表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/95

止まらなくなるからしない



「お、おはよ~」


「おはよーございます七菜さん」


ぎこちない七菜さんの笑顔で、私は目が覚めた。

七菜さんの顔を見ようとしたけど照れくさかった。

それは七菜さんも同じらしい。

年上として頑張ってくれてる。


「もうお昼になっちゃった。何か食べよう聲」


私は、乾いている服を着ようとする。

七菜さんも自分の服を着る。

なぜかお互いの裸を見るのがはばかれた。


.......今さら感あるけど。

でも、まだか。私が怖がったから。

七菜さん我慢してくれたもんな。


「次は頑張ります!」


着替え終わった私は七菜さんにリベンジを誓う。

恥ずかしいし、こーゆーのって次あるのかどうかわかんないけど、七菜さんに赤面しながら伝える。

伝わったようで、七菜さんもゆでダコだった。


「.......ひゃい。よろしくお願いします.......」


赤い七菜さんを見て、いてもたってもいられない!そんなモンモンとした気持ちが、私の胸中に渦巻く。

下から上を見上げる様に、七菜さんの顔を覗く。

うつむき加減の七菜さんと目が合う。


視線をそらせない。

そらさない。

何かの力が働いていたのか、私の両手は七菜さんの両手首を掴んでいた。

七菜さんは力が入らないようだ。

七菜さんは目をそらそうとする。


「こっちを見て下さい。七菜さん」


手首を引いて体を密着させる。

目と目が合う。


「......聲、どうして急に.....!」


顔が近付いて、唇が見えて......

逃げられない。

逃がさない。




「そろそろ時間だでー。撤収してやあー」




──キャンプ場の管理人のお爺さんが声をかけてくれた。

掴んでいた手は離れて、私達は距離を取って、返事を返す。


『はーい!ありがとうございまーす!』


平静を装おう。

表情は笑顔でいれた。

けど、心臓の音が激しい。

自分の心臓が、こんなにけたたましいのは初めてだった。

お爺さんが去っていって、静かになる。

七菜さんと2人になる。

ゆっくりと、七菜さんを横目で見た。


.......キラッキラッした瞳でこちらを見ていた。

しまった.......。

私は何をしようとした?

七菜さんの恥ずかしがる顔を、表情を見たら衝動的にしようとしたぞ、自分。


何をって......そりゃあ。


「聲も意外に攻めるんだ♪」


七菜さんが楽しそーーだーー!!

そりゃそうだ!昨日は怖がったくせに、衝動的にあ、あれをしそうになって.....!

今度は私が真っ赤になって、顔を下に向ける番だった。

下に向けた私の顔を、七菜さんは手で上向かせる。

妖艶な、上気した顔で私を見つめる。


「聲ってば、その気が無いわけじゃないんだ」


くうう......今度は私の体に力が入らない。

七菜さんが心底楽しんでいる。

それが分かる。


「したい?キス」


問われて、私は観念して目を閉じる。

七菜さんが、近付いて、

こない......?


私が、目をそっと開けると、

七菜さんは笑っていた。


「あははっ駄目、我慢するよ聲。キスしたら止まらなくなっちゃいそう。せっかく昨日我慢したから」


.......あ、危なかった?

我が身の貞操を心配したけど、七菜さんの笑顔が苦しそうに見えて、申し訳なさでいっぱいになる。

私はひとつ覚悟しようと思った。


「七菜さん」


口を引き絞って、七菜さんの顔を見上げる。

どうしたの?という表情の七菜さん。

七菜さんに告げる。


「今度は私から行きます」


「うん、待ってる」


七菜さんは、今度こそ嬉しそうに笑った







続く


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ