ひぐらし
リリリリ.....。
ひぐらしが鳴いている。
プールで泳いで、肌を焼いて、お弁当を食べて。
凄く充実した1日だった。
帰ったら、絵日記に今日の出来事を書こう。
七菜さんの変態性は、少し、いや、大分押さえて。
「聲!駄菓子屋で、ガリガリくん買おう!」
「すいません。私ピノで」
ガーン!
と、少しショックを受けた七菜さんだったけど、直ぐに立ち直って、
「へっへー!これぐらいなら奢れるよ、聲?」
「240円で泣いてた人が、無理しないで下さい」
「そ、それ、一生言われるのか......」
2人で駄菓子屋の店の前にある古びたイスに腰かけて、私達はアイスを頬張る。
夏好き。
「いや~夏らしくていいなあ~。私は夏好きだな~」
不意に意見が一致して嬉しい私。
「聲のスク水も見れたし!」
落とさなくていいのに、七菜さん。
白い目で七菜さんを見る私。
ゾクゾクと喜ぶ七菜さん。
.......変態。
私も少し楽しくなり笑う。
「ふふふ。やっぱり少女は笑うと美少女になるんだよ聲」
「そんな意図無かったでしょ、七菜さん」
今度は2人でニカッと笑い合う。
この女性といて、楽しい時間が増えていく。
七菜さんもそうだと思うと、嬉しいな。
「ねえ七菜さん。私、七菜さんと一緒で楽しい」
「聲。私もだよ?」
「あ~、お姉ちゃん達がイチャイチャしてる~」
「こら、まー君!邪魔しちゃいけません!」
通りすがりの親子に冷やかされてしまった。
お母さんに限っては、「がんばって!」と謎の応援までされる始末。
おおらかだなあ.......色々。
ベンチで座る七菜さんを横を向いて見たら、顔真っ赤だった。
いや、ちょっと。
あんだけ色々して、今さらあれぐらいで赤くならないで下さい。
私も、変に意識するじゃないですか!
「いや~私達、付き合ってる風に見れんのかなあ~って」
「七菜さん。精々見られて、姉妹ってぐらいですからね?」
「姉妹!!」
はう!
それは、それで素晴らしい......!
駄目だ。この七菜さん。腐ってやがる。
取り替えないと。
アイスを食べ終えて、悦に入っている七菜さんの手を引く私。
「ほら、行こう七菜さん」
「うん。ちょっと待って。おっ!当たり!」
「ねえ、七菜さん。姉妹のようで。友達以上なんだよね?」
「そうさ。今つるんでる仲間より、聲の方が大事だって、即答出来るね」
.......ん。
むず痒いけど、欲しかった言葉が聞けて、嬉しくて黙ってしまう私。
でも、言葉の代わりに七菜さんの手を握って、繋いだ。
「帰りますか。お姫様」
「うん。お姉様」
続く




