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才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~  作者: かたなかじ
第五章「中央大森林」

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第百五十六話


 放送スタッフたちがハルたちの捜索に躍起になっている間、既にお偉方の指示によりグリフォンとキングサーペントが投入されている。


 投入場所はハルたちがいた場所だったが、見つからないため別の候補のもとへと向かっていた。

 彼らはドラゴンに苦戦しているところに、同格のグリフォンとキングサーペントが加わったため、混戦模様となり、そのせいでいくつかの候補が脱落していった。


 一方で当のハルたちの姿は、中央の大神殿の入り口の前にあった。


「み、見つけました! 最後の巫女候補はゴールに到着しています!」

「っ……! なんだとお!!」

 その結果はスタッフたちに驚愕をあたえ、呆然とさせていた。


「余計な戦闘を避けられてよかったよ。ルナリア、いい判断だった」

「いえいえ、あんなドラゴンがたくさんいたら大変ですからね。戦いは少ないほうがいいと思います」

 ハルに褒められたルナリアは笑顔で答える。その表情からは余裕すら感じられた。


「うん、ルナリアすごいの」

 エミリもルナリアのことを褒めたため、ルナリアはますます笑顔になっていた。


 ――三人がどうやってこの場所まで魔物やスタッフに見つからずにやってきたのか?


 その仕組みはこうだった。

 グリフォンとキングサーペントの投入が決断された瞬間、エミリが嫌な予感を感じ取り、ルナリアが瞬時の判断で土魔法を使用して地中に潜っていた。


 そのまま地中を移動することで、魔物に出くわすことなく神殿まで到着することができた。

 神殿までの方向はエミリがいることで掴んでおり、迷うことなく向かっていた。


「さて、俺たちが一番乗りみたいだから他の組を待つことにしようか」

「はい!」

「うん」

 三人は神殿の中へと足を踏み入れ、用意されていたベンチで休憩していた。





 ハルたちが休憩を開始してから、三時間が経過した。


「遅いなあ……」

「ですねえ……」

「ぐう……」

 待てど暮らせど次の組が来る気配はなく、エミリはルナリアの尻尾にもたれかかりながら眠ってしまっていた。


「なあ、そこのあんた。次のやつはまだこないのか? いつまで待てばいいんだ?」

 ハルが離れた場所にいる神官に声をかける。


「……」

 しかし、返事はなく表情も変わらない。

 最初の試練は強力な魔物と戦うというものであるため、神官たちは関与していなかった。

 こちらは運営にやり方を任せており、責任も運営側にあった。


 誰かから連絡があることを考え、ハルたちはそのまま待つことにする。





 そして、さらに一時間後。


「はあ、はあ……」

 そこへ一人の巫女候補がついに神殿へとやってきた。

 だがそれにハルたちが気づくことはない。その理由は三人とも眠っているためだった。


「わ、私が苦労して、やってきたと、いうのに……まさか、寝ている、なんて……」

 疲労困憊といった様子の彼女はそう言うと、その場に崩れ落ち意識を失った。

 あちこち小さな怪我をし、なんとか一人きりでやって来た彼女にともの者たちはいなかった。


「……ん? あれ? 一人来たのか。じゃあ、エミリとこいつが最初の試練の突破者?」

 ハルが呟くとフラグがたったのか、それをきっかけに二人の候補者が到着して、それで全てとなる。


 全てだというのがわかったのは、これまでずっと無表情で黙ったままだった神官から説明があったためである。


「残りの者は全員脱落した。最終試練はこの四名で行われることとなる。一応補足をしておくと、他の者たちも命に別状はない。そこの三人の候補者の付き添いの者たちも助けられ、治療室に連れていかれている。説明を終えれば案内しよう」

 淡々とした神官の言葉に、エミリを除く三人の候補者は安堵の表情を見せる。


 彼女たちの付き添いの者たちは、彼女たちを先に進ませるためにその身をとして魔物たちに立ち向かっていた。

 それが全員生きているとなれば、安心して当然のことであった。


「さて、それでは早速説明をしよう。候補者、およびその同行者には宿泊するための部屋が神殿内に用意される。本日は一泊して、明日の昼過ぎから最終試練の開始となる」

「最終試練の内容は?」

 ハルの質問に神官は小さく頷いた。


「最終試験は一対一の勝ち抜きの戦闘となる。巫女とはその存在だけでなく、知識と運と力を兼ね備えていなければならない。どのような仲間を得るか、ここまでの道のりをどう進んでくるか、ここまでたどり着けるか。そして、最後に自らの力を見せることができるか。それを計らせてもらう」

 つまり、ここにいる四人でのトーナメント戦となることを神官は説明していた。


「なるほど……それじゃあ、ここにいる候補者たちは互いに巫女を目指す同じ立場であると同時に、巫女を目指すためには敵でもあるということか。ちなみに、ここで辞退するというのはありなのか?」

 ここまで至ることでそれなりの結果を示せている。ゆえに、エミリに辞退するという選択肢を持たせられるか? それをハルは確認したかった。


「ふむ、辞退か。前例はない。そして、ここで辞退した場合は前の試練で辞退したものと同じ扱いを受ける。つまり、我らの組織からの恩恵は少なくなる、それが答えとなろう」

 最終試練に残ったのと、それを勝ち抜いたのと、それ以前で脱落したのでは扱いが違う。それが神官の答えだった。


「わかった、ただ確認しただけだ。話の腰を折ってすまないな」

 ハルは謝罪し、話を切った。


「なれば、それぞれ部屋への案内と治療室の案内をしよう。……おい、頼む」

 彼の言葉に、部屋の中へと数人の神官がやってきて、彼らは案内されていく――。




*****************

名前:ハル

性別:男

レベル:4

ギフト:成長

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)4、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

     竜鱗5、鉄壁4、剛腕3、統率1

     耐炎4、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

     氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

     皮膚硬化、腕力強化6、筋力強化6、敏捷性強化5、自己再生

     火魔法4、爆発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、

     骨強化5、魔力吸収3、

     剣術5、斧術3、槍術1、弓術1、短剣1

     開錠1、盗み1、精霊契約


加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


*****************

名前:ルナリア

性別:女

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法4、氷魔法4、風魔法4、土魔法5、雷魔法4、

     水魔法3、光魔法4、闇魔法3

加護:女神セア、女神ディオナ

*****************



*****************

名前:エミリ

性別:女

レベル:-

ギフト:体術2、格闘術2、魔闘術1、先読みの魔眼

加護:武神ガイン

*****************


お読みいただきありがとうございます。

ブクマ・評価ポイントありがとうございます。


新連載『無能な回復魔術士、それもそのはず俺の力は『魔』専でした!』も合わせてお読みいただけたら幸いです。

https://ncode.syosetu.com/n4646fp/


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