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2.猫

 


「きっ様......父が喋っていると言うのに、口をはさむなど! なんと生意気な」


 憤慨するお父様。ダン!と壁を叩き、それに驚いた黒猫が使用人の腕から抜け出た。


「お父様、私は反省しております。 なので、直ぐにでも罰を受けさせて頂きたいのです」


 グチグチと言われ、つい反撃をしてしまいました。お父様は口答えをすれば嫌味が長くなることは知ってましたが、この仕打ちについ口をついてしまいました。


 この不毛な会話は早く切り上げたほうがいい。なので、とりあえず謝っておきましょう。表向きには、ね。

 この手のタイプは反論しても無意味ですし。


「ちっ、連れて行け」


 頭を下げる私。(もうあまり顔も見たくないので丁度いい)


 と、その時。


「にゃあ」


 黒猫が私のもとへとことこと歩いて来ました。あらあら、ほんとに可愛らしいわね......って、あれこの子私の愛猫のチェシャに似てますわね。

 首輪ついてないですけど......あれ、でもこの子もしかして。


 そう不思議そうに思っていると、猫は私の左手に撫でてもらおうように頭をスリスリする。



「「「――!!?」」」



 三者三様の驚愕の表情。おそらくは使用人も含め、皆の心は一つとなっていたでしょう。「は!?」と。

 って、いやいやいや!!おい、こら、何してるんですの!?


 もはやどうすることも出来ずに猫を見守る部屋の人々。


「みゃあ、にゅう。 にゃあ〜......」


 パタリ、と床に伏した黒猫。というか私の愛猫チェシャ。


「や、やはり......! アリメ、貴様は異能で命を奪う力が!!」

「ほ、ほらね! お姉ちゃんは忌み子だったのよ!!」


 ......私の、チェシャが。


「なぜこの子を......」


 私の問いに、彼女がその表情をもって答えた。ニアラは口元をつりあげ、恍惚の笑みを浮かべる。

 首輪を外し、使用人へと預けたのは確実にニアラでしょう。


 卑劣で最低で醜悪。


 この場で皆をチェシャと同じ場所へ送って差し上げる事も容易です。

 しかし、そのような事をしても無意味。


 ......もう、どうにでもなれ、ですわ。


「いい気味ね、お姉ちゃん。 ふふっ」


 こうして私はチェシャの亡骸と共に地下室へと幽閉されることになったのです。


(......まだ、温かい。 私のせいで、ごめんね)









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