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才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~  作者: かたなかじ
第五章「中央大森林」

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第百六十二話


 攻撃の反動で、自由落下していくハルとエミリ。

 一方で、残った氷の道を走り抜ける人物がいた。


 そして、ドラゴンまで到着すると彼女は剣を突き出す。


「せい!」

 それはミスネリアであり、彼女はハルが鱗を斬り、エミリが一撃を加えたのと同じ場所を剣で突き刺した。


「“アースブレイク”!」

 剣先から土魔法を発動させる。体内に直接魔法による攻撃をすることで、大ダメージを狙っていた。


「GUUUUAAAAA!」

 エミリの攻撃で緩んだ体内に、ミスネリアの追撃が入ったことでドラゴンは身体の中から大きく揺さぶられていた。


 大きく横揺れするドラゴンから離脱し、二人に続いて自由落下するミスネリア。


「“エアフィルター”!」

 先の二人同様、ルナリアが生み出した風の膜によって落下速度を和らげて着地を助ける。


「ありがとうございます」

 礼を言いながらミスネリアは優雅に着地した。


 しかし、全員の視線は上空にいるドラゴンに向いている。

 確実にダメージは与えていたが、それでもドラゴンは健在で攻撃を加えてきたハルたちを睨みつけている。


「いや、これは強いな」

 ハル、エミリ、ミスネリアの攻撃を続けざまに受けたにも関わらず、存在感が衰えることはなくその場にいる。

 むしろ次々に攻撃されたことで怒りにうなりをあげている。


「あいつ、回復しているぞ」

 自己再生スキルを持つハルだからこそ、同様のスキルをあのドラゴンが使っているのを感じ取っていた。


「せっかくエミリさんと真剣勝負をしていたというのに……」

「うん……邪魔なの」

 悔しさにぎゅっとこぶしを握るミスネリアは本気の自分と渡り合っていたエミリとの戦いを楽しんでいた。

 それはむすっと唇をかむエミリも同様だった。


 ゆえに、それを邪魔したドラゴンの存在を疎ましく思っていた。


「あぁ、俺も楽しませてもらっていたよ。だから、あのやろうをさっさと倒そう」

「ですね!」

 ニッと笑うハルとふわりとほほ笑むルナリアも二人の会話に乗っかる形となる。


「にしても、上空にいるのが厄介だな。せめて、普通に攻撃が届く範囲にいてくれればいいんだが……」

「――なるほど、それなら少しだけ手をかそうか」

「「「「!?」」」」

 予想外の声が近い場所から聞こえてきたため、四人は慌ててそちらに振り返る。


「やっほ。ははっ、面白い顔をしてるねえ」

「シ、シルフェウス様!」

 名前を口にしたのはミスネリア。

 彼女にとって、当代の巫女がこんな至近距離で声をかけてくることは恐れ多いものであり、勢いよく数歩下がってひざまずいた。


「いやいや、ミスネリアさん、そんなにかしこまらなくていいよ。周りに神官はいないし、いたとしてもこんな緊急時でそんなことを言っていられないでしょ」

 穏やかな口調でそう言ったシルフェウスがニッコリと笑うと、困った様子だがミスネリアもゆっくりと立ち上がる。


「さて、ドラゴンが出てきて……しかもあれはドラゴン種の中でもとりわけ強力な力を持つ古龍種だね。いやはや先制したからとはいえ、鱗を斬って体内に魔力撃を撃ち込んで剣を突き刺して魔法を体内で発動させるなんて見事な連携だったね」

 三人の連続攻撃を見ていたシルフェウスは、腕を組んで思い出しながらうんうんと頷き、そして称賛する。


「しかーも! それができたのも、そちらの獣人の女性による魔法の援護があったからだね! 氷の魔法で道を作りつつ、その道がすぐに壊れないように土魔法で補強をしていた。二つの属性の魔法を同時に発動させるとはかなりの魔法の使い手だ!」

 楽しそうにシルフェウスがルナリアの肩をポンポンと叩きながら彼女の魔法について称賛する。


 シルフェウスの教育方針は褒めて伸ばすタイプであり、そんな彼女に褒められると褒められた側は気分がよくなり、今まで以上の成長を望めるようになる。


 ――それが彼女が持つギフト『賛美』だった。


「さあ、そんなすごいメンバーが揃ったところに、私という巫女が参加するとなれば例え古龍種といえでも勝てるはずだね。まずは、あいつを地に落とそう」

 あっさりと言ってのけるシルフェウスにハルは疑問を持つ。


「いや、見てわかるように俺たちの攻撃を受けても落ちなかった。それにあいつは自己再生能力を持っているから、ダメージの蓄積も難しいぞ」

 ドラゴンとそれなりに戦うことはできているが、決定的な方法は見つかっておらずいくら巫女といっても難しいのではないか? そうハルは考えていた。


「ふっふーん、私が何年巫女をやっていると思っているんだい? お飾りでいるわけじゃないんだよ。……というわけで、少し本気を見せるから落ちたあとはみんなに任せるよ」

 茶目っ気たっぷりにウインクをして見せたシルフェウスは簡単にドラゴンを落とすと語り、ゆっくりと歩を進める。


「シルフェウス様!」

 唯一ミスネリアが彼女を止めようとするが、シルフェウスは手をひらひらと上げるだけで振り返らずにドラゴンに視線を向ける。




*****************

名前:ハル

性別:男

レベル:4

ギフト:成長

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)4、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

     竜鱗5、鉄壁4、剛腕3、統率1

     耐炎4、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

     氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

     皮膚硬化、腕力強化6、筋力強化6、敏捷性強化5、自己再生

     火魔法4、爆発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、

     骨強化5、魔力吸収3、

     剣術5、斧術3、槍術1、弓術1、短剣1

     開錠1、盗み1、精霊契約


加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


*****************

名前:ルナリア

性別:女

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法4、氷魔法4、風魔法4、土魔法5、雷魔法4、

     水魔法3、光魔法4、闇魔法3

加護:女神セア、女神ディオナ

*****************



*****************

名前:エミリ

性別:女

レベル:-

ギフト:体術2、格闘術2、魔闘術1、先読みの魔眼

加護:武神ガイン

*****************


お読みいただきありがとうございます。

ブクマ・評価ポイントありがとうございます。


新作投稿しました、こちらもよろしくお願いします。

「なんでもしまえる収納魔法 ~勇者召喚されたけど、魔法で逃げ出して自由に生きようと思います~」


https://ncode.syosetu.com/n4572fw/



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