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才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~  作者: かたなかじ
第五章「中央大森林」

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第百六十話


『な、なんたることだ! 一瞬のうちに二人の候補者が気絶により脱落だああああ! し、しかし一体何が起こったというのだあ! 候補者エレンが強力な範囲魔法を発動し、三人が巻き込まれたと思ったが次の瞬間には候補者エミリが候補者エレンを気絶させていた!?』

 解説が状況を説明しようとするが、何が起こったのかわかっておらずただただ混乱したまま、まくし立てるだけだった。


 そして、チラリとVIP観覧席を見るとシルフェウスが立ち上がっていた。


『それでは今の攻防について説明をしよう。あ、立っている二人はちょっと待っててね。係りの者は気絶している二人の搬送をよろしく』

 先ほどのやりとりに関しての謎を彼女が解説するようだ。

このインターバルを利用して、舞台上で気絶している二人を係りの者が駆け足で移動させていく。


『まず、エレンは舞台に立った時点で魔法を展開させていたんだ。彼女の足元から始まって前方に展開される大きな魔法陣だね。それが、あの大きな強力な爆発につながるんだ』

 まず魔法の段階で観客は驚いていたらしく、そのシルフェウスの説明になるほどと頷いていた。


『さて、みんなが一番気になっているのはエミリとミスネリアの二人がどうして無事なのかだと思う』

 これには同意の頷きが観客席から返ってきた。


『まず、エミリ。彼女はいち早く床の魔方陣に気づいていたみたいだね。というより、何か違和感を覚えていたというほうが正しいかな』

 シルフェウスがエミリに向かってウインクをするが、当のエミリはただ説明が終わるのを無表情のまま待っている。


『気づいた彼女は後方に飛んで逃げようとしたんだけど、その時には既に魔法陣が発動されていて範囲外に出ることが叶わなかった。そこで、彼女は魔力を込めた一撃を床に撃ち込んだんだ』

 その説明を聞いた観衆はエミリがいた場所に視線を向ける。爆発による影響とは別に床に穴が開いているのがわかる。


『彼女は魔力を込めた一撃を床に向かって放つことで爆発の魔法を相殺したんだ。そして煙が消えると同時にエレンに接近して一撃を加えたということさ』

 エミリは全て言い当てられたため、肯定の意味を込めて頷いている。


『ミスネリアのほうはエミリより気づくのは遅かったけど、対応が早かったね。発動前に地面をレイピアで円形にくりぬいていた。そのことによって魔方陣内の魔力的つながりを断って自分への影響が出ないように対処したんだ』

 事実、ミスネリアが立っていた場所は円形に何も起こらなかったように綺麗に残っている。


『二人とも相当な実力者のようだね。脱落した二人もそうだけど、今回の候補者は優秀なようだ。みんな、そう思わないかい!!』

 シルフェウスが煽るように観衆に声をかけると、まるで会場が揺れるがのごとく歓声が上がった。


『というわけで、解説終了。さあ、再開してもらおうかな』

 ぽんっと手をたたいて締めくくったそれを再開の合図として、エミリとミスネリアが武器を構えて向き合う。


 どちらも動く気配がない。


 ここまでの流れで互いに強者であることは理解している。それゆえに、相手の出方を伺っていた。

 対峙する二人の緊張感は観客席にも伝わっており、さきほどまでのざわつきはなりをひそめて静まり返っていた。


 ただ視線をぶつけ合う二人。

 しかし、その間に二人は覇気であったり、魔力であったりをぶつけあっている。

 観客からそれが見えているわけではなかったが、何かが起こっている。それだけは感じ取っていた。


「さて……何かきっかけが必要かな?」

 そう小さな声でシルフェウスが呟く。


「ピイイイイイイ!」

 どこか、遠くで、鳥の鳴き声が聞こえる。普段なら誰も気にすることのない鳥の声。


 しかし、観客たちはその一瞬、その鳴き声に気をとられて声がする方向に視線を向ける。


 カキイイイインという大きな金属音が会場に響き渡る。

 そして、舞台上に視線を向けるとエミリとミスネリアが衝突していた。


「せやあああ!」

「てえええええい!」

 エミリが繰り出す無数の拳。ミスネリアが生み出す無数の剣戟。

 目にもとまらぬ速さでそれらが連続でぶつかり合う。息もつかせぬ連続攻撃。


 周囲には彼女たちの攻撃によって生み出された衝撃波が風となって巻き起こる。


 どちらの攻撃も神速。

 しかし、双方ともに相手の攻撃を確実に捉え、確実に撃ち落としている。


「「「おおおおおおおおおおお!!!」」」


 強力な攻撃のぶつかり合いを見た観客は、胸が熱くなるのを感じ、次第に盛り上がりを見せている。

 派手な攻撃の応酬は、見ているものの心を打ち震わせていた。


 だが、当の本人たちは一瞬の気のゆるみも許されない、今まで以上の緊張状態にある。


 一撃一撃が本気の全力のものであり、相手の攻撃を許せば致命的なものになる――ゆえに一撃すら攻撃を許すことはできなかった。






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名前:ハル

性別:男

レベル:4

ギフト:成長

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)4、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

     竜鱗5、鉄壁4、剛腕3、統率1

     耐炎4、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

     氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

     皮膚硬化、腕力強化6、筋力強化6、敏捷性強化5、自己再生

     火魔法4、爆発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、

     骨強化5、魔力吸収3、

     剣術5、斧術3、槍術1、弓術1、短剣1

     開錠1、盗み1、精霊契約


加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


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名前:ルナリア

性別:女

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法4、氷魔法4、風魔法4、土魔法5、雷魔法4、

     水魔法3、光魔法4、闇魔法3

加護:女神セア、女神ディオナ

*****************



*****************

名前:エミリ

性別:女

レベル:-

ギフト:体術2、格闘術2、魔闘術1、先読みの魔眼

加護:武神ガイン

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お読みいただきありがとうございます。


ブクマ・評価ポイントありがとうございます。


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