入院生活エトセトラ
「はい。お熱計る時間ですよー♪」
「........!!」
「........!!」
横に満面の笑みの看護師さんの、お姉さんが立っていた。
一瞬で正気にかえって青ざめる私達。
看護師さんは七菜さんに体温計を脇に差し、
「カーテンを閉めても、一応大部屋だからね?若いから盛り上がっちゃうのは分かるけど、雰囲気で周りに伝わっちゃうからね?気をつけてなさいな」
周りのお年寄りも、
えがったあ.......。
とご好評の様で、大変恥ずかしくなる私達だった。
青ざめた顔が紅くなった。
や、やらかした......。
「はい、平熱。大丈夫よ。やらかした方が後々役に立つから気にしないでいいよ」
看護師は、笑顔のまま去っていった。
もう汗拭きと、着替えは済んだからカーテンは閉めたままだった。
流石にあの後に開ける根性は無い。
また、やらかすかも知れないしね......?
「うっふっふ。あー恥ずかしかった」
「笑いこっちゃないですよ七菜さん。リンゴでも剥きますからね」
サクッ
スル
スル
スル
リンゴに、ペティナイフを沿わして皮を繋いだまま剥いていく。
我ながら、小学生にしてこの手さばきは中々無いんじゃなかろうーかと、思う。
「す、スゴいねー聲!私キャンプ生活長いけど、そんな綺麗にリンゴ剥けた事ないよ!前世、殺し屋?」
「上げて落とさないで下さい。称賛だけ受け取りましょう、はい七菜さん口を開けて?」
手早く剥き終わったリンゴを、私は切り分けて、小さなフォークに突き刺して、七菜さんの口元にやる。
「.......まさか、聲から来るとは。行くのはいいけど、来られたら緊張するね」
「勝手ですか。はい、あーんして?」
うん。
シャクリ!
美味しい。
七菜さんがリンゴをパクつく。
「これ、あれだねー。リンゴと汗拭き順番逆だったねー」
「そうかもですね。でもそれじゃあ邪魔が入らず、どーにかなっちゃってたかも、でこれで良かったんじゃないですか?」
「邪魔ってw」
それも、そーか。
焦らしも、またスパイスの一つ。
と七菜さんがごちた。
しかし、次の刹那。
「あ。こ、聲!カーテンの外に出て!早く!お願い!」
「どーしたんですか?そんな急に慌て?」
「だ、だめ。間に合わない。で、出ちゃう!聞かないで!」
「聞く?」
ぷ~。
七菜さんが両手で顔を被い、羞恥に耐えておならをした......。
なんかドキドキしました。
焦らしもだけど、羞恥心もスパイスですね。
「良かったですね七菜さん。おならが出たら盲腸は完治でしたっけ?」
「こ、殺して~。聲に聞かれたら、もうお嫁に行けない」
「それこそ、もらってやりますよ」
「ん?」
「ん?」
こうして、七菜さんは盲腸を治して無事に退院出来ました。
続く




