美容
夏の暑苦しい日差しを逃れて、我が家の自室のエアコンは、グオングオンとフル稼働。
暑いのもあるけれど、今日は七菜さんが何か用事があるとの事で、部屋で涼みながら2人で、コーラを飲んでいた。
七菜さんは、言いにくそうにしていたので、私は話しを振ってみた。
「七菜さん、お金ですか?」
「.......お金。では、無いんだけど似たようなものかな」
非常にバツが悪そうな、七菜さん。
では、なんと?
「うん。今、お金が無いんだけど、散髪がしたいんだ。だから、聲に髪を切って欲しいな~なんて」
「お金貸しますから、散髪して下さい」
2秒かからず即、断った。
「そんな事言わずに、頼むよ~聲。あとさー髪染めてみたいんだよね。金髪に」
「な、なんで!?ふ、不良になる気ですか!ゆ、許しませんよ!?バイトだってあるでしょ?」
「聲が、お母さんみたいに(笑)大丈夫だって。聲も良い経験になるし。それぐらいなら、バイトも許容範囲だし。それに見てみたくない?私の金・髪・姿♪」
シナを作られてしまった。
.......ちょっと見てみたい。
孤独主義の七菜さんだけど、リア充グループ?にも所属してるけど、その髪は普通に黒髪で、肩まで延びている。
.......美人。
.......加えて男前女子。
「分かりました。染めるのだけは手伝います。だけど、切るのはお店でやって下さい」
「うわーい!聲、ありがとー♪うふふ。何を想像してくれたのかな?」
私の後ろから、軽く腕を回して抱きつく七菜さん。
アゴを頭の上に乗せないで頂きたい。
「単純に似合うと思っただけですよ」
絡み付く七菜さんの腕を外して、照れたのを隠すため、顔の表情を見せずに七菜さんから、離れる。
「ちゃっちゃっと染めちゃいましょう。どーやるんですか?」
「照れんでも(笑)うん、薬局で買ってきてあるから、もうできるよ」
説明書あれば出来るでしょ。
なるほど、A液とB液を混ぜて、白くなった液体を髪にまんべんなく塗りつける。と.......。
「うひゃ!?」
「七菜さん、うなじ弱いですね(笑)」
「聲。そういうのはいくらでもやっていいけど、今は駄目だよ。綺麗な金髪見たいでしょ?」
今やりたくなったけど、それも、そうだ。
と、グッとからえた私は、少し大人。
塗り終わって、ラップを頭に巻いて時間を置く。
「うん、そろそろかな?お風呂借りるね?聲、一緒に入る?」
「金髪を見て、オーて言いたいので遠慮します」
「分かった。流してくるね」
七菜さんが、一階のお風呂に向かってから約20分。
そろそろかな?
カチャリ
ドアが開く。
「どう、聲?お礼に、私を好きにしていいよ?」
ウインクをする七菜さん。
凛とした顔立ちに、光りが透ける金髪。
キラキラと、綺麗に染まっていた。
いや、その七菜さんが綺麗だ。
もうこれは、七菜さんじゃない。
私は思わず呟いた。
「お姉様」
続く




