カレー
「すいません、またお邪魔します」
「いいのよ!七菜ちゃんに見てもらえるなら、大歓迎よ。聲に色々教えてあげてちょうだい」
ウチに、七菜さんが遊びにきた。
と、言ってもお昼を一緒に作るのに、七菜さんのエンゲル係数下がればなと、家に呼んだ。
「いやー助かるよ。聲の家に足向けて寝れないな、ほんと。それで、今日は何を作るんだい?」
「お肉の入った、夏野菜カレー」
「いいね。本来なら、夏野菜だけなんだろうけど、私の為にお肉をねじ込んでくれたのが、非常に嬉しい」
「七菜さん、肉食系ですから」
「否定はしないよ?いつか聲もご馳走さまだ」
お母さんの存在を忘れて、オープンファイヤーなやり取りをしてしまった......。
いや、ウチのお母さんは、親指を立ててサムズアップをしていた。
変わんねえな!
「と、まあ聲は包丁上手だから、野菜お願いしようか。適当な大きさでよろしく。」
サクッ
サクッ
用意された夏野菜を切っていく私。
ズッキーニ
トマト
パプリカ
人参
じゃがいも
そしてお肉
「小学生の手つきじゃないね、変わらず......。せめて、火の扱いでは聲に勝たないとね」
七菜さんは、先にお肉だけをサラダ油を少しひいて、サッと焼き上げた。
そして、肉は取り出す。
次に、多めのサラダ油で、切れたじゃがいもと人参
を炒める。
全体に油がまわったのをみて、水を入れた。
そして、コトコトと中火で煮込む。
浮いている油をとりながら。
串を刺してみて、火が通ったのを確認したら、後の具材を放りこむ。
カレー粉
八丁味噌味噌を入れて、また少し煮込む。
20分程で完成!
ご飯を大きめのお皿に装い、出来たカレーをかける。
野菜の量をバランスよく。
肉が最後のトッピングだ。
主役じゃない。
今回は、脇役だ。
「いただきまーす♪」
クーラーの効いたダイニングで、出来立てアツアツのカレーを頬張る私達。
うん、美味しい。
野菜が甘い。
「旨い!旨い!」
「アハハッ♪やっぱりお肉なんですね」
ガツガツとお肉を頬張る、肉食系の七菜さん。
うん。
今日の事も、夏休みの絵日記に書こう。
絵日記が楽しい事で埋まっていく。
毎日が楽しくて仕方ない。
嬉しいな。
そして、少し切ないな。
続く




