表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/95

家路





「次は──駅、──駅。お降りの際には、忘れ物ないようにお願いします。間も無く到着します」



カタン

コトン

キィー!



「ハッ!!」



よだれをたらしながら、バチっ!と目が覚める私。

隣で七菜さんも、よだれを垂らして私の頭にほおずりしている。


ちょっ!

髪!!



「七菜さん!降りますよ!急いで!」



プルルルルッ

プシュー



ドアが閉まる電車。

どうにか、下車するのに成功したようだ。

ふぅ......間に合った。


私は、口のよだれをふきつつ、髪の毛についたよだれも拭きつつ、七菜さんのよだれも拭いてあげる。



「行きに続いて、帰りまで寝ぼうするなんて」



「いや、そりゃあ夜にあんだけ起きてたら、昼寝るでしょ。2日で睡眠時間、6時間ぐらいじゃない?」



「七菜さんが寝かしてくれなかったからですー」



「聲が可愛いすぎるからですー」



イーと、舌を出す乙女たち。

端から見て、恥ずかしいぐらいバカップルだった。

尊い.......。

すれ違いの、着流しのお兄さんが、あら~してた。


案外、七菜さんとこうしてイチャついてる時は、人目気にならないんだよね。

それだけ、視野がこう!

狭くなって.......

2人だけの世界入っちゃってる!?

目と目が合う。

もう七菜さんも、目はそらさない。

互いが互いしか見えなくなる。



「現地解散だったね.......。んじゃ、お別れのキスでもしますか」



「人目は気にしないけど、やっぱり......ん!」




駅のプラットホームで、電車が過ぎる。

その影に隠れて唇を奪われた。

風で髪の毛が乱れる。

これから先、何回唇を奪われるのだろう?

捧げて、奪い返そう......。


背筋を伸ばし、浮いたかかとを戻す。

少しかがんだ七菜さんも、背中を戻す。

2人で笑い合うけど、なんだか寂しい。



「寂しいな......」



「家に着いたらライン送りますね」



旅行の後の、あー家に帰ってきたー!という感覚よりも、名残惜しい感じだった。

腰に回していた手を離し、お互いの指で絡み合い、さよならという。

明日、直ぐに会えるのは分かっているけれど、それでも寂しかった。



「七菜さんまた明日!」



「うん。聲も気をつけて帰って」




夏休みも、もう終わりだ。





続く






















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ