特賞!
ウオオオオ!!
買い物中のおばちゃん達が。
商店街の店主の皆さんが。
通りすがりのちびっ子達も。
スゲー、スゲーと、拍手で祝ってくれた。
「こんなにあっさり出るなんて!」
「1等、特賞と立て続けに!」
福引きの赤いハッピを着た、双子のおばあちゃんは、寿命が縮んで死んじゃうんじゃないかって、ぐらいの驚きようだった。
1等、特賞と、連続で引いた七菜さんは、涼しい顔で、
「引き戻しだね。賭け事では、たまにある」
しびれる横顔だった。
さっきの見捨てられたのも忘れて、
やだっ......かっこいい!
「しかし、特賞ってなんだろう?私、1等のセンテンドー25しか目に入ってなかったからなあ」
「そうなの?こっちの方が、メインイベントっぽいけど?」
七菜さんが、福引き会場の上に掲げてある、大きな看板を指差す。
「特賞!北の大地ペアお二人様旅行!二泊三日の無料招待券プレゼント!!」
って、デカデカと書いてあった。
なるほどメインイベントだ。
双子のおばあちゃんに、宿泊券とセンテンドー25を、手渡される七菜さん。
おばあちゃん達は、冷やかしてくる。
「お嬢さん、旅行は誰と行くの?」
「彼氏かい?彼氏かい?」
「彼女と行ってきます♪」
私の手を繋ぐと、笑顔で切り返す七菜さんだった。
えらいこっちゃ。
ほんとに、夏のメインイベントだ!?
──商店街の帰り道。
あれだけ欲しかった、ゲーム機を手に入れた私だったけど、ウキウキしなかった。
別の事でソワソワしていた。
「どうしたの聲?センテンドー25嬉しかったんじゃないの?」
「いや、嬉しいは嬉しいんだけど.....」
ん?とハテナ顔の七菜さん。
ハッ!として。
「ごめん!勝手に旅行行くって、言ったりしちゃって。その前に、見捨てちゃって!ごめん、聲.....まだ怒ってる?」
「見捨てたのは、もうなんとも怒ってないよ。センテンドー25もありがとう。嬉しい。.......けど、けど旅行の方に気を取られちゃって。そっちの方が楽しみで」
「こ~え~♪一緒に行ってくれるんだ!」
私の手をとって、ブンブン振ってくる七菜さん。
もちろんです......。
私以外と行ったら、本当に許しませんから。
それに、私も七菜さん以外はありえません。
私達で、行かないとどうするんですか?
笑顔で、七菜さんに答える。
「楽しみにして下さい」
続く




