ジンギスカン
カーテンの隙間から朝日が漏れる。
一筋の光が顔を差して、眩しくて目が覚めた。
七菜さんの腕の中で、体温を感じながら、フアア~とあくびをする。
寝起きで、まだボーとした頭で、昨晩の事を思い出す。
ヒャー!と恥ずかしくなって、1人で首を振りながらキャイキャイ言っていた。
その音で、寝ていた七菜さんも、うっすら目を開ける。
「.......聲、うるさい」
「ご・め・ん・なさい♪」
七菜さんに、おはようのキスを軽くする。
七菜さんも、そのキスを合図に、のっそりと体を起こす。
「まだ早いじゃないか。もう少し眠れるだろうに」
「今日も観光がありますから。起きて服を着ましょう」
ベッドから降りて、ワンピースに袖を通す。
あれだけ裸が見えるのも、見られるのも意識していたのに、今はなんとも......思わなくもないか。
七菜さんの着替えているとこを見て、やっぱり綺麗だなと、意識した。
「ファ~寝不足だな。誰かさんが寝かしてくれなかったから」
「なっ!?」
「いや~私が肉食系なのは、そうだけど。聲も私ほどじゃないにしても、小型の肉食獣だったなあ~」
七菜さんの悪態に、顔から火が出る。
そりゃ自分のした事ですけど、相手に直で言われたら、さすがに恥ずかしい。
恥ずかしさを誤魔化すように、バチん!と、七菜さんの背中にもみじをプレゼントした。
「わっひゃっ、ひゃっ♪聲が怒ったあ~」
背中を叩かれた七菜さんは、笑っている。
変態さんめ。
腹たつなー。
着替えて、ホテルを出る。
昨日と同じようにバスに乗り、高原を目指す。
今日は牧場で、ジンギスカン鍋を食べる予定。
あら、お肉。
また肉食系って言われますね。
「おー。いい風!」
「足元の芝生も気持ちいいですね」
高原に着いた私達は、ジンギスカン鍋の用意のされたテーブルに着く。
店員さんが、お肉を運んできてくれる。
火が起こり、真ん中に突起のある鍋が熱くなり、お肉を置く。
ジュー!!
「おおっ!」
「おおっ!」
お肉から、油が鍋の下に流れて落ちていく。
油が切れていい塩梅だ。
「私、ヒツジ肉って初めて。いただきまーす♪」
「私もです。ムグッ!」
ラム肉にかぶりつく女の子達。
そこから先は、声を発しなかった。
ただ肉を焼いては食べ、焼いては食べ。
たまにご飯を。
小型と大型の肉食獣が、一心不乱に貪っていた。
──「ご、ごちそうさまでした......」
お腹がパンパンに詰まった、乙女が2人。
そのお腹で、人目にふれてはいけない!
ボテ腹を抱えた七菜さんが、
「これて精はついた。今晩は、私が寝かさないからね、聲?」
「上等です、七菜さん。どちらが真の肉食系か、ハッキリとさせましょう」
高原の牧場を出ると、小さな教会があった。
少し見学していこうと、中を覗いてみようとする私達。
中には、教会っぽくないスーツをまとった女性が、こちらの顔を見て、ニコリと微笑んだ。
「いらっしゃい」
続く




