腹痛
商店街をブラブラして歩いている私達。
アーケードの下、夏の暑い日差しを避けながらのブラブラだった。
先程から静かだ。
妙に静かだと思ったら、隣の七菜さんが無口だ。
どうしたんだろう?
らしくない。
「どーしたんですか?七菜さん元気ないんですか?道に落ちてるお菓子でも拾い食いでもしたんですか?」
「........拾い食いした覚えは無いんだけど、どーにもお腹が痛い」
「大丈夫ですか?何か幼女に出きる事なら言って下さい」
「なら手を貸してもらおう。薬は飲んだんだけど効いてないし」
七菜さんは私の手首を掴んで、自分の制服のすそをまくり、私の手を直接自分のお腹に、ピタリと当てた。
「ちょっと七菜さん!ナマですか!?手を貸すってそのままじゃないですか!」
「大昔からある治療で、文字通り手当てさ。聲の手当てなら余裕で治りそうだ」
うわー。
私、七菜さんのお腹じかに触ってるし。
無駄なぜい肉ついてないキレイなお腹だな。
水着姿で知ってたけど、直接触るとよく分かる。
ムニムニ。
お腹を撫でて揉んでみた。
「......ん!ちょっと楽になる.....そうしてて聲」
七菜さんの柔らかいお腹を、公認を得て撫で回す。
よろしくない気分になるというのは、こういうのか。
私は、フンス!と鼻息荒く揉みほぐした。
夢中で七菜さんのお腹をさすっていると、
「よ、幼女の手当てでも駄目みたい。これヤバイかも......」
「ちょ!七菜さん!」
うつぶせ気味に横になる七菜さん。
いけない!本当に何かの病気かも知れない!
ただの腹痛じゃない!
「ココデノ死コソワガ誉レ」
「まだ余裕あんなあ!?」
商店街のおばちゃんに、救急車を呼んでもらった私は、横で脂汗を流している七菜さんを見て、気が気で無い。
「だいじょーぶ、聲。ひょっとしてなんかも無いよ。めっちゃ痛いけどな」
「当たり前です!七菜さんは超人なんですから、私を置いていかない!」
思わずボロボロと大粒の涙が出た。
七菜さんは、苦しいのに笑顔を作って私を見た。
はやく、はやくこの人の痛みを取り除いて下さい!
私の大事なこの人の!
私は一緒に救急車に乗り込み、病院に同行した。
お母さんも駆けつけた。
七菜さんは、手術室に運ばれた。
.......神様!
私は、普段まったく信じていない神様に祈った。
七菜さんが無事で帰ってくる事を祈った。
お母さんは、目をつむり、両手を合わせている私の肩に、ソッと優しく手を置いた。
.......どれぐらいの時間が過ぎたろう?
不意に手術室のランプが消えた。
終わった!
手術が終わったんだ!
中からドクターが出てきて、難しい顔をしてため息をこぼした。
「盲腸ですね♪手術成功です」
笑顔でドクターは言った。
しばいたろかと本気で思た。
「.......はー!良かった。無事で良かった」
ベッドで横たわるけど、元気そうな顔に戻っている七菜さんを見たら、思わず言ってた。
「盲腸だってさ。心配かけたね聲。心配してくれて、ありがとう」
「ありがとうじゃないですよ。どれだけ心配したか。神に祈っちゃいましたよ」
「あっはっはっ!いててて.....」
「お腹に響くわよ、笑っちゃ駄目」
私のお母さんが、七菜さんに変顔を決めていた。
続く




