谷の現場写真が会議室へ届いた。転職先の業務がまったく異なる者は残る。同じ顧客資料を扱い、同じ成果物を作る者だけが対象になった。 労務担当の白石理沙が出勤簿と契約書を照合し、消えた者と残った者の違いを一項目ずつ外していく。


二十日という数字は消失の境目ではなく、別会社へ移った後も追跡を確認できた最小の旧勤務数だった。


二十日を越えた後の転職では、同じ業務へ入った日だけが続けて数えられた。会社間に資本関係がなくても結果は変わらない。


仕事内容がまったく違う者は残る。顧客、資料、工程、成果物のどれが一致すれば同じ業務になるかを班は比較した。


窓の外には、夜勤の明かりを残すビルが無数に並んでいた。その一つ一つに、誰にも数え切れない出勤日が積もっている。


廊下の時計が日付を越えても、通報は止まらなかった。班員は勤務回数を互いに確認し、同じ業務へ固定されない交代を続ける。


消失者はチームの外にいる。班員は現場へ入るたび滞在と作業内容を記録し、同じ役割へ二十五日固定されないよう交代した。


原因を示す物質も装置も信号もない。規則らしきものが増えるほど、それを誰が何のために数えているのかという空欄だけが大きくなった。


特別班は現象を再現する実験を行わない。危険が疑われる人を検証のため勤務させることは、捜査ではなく犠牲を選ぶ行為になる。


消失者はチームの外にいる。班員は現場へ入るたび滞在と作業内容を記録し、同じ役割へ二十五日固定されないよう交代した。


原因を示す物質も装置も信号もない。規則らしきものが増えるほど、それを誰が何のために数えているのかという空欄だけが大きくなった。


(本文実測:683字)

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