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前章

「軍神アレスとは俺のことだ」

気がつくとそこは見渡す限りの草原と小さな古代ギリシャ風の神殿で、入り口を見ると長身の男が立っていた。


軍神アレスと名乗った男は裸足で、エクソミスと呼ばれる服を着ていた。傍らにはその長身を隠せるほどの大きさを持つ楯と3mはありそうな槍が立て掛けられている。男は顔の彫りが深く、身長も大柄で日本人ではない様に見える。


私は死んだはずなのでここは死後の世界ということになる。ということは神が出てきてもおかしくはないのだが、宗旨変えをしたつもりはない。会うとしたら、三途の渡し人の筈である。それにしてもなんで軍神なのだろうか。まあとにかく、神だと名乗るのだから下手に出て問題ないだろう。地獄にでも落とされたら事だ。

「そのアレス様が私になんの御用でしょうか。」


「最近、人間も神のような力を使えたり魔物が平然と出る物語が人間の間で流行っているだろう?」


確かに碌に趣味を持っておらず仕事一辺倒だった私にも話には聞いていたので流行っているに違いない。部下に勧められたものにそんな本があったはずだ。


「興味を持った奴がそんな世界を作ってみたいと言い出してな。色々あって作ることにしたんだが、誰が何を作ったかわからなくなって結局一神一国を持つ事になったのだが、俺の国が小さくてな。」

アレスは短く切りそろえた髪をなでつけながら言う。


「神格が下の神に負けているのは腹が立つ。そこで侵略(拡げる)ことにした。」


「申し訳ありません。話が見えてこないのですが。」


不穏すぎる。さっき聞いた通り、魔法があったとしても、軍神というくらいなのだから一柱で事が済む筈だ。こうして話をするという事は、、、。

「とはいえ直接介入するのは禁止でな、そこでやれそうな人間を選んで転生させることにした。安心せい。相手も神は出て来ん。」

やっぱり、代理戦争をやらかすつもりなのだこの神は。

「私には荷が重すぎます。戦争をやったことはありませんのでお役には立てないと思います。」

死んでまで戦わなければいけないとかなんて苦行だ。全くやってられない。

「断ることを禁ずる。もともと、地獄に行くやつから選んだのだ。次に死んだとき地獄へ落ちたくないのであれば選ばれた事を光栄に思い、奮起するが良い。」

急に体が動かなくなり、一言も発せなくなる。やはり目の前にいるのは強大な存在であり、逆らうことの許されない神であるということをわからされる。


アレスはニヤリと笑いながら言葉を発する。

「転生してからは加護も与えてやる、準備期間もやろう。戦の神の名、汚すなよ。」

アレスが言い終えると目の前が白く霞んで感覚がなくなった。




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