お姉ちゃんてこんな感じかな?
「聲。肉まん半分こする?」
「それじゃ私もアイスバー半分どぞ、七菜さん」
学校帰りのコンビニで待ち合わせた私達は、ちょっと遅い3時のおやつの時間を過ごしていた。
場所は、七菜さんと初めて会った公園で、2人で買った食べ物をワケワケしていた。
「七菜さんとおんなじ学校だったら、もっとダラダラ出来るのにな~」
「聲はまだ小学生だからね。でも、こーして一緒に時間を過ごしているのも不思議な縁かな?」
七菜さんは、温かい肉まんを頬張って、アイスバーをかじる。
この寒暖の落差が!落差がたまらん!
と、やりながら、
「まあ、私の事は歳の離れた親戚のお姉さんみたいに思ってくれていいよ?」
「七菜さんは年上なんだけど、余りそんな感じがしなくて.......」
「同士!って感じか。確かに、自分で言ってそんな気がまったくしなかった......」
カハハッ!と笑ってみせる七菜さんだった。
七菜さんは、高1で、私は小3。
なのになんだろうか?このぴったりハマってしまったフィーリングは?
「ほんとにね。240円であれだけ泣ける高校生がいるなんて」
「友達いないんだから、友達なろう?」
グーで、七菜さんの二の腕を本気で突く。
アウチ!と七菜さんが腕にダメージを負ったが、
軍配は私が、圧倒的に不利だった。
メンタルがブラックに染まって、顔も羞恥に染まる。
腕をさすりながら七菜さんは、
「聲は、突っ込みの加減を覚えた方がいいな」
「七菜さんが煽らなきゃいいんです」
ボケと突っ込みは、ある程度出来た方がいいよ~とアクビ七菜さん。
公園のベンチで座りながら、隣でコックリコックリと、船を漕ぎ出した。
「.......」
小3の私からしたら、撫で肩だけど大きな肩。
七菜さんの肩に頭を乗せて寝たら気持ち良く寝れそうな気がした。
ついっと。
頭を乗せてみた。
七菜さんの腕が下がり、私の肩にかかる。
肩を組まれた状態で、七菜さんの体温を感じる。
もっとドキドキするものかと思ったが、逆に体温が心地よくて私もウトウトし出した。
「お姉ちゃんてこんな感じかな......」
木漏れ日がキラキラ揺れる、木陰のベンチで、七菜さんの肩に頭を預けた私は、安心感でぐっすり眠りこけていった。
七菜さんも、ヨダレを垂らしながらスーピーと爆睡していた。
──夕方。
夕方の風に吹かれて、肌寒くなり、ほぼほぼ同じタイミングで目覚めた私達は、目を合わせると、照れくささと、気まずさで何を言えばいいかと......
「お姉ちゃんて呼んでもいいんだよ?」
「起きてたんかい!」
私の地獄突きが、七菜さんの横腹にささる。
そう、そう、それぐらいの感じ♪
と、脇腹を押さえながら七菜さんは、人差し指と親指で丸を作ってOKサインを出した。
いや、ボケと突っ込みをやりたいわけでもないんだけど?
私と七菜さんは、夕暮れの中帰途についた──
続く