朝一番
コケコッコー!
朝もはよから、遠くでニワトリが鳴いたような気がした。
置時計を見たら、5時。
少し目が覚めたけど、
.......うつら.......うつら
二度寝をする私。
朝のラジオ体操にも早い。
いや、行った事もないけど。
二度寝気持ちいい。
クーラーの効いた中の、お布団最高。
──ニワトリがいた。
いつもの野営している、七菜さんがいる公園にきた私。
せして、そこに、おそらく今日の朝一番を上げたであろうニワトリがいた。
「な、七菜さん!?どこで買ったんですか!?いや、売ってないか!どこから、パクってきたんですか?一緒についていってあげますから、早く自首しましょう!」
コッコッコッ
首を上下させながら、地面をついばむニワトリ。
赤いとさかがまぶしい。
「待ちな、聲。コイツとは、買ったでも盗んだでもない」
七菜さんが、渋い感じの中年のオジサンのように、額にシワを寄せる。
「コイツとは出会っただけだ。なあ、アインマル」
「コッコッー」
ニワトリを慈しむように、ウットリ眺めている七菜さん。
羽毛を手で撫でて、ヨシヨシしている。
なんか、今回は共感出来ない。
今日の話しのハズなのに、もう名前がついてるし......。
「昨晩、聲と別れた後にさ。少し雨降っただろ?その時に、テントにコイツの影が差し込んだんだ。ああっ、晩御飯はチキン南蛮かな?と、思ったよ」
「ワイルドな女子高生だなあ......」
「しかしテントをめくって、一目見て背中に電気が走った。コイツは、俺だ.......。誰にも飼われちゃいねえ」
「もう、喋り方まで中年のカウボーイだよ」
「コイツなんて言っちゃ失礼だな。アインマル!お前はアインマルだ!」
「コケコッコー!」
「そんな事があって、昨日からアインマルが家族になったのさ」
「私を差し置いて!?」
七菜さんは、アインマルにベタベタしまくっている。
アインマルは.......いや、やっぱり只のニワトリだよ......。
「ふふふっ♪今朝の産みたての卵も格別だったぞ?聲にも、今度ごちそうしよう。な、アインマル」
七菜さんが、アインマルのとさかを優しく撫でる。
コッコッコッとアインマルが首をよじる。
な、七菜さんが、そんな優しい目をして、触っていいのは、私だけだもん!
「暑さで、おかしくなっただけだからねー!」
私は、捨てセリフを吐いてダッシュする。
七菜さんが、目をシロクロさせているのが、チラリと見えた。
知らない!
「聲?どーしたんだ?」
ポツンとアインマルと七菜さんが、置いていかれた。
続く




