ぶつけ相
縁日の屋台をはしごして、お土産をたんと持たされた私ではあるけども、隣で歩く甚平姿の七菜さんに聞きたい事が2、3あった。
「.......。七菜さんは同世代の友達はいないんですか?」
「ぶうふぉあうう?!」
かき氷を頬張っている、七菜さんが盛大に吹き出した。汚ない。お行儀悪いですよ?七菜さん。
聞きにくい。いや、聞いちゃ駄目な質問なのは百も承知の助で聞いちゃった。
ノリって怖い。私こんなキャラじゃないのに。
「い、いや、まあ、バイトで忙しいし、色々、タイミング合わないって言うか、そ、そのーねえ?」
はははっと歯切れの悪い七菜さんだった。
当たり前か。こんな振りなら、切れ気味に返す以外無いものね。
罪悪感が沸いてきたので、私は七菜さんにナイスな提案を持ちかける。
もとい最初からそのつもり。
「私で良ければお友達になりませんか?」
「えっ!?聲、友達いないの!?」
俊足で返してくる七菜さんだった......。
いや、いないけどね.....。
想定と違う返しにこめかみがピキィ!となる私。
これまた想定外に、縁日の夜更けに私の声がこだまする。
「ええ!いませんよ!?友達いないですが、そんなにおかしいですか!七菜さんいるんですか?友達いるんですか!?」
「いや、すいません!すいません!いないと言えば嘘になります......」
私の傷に塩が塗りつけられた気持ちになった。
塗りつけたの、夏の夜の雰囲気。
すいません、私です。
ノリで自爆しました。
「.........」
シンと静まった夜の雰囲気に、もう......あれだな。自爆したんだから最後まで行ってしまおう!
行ききってしまおう!
「もー!七菜さんのアホウ!友達いないんだから、友達なろう!って、私こんなキャラじゃないのに!」
「くくくっ.....!アッハッハッ.....ごめ、ごめん、叩かないで...くくっ!」
涙目で浴衣の裾を振り回しながら、甚平姿の七菜さんをポカポカ子供殴りをする。
子供だけど本気だ。本気で怒っている。
その私の攻撃を封じ込める形で、私をギューと抱き締めた、七菜さん。
私はジタバタするが動けない。
甚平の七菜さんの匂いがする。
モガー!
「ごめん、聲。ありがとう。私がこんなんだけど、友達に、友達以上になれたらいいな」
グルグル回していた私の手は、グイっ!と、七菜さんの体に回って、抱きついた状態だ。
私は今の不細工な顔になってるだろうから、見せたくなかったのだ。
「ちくしょー!!七菜さんは、やっぱり年上だった!私の方が泣いてるし!もー!なろう!友達に。友達以上に!」
私に友達が?
初めて友達以上?の人が出来たのだろうか.......。
続く