バスフィッシング
町を離れ
小高い山の中
私達は小さな湖に来ていた
湖にはアヒルの親子が優雅に游いでいる
涼しげな情景だった
そんな中、私達は釣りをしていた。
涼はどこいった。
キャップにタオルを仕込んで、ストイックに竿をふる七菜さん。
UVカットのサングラスが様になっていて、格好いい。
──今から2時間前
「七菜さん釣りですか?」
「うん。エンゲル係数を下げようという狙いでね。海で青魚を狙う予定さ。聲も一緒に釣る?」
「いやー。私、虫触れないですから」
「そっか。うーんエンゲル係数はまた今度にするか。よし、聲。湖にいこう!エサは止めてルアーでいこう、釣りは初めてだろう?教えてあげるよ」
「優しくお願いしますね」
──そして、湖の湖岸から私達は、竿を投げ続けている。
ルアーというのを初めて見たけど、スプーンみたいなのが、キラキラ回転して綺麗だなあ。
エサは無理だけど、これなら気にならないや。
「それ、まんまスプーンていってね。引けば、クルクルと水の中で回って光りの乱反射で、魚を誘うんだ。昔、釣り人が船の上で、誤ってスプーンを落としたら、魚が食いついたって話しから、出来たらしい」
「へー、こんなんにかぶりつくんですね」
「私達が今狙ってる、ブラックバスは悪食だからねぇ。そして、バスも食べようと思えば食べれる」
まだ、エンゲル係数を諦めていない七菜さんだった。
七菜さんのルアーは、なんかジャラジャラして派手なやつだな。
「これはスピナーベイトってね。広域を探るのに便利なやつだよ。だだ巻きOK。これでアタリがあったら、そこを攻める」
七菜さんが次々と、少しずつポイントをずらしながらキャストしていく。
なるほど。
七菜さんのルアーは、巻いて投げてが早い。
「こーゆーのを、ラン&ガンってね。とにかく投げて移動して、って」
「釣りって、もっとのんびりやるもんかと思いました」
「バスフィッシングは、けっこー動くな。ははっ。まあ、釣りにも色々あるっとぉ!」
ガシン!
と、七菜さんが竿をしゃくった。
「うーん。合わせたけど浅かった、残念。けど、ここいらの深めの深水にいるね、バス。活性も悪くない。聲、この辺にキャストしてみな?」
「は、はい!」
私も、七菜さんが投げた辺りに、キャストしてみるけど、思った通りにはいかない。
だってビギナーだもん!
ガッ!
「フィーシュ!!」
隣の七菜さんが、またしてもフッキング!
今度は乗ったみたいだ!
ロッドがしなる!
ラインが走る!
七菜さんは、立てていたロッドを下に向ける。
そしてまた立てて、リールを巻いて、下に下げる。
バシャッ!
水面から、ブラックバスが躍り出てきた!
うわっ!
跳ねてる!跳ねてる!
七菜さんは、ロッドを立てて、
ブラックバスの口に親指を入れて持つと、私の目の前に持ってきて、見せてくれた。
「うわー。思ってたより緑っぽい。生臭い!」
「グ~ド。30cmってとこね」
七菜さんが先ほどから、怪しげな英語を口走っているけど、なんなんだろう?
これも、そうする作法なのかな?
なんか違う気がするけど......。
グイン!
よそ見をしていた私のロッドが、大きくしなった!
慌ててロッドをしっかり持つ私。
「う、うわあ!?」
「お。ビッグサイズ!トラウト?」
続く




