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砂の門  作者: 山代
3/3

砂門と俺 3

 着ていたワイシャツを破り、ガーゼの代用とし傷口に敷き詰める。

常時携帯している全適用偽血液を、急速輸液する。

恐らくショック状態だろうし、身体活性剤も打っとこう。

数分経つと、少しずつ顔色が良くなってきたが、これはあくまで応急処置だ。

出血の勢いは弱まったけれど依然として止まらない。 

今は輸液と活性剤で持ちこたえているが効果が切れれば状態は急激に悪化するだろう。



「おい少年、砂獣(さじゅう)を見たかい?どんな姿だったか何匹いたか教えて欲しいんだが」


「カマキリみたいだった……、1匹だけで…でもすごく大きくておじさんより大きかったんだ。」


「ありがとう。」


『民間人の証言から砂獣の特徴を提示する。

カマキリ様小型砂獣、2m前後と推測される。』


『了。標準武器使用許可』



 しかし、不味いな。セオリー通りに動くならば妊婦を見捨てて子供を避難させるべきなんだろうな。

これが世間に露見して、しかも両名が死んだとなれば退職金が減る可能性がある。

つまり俺に残された選択肢は


1.妊婦、子供、両名の避難完了

2.砂獣の単独討伐

3.応援を期待する


現実的なのは2.だけだろうな。

カマキリはまだ近くにいるだろう。



『標準武器を形成する。』



ズボンに付けていたキーケースから鍵を取り出し、グッと握りしめる。

周囲の砂がするすると鍵へと集まってくる。

次第に、円柱に形成されていく。

最終的には鈍色をした鉄パイプのような物へ変化した。


『標準武器形成完了、B-017異常無し。』



全適用偽血液……人類の98%に適合する血液のような物


身体活性剤……脂質と太陽光とCo2でエネルギー、酸素を生産し治癒能、造血能、心肺能を高める。効果時間中は肌が緑色になる。

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