真夏の夜の夢
「さあ、水着回に続きまして、温泉回に入りまーす♪焼き直しだけどね!」
「だから、七菜さん。どこ向いて喋ってるんですか?見えない存在ですか?神様とかですか?てか、思ってる事言わない!」
「まあ、そんな感じ。私達にはモーマンタイな存在よ♪言わずにはおれない.......」
「めんどくさい.......。んじゃ、ちゃっちゃっと入っちゃいますか」
「ちょい待ち!聲、小学生なのにタオルを体に巻くなんて、どこの温泉リポーターよ!小学生らしくない!」
「隣に、小学生の裸で興奮する変態がいるからですよ。てか、七菜さんは女子高生なんですから、ふつー隠しません?なんでスッポポンなんですか」
「わいるどだろ?」
はて?
前はこんな下りなかったと思うけど、
しょせん、リープ21か。
ツッコミを放棄して、2人でガラリと浴場へのガラス扉を開ける。
湯気が立ち込めた、夕方の露天風呂は良い雰囲気だった。
コレハ良いな。
なんだかんだ七菜さんのオススメに外れがない。
実は有能?
有能な変態?
「こら、聲。失礼な事考えてるでしょ。先に体洗っちゃお」
はーい♪
と、素直に背中を洗ってもらう私。
次は、頭。
シャンプーに、リンス。
細やかなな泡が、私の髪を洗っていく。
「ああ、そうか。この極上の髪を洗いたかったんだ......」
七菜さんが変な事を呟いた。
「凶悪な日光とプールの塩素で、髪が傷んでしまう。この髪の毛をケアしたかったんだ」
目をつぶって頭を洗ってもらってるから、分かんないけど、多分七菜さんはうっとりしている。
そーいやー、前銭湯行った時は、洗って貰えなかったっけ。
変な異次元に邪魔されたんだっけ?
忌ま忌ましい。
あー、そうか。このネオ水着回と温泉って。
私達が納得要ってなかったからだ。
だから、リープした。
いや、もう一度する事になった。
神ならぬ意思も在る気がした。
ザーと、シャワーで髪の毛の泡を流していく七菜さん。
もう未練もためらいもなくなった、という体だ。
「これで、満足」
お盆も過ぎてたけど、これも怪異憚に入るのだろうか?
真夏の夜の夢か──
「いーや現実だよ、聲!前は、町中の銭湯だったけど、今日はスパだよ!スパ!色んな温泉が待ってるよー♪」
夢では終わらない。
今日は、日が落ちたけどまだ1日は終わっていない。
湯あたりしないように気をつけよう.......
続く
「」




