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終末の迷い人  作者: 霜月東
序章
1/5

1話 始まり

 澄み渡った青い空、人々の賑やかな声、緑溢れる木々の木漏れ日、今日は平和な日だった。穏やかな町の中のある診療所にて、ある迷い人が目を覚ます。

 目覚めてすぐ目に映ったのは、真っ白な天井だった。


「...........っ!」


意識が長らく回復しなかったからか、光が眩しい。目の痛みに悶えていると、扉を開く音が部屋の中に響き、入口から赤髪の白衣の男性が入ってきた。彼は私を見るや否や微笑み、近づきながら口を開いた。


「ああ、無事に目覚めたんだな。良かった良かった」


白衣の男性は安堵したように呟いた。


「心配したぜ?あんたが血だらけの状態で路地裏に倒

れてたんだからな。まあ...何はともあれ、無事に目覚めてくれて本当によかった」

 

彼は私の身体を起こし、ヘッドボードに寄りかからせてくれた。目の痛みも止み、一段落が着いた時、彼はペンとメモを持ち、再び話を始める。


「まずは、俺の自己紹介からだな。俺の名前はヴァロカ・フェルシング、この診療所で医者をしている。よろしくな」


「.......よろしくお願いします」


「ああ。それで、あんたの名前は?」

 

名前、そういえば...名前のことを、何も気にしていなかったような気がする。あやふやな記憶の中から自分の名を探す。そのとき、


「.....!?ぁ...いっ.....!」


なにか硬いもので殴られたような痛みが頭に広がる。頭が割れる、痛い。


「っ!?おい!大丈夫かっ!?ちょっと待っててくれ!水と薬、すぐ持ってくるからな!」


───【数分後】───────────────


ヴァロカはすぐに水と薬を持ってきてくれ、飲ませてくれた。効き目が出るまでの間、彼は隣で頭を撫でてくれた。幸い、効き目はすぐに現れた。


「効いてきたな。よかった...なにか、思い出したくないことがあったのかもな。すまん、無理矢理思い出させようとして」


「...大丈夫です。こちらこそ、ご心配をおかけしてすみません」


「謝るなって、俺は医者だ。患者を心配するのは当然だからな。それと...あまりあんたの記憶を探るのは辞めた方がいいかもな。あんたに痛い思いはさせたくないし」


彼ははにかみながら語った。彼の温かさが、私の心の何かを溶かしてくれたような気がする。


「まあでも、名前が分からないと不便どころの話じゃないしな...んー....あんたに似合いそうな名前なぁ...」


彼は頭を捻らせ、私の名前を考えてくれる。少し時間がたった時、彼は閃いた顔をした。


「.....エルシア、なんてのはどうだ?」


それは、なんとも心地良く、懐かしく思えた。


「いい名前だろ?あんたのその綺麗な紫色の髪にも、水色の目にもよく合う、それに…はは、こういうこと言うのは照れくさいが、あんたの純粋無垢な心に似合いそうって思ってな」


ヴァロカさんは顔を赤らめながら。


「あんたが嫌じゃなければの話だが…」

「.....いえ、この名前がいいです。何故だか、分かりませんが...この名を呼ぶと...なんだか懐かしい気分になるのです」


「そうかなら良かった。それじゃ、これからよろしくな、エルシア。」


彼は笑みを浮かべ、私に手を差し伸べた。


「……はい、よろしくお願いします」


私は頷き、手をと......


『オイ!ヴァロカ!!充電ハマダカヨ!』


「ひゃぁっ!?!?」


 思わず手を引っこめ、機械的な声がした方に目を向ける。ドアがバンッと音を立てた後、丸っこい何かがヴァロカに向かって目にも止まらぬ早さで飛んでいく。


『モウオレハクタクダ!イチャイチャシテネーデ充電シロ!!!』


弾丸のような速さで飛び出したそれを、ヴァロカは一瞥した後、手馴れたように静止させる。


「なんだよサード、今いいとこだったのに」


『オマエ!!オレノコトヲ蔑ロニシテ、ソノ上コイツニナンモ教エテネージャンカヨ!!!』


サード...?の言葉を聞いた後、ヴァロカはハッとした様子でこちらを見た。私は何が起きているのかが分からず、固まってしまった。


「....なあ、ここについての話ってしたか?」


急に話しかけられたところで、私は我に返った。


「た....多分していないと思います」


「……まじか」




皆さんどうもこんにちは、そしてはじめまして。霜月東(しもつきひがし)と申します。小説は初めて書きます故、稚拙な文が多くなると思いますが、ご了承いただきたいです。

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― 新着の感想 ―
読ませていただきました。 『終末の迷い人』の序章は、正体不明の災害〈終末〉によって人類が滅亡の淵に立たされているという過酷な世界観を背景にしながら、記憶を失った少女エルシアの「再生」を驚くほど優しく、…
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