三大欲求
コンコンコン
地面に杭を打ち付ける。
テントの設営だ。
七菜さんのテントをそのまま持ってきた。
1台だけで、
私こと筑波聲と、甘木七菜さんのお二人様キャンプにやってきた。
なんとか岳の、歩いて登山して3時間ぐらいでキャンプ場についた。
で、設営中。
「うん♪出来たー。聲、釣りに行こう!晩御飯釣るよー!」
「げっ。現地調達だったんですか?」
いつもの1.5倍マシで元気な七菜さん。
この人は自然の方がイキイキしている。
普段のサバイバルで慣れたのかなあ?
「ふっふっふっ。血が騒ぐなあ。私は野生がいいね。群れるのは性に合わないのだよ」
「いや、隣に私いるじゃないですか......」
小学生の私でも分かる大きな矛盾をかかえる七菜さんだった。
川に釣糸をたらしながら私達は、ボウっとする。
確かに自然の中いいなあ。
「きてる!きてるよ!聲!」
「んっ!?」
いつの間にか、竿が引っ張られ大物が掛かっていた。
私の後ろに七菜さんが回り、手を重ねて竿を2人で持ち上げる。
ニジマスだ!30cmオーバー!2人分のおかずにはなる!
良かった!白いご飯だけじゃなくて.......!
「やったね聲♪お腹も空いたしご飯炊こうか♪」
「はい♪」
──目の前には、魚の骨と、飯ごうがある。
焚き火を眺めてまたボンヤリしている。
あーお腹一杯だな。
若干眠くなってきた。
三大欲求だっけ?
あと一つ、何だっけ?
思い出そうとしながらも、
動きたくなくなる前に洗い物しちゃおう。
「七菜さん、片付けちゃいますね」
「ん~ん~」
七菜さんも大分お眠のようだ。
さっさと片付けて寝よう。
ほんと、私が女房役ね、まったく。
「あっ!?」
バシャリ!
川の手前で足が引っ掛かかって、前のめりに倒れた。
わっちゃ~。濡れちゃった。ずぶ濡れ!
着替え持ってないのになあ~。
洗い物をすませて、ずぶ濡れでテントに戻る。
「こ、こりゃいけない!夏場とはいえ風邪ひいちゃう」
七菜さんが、バスタオルを用意してくれて、テントの中に入る。
「脱いじゃいな聲。拭いてあげる」
「あ、ありがと......」
私は裸になる。
灯りは少なく、暗がりだから脱げたけど、やっぱり恥ずかしい。
七菜さんは優しく髪の毛から、背中、を拭いてくれた。
ああっそうだ。
三大欲求。
食欲。
睡眠欲。
「性欲だっけ.....」
自分でも、何で今思い出すんだろう?
ボンヤリ考えた──
続く




