第百四十七話
全ての部屋と、色々な機能を探索するだけで三人は一時間以上を費やしていた。
「さて、落ち着いたところで今後の動きを考えよう」
ハルの言葉に二人が頷く。
「まず、決めないといけないのは夕飯は何を食べるかということだが」
「同意です」
「お腹空いたの……」
無駄にはしゃぎまわっていたため、三人は疲労状態にあった。
三人はベッドを三つくっつけて、その上で思い思いに寝転がったまま話している。
「何が食べたいとかはあるか?」
「うーん、何がいいでしょうか」
「美味しいもの」
ルナリアはこれといったものはなく、エミリの返答も漠然としている。
「よし、それじゃ……受付に連絡してみよう!」
リカに説明された魔道具を活用する場面が早速やってきた。
彼女の話では店の紹介や街の案内もしてくれるとのことであった。
ということは、美味しいレストランの紹介もその範疇内であると考えられる。
ハルは、魔道具を手にとって受付に繋がるのを数秒待つ。
『はい、受付です』
出たのは声からしてハルたちの宿泊手続きをしてくれたエルフの女性である。
「えっと、一番上の部屋に泊まっている者ですが、少し聞きたいことがあって……」
『はい、ハル様ですね。承知しております。今、リカを向かわせますのでなんなりとおっしゃって下さい。少々お待ち下さいね』
「わかりました」
すぐに対応してくれることとなり、ハルたちは入り口近くの部屋に移動して待機する。
さほど待たずにノックの音がして、リカがやってきた。
「お待たせしました。どういった御用でしょうか?」
到着して、一礼をしてからリカが尋ねる。その表情は笑顔で、向けられたハルたちまで気分がよくなるものだった。
「えっと、その俺たち食事をしたくて、街に来たばかりで全然詳しくないから美味しい店を紹介してくれたらと思ったんだけど」
ハルのそれは漠然とした質問だったが、リカは真剣に考え込む。
「それでしたら、うちの食堂の料理はいかがでしょうか? 下でもお部屋でも召し上がることができます。みなさんお疲れのようなので、あまり外に出たくないかと考えての提案なのですが……」
余計なことを言ってしまったかと考えたリカの言葉は徐々に小さくなっていく。
「……いいね」
ハルはリカの提案に乗り気になっている。
「いいですね!」
それはルナリアも同様であり、エミリも無言で何度も頷いていた。
「ほっ……よかったです。それでは、そのテーブルの引き出しにメニューが入っていますのでお選び下さい」
言われてハルが引き出しをあけると、一冊のメニューが入っていた。
しばらく、三人がどれにしようかと悩んでいる間もリカは嫌な顔一つせずに待っている。
「よし、決めた! 俺はこっちのセットにする。Aセットでよろしく!」
「じゃあ、私はこちらの煮込み料理でお願いします」
「……エルフ豆のシチュー!」
ハルは肉料理をメインにしたセットを、ルナリアは魚の煮込みとサラダを、エミリはエルフならば誰でも好きだといわれるエルフ豆を使った料理を選択した。
「Aセットに、煮込み料理に、エルフ豆のシチューですね。それではでき次第お部屋に運ぶ形でよろしいでしょうか?」
「あぁ、頼む。どれくらいでできるかわかるかな?」
「三十分ほどお待ち頂ければと思います」
その答えにハルは満足して頷く。
もっと時間がかかると思っていたためハルは安心していた。
「それじゃあ、頼んだよ」
「はい、失礼します」
リカは足早に階下に戻って行った。
予定の時間の三十分後になると、ノックの音が響き料理が運ばれてきた。
「さすがのサービスだったな。時間通りだ……」
ハルがリカを入り口まで見送って奥の部屋に戻ると、ルナリアとエミリは食事を前にして今にも手をつけたそうに待っていた。
「悪い、待たせたな。早速食べよう」
ハルがそう声をかけると、それぞれ自分の食事に手をつけていく。
「早いな。俺も……うまっ!」
ハルは食事に対するリアクションを言葉で示し、ルナリアとエミリは食事の手が止まらないことでその美味しさを表していた。
しばらく無心で食べ続けたところで、ルナリアが手を止める。
「これ、すごく美味しいです。一流のレストラン並みですね!」
料理の味、素材、見た目、食器と全てのレベルが高かった。
「あぁ、俺もこんな料理食べたことない!」
ハルはそろそろ食べ終わろうかというほど一気にがっついている。
「このエルフ豆……すごいの!」
エルフの好物のエルフ豆。その中でも最高位のものが使われているため、エミリは美味しいを通り越して、すごいという感想が口をついてでる。
「ふう、これは他の店で食べる気持ちはなくなるな。三食ここでもいいくらいだ」
ハルは一人先に食べ終えたため、そんな感想を口にする。
ルナリアとエミリは食べている最中であるため、頷くことで返事とした。
「まあ、明日からは外を色々見て回るし、神殿にも行かないとだから籠もりっきりというわけにもいかないか。外でも美味しい店を聞いておかないとだな」
「ですね、この味を提供してくれるなら紹介してくれるお店も期待できますね!」
「いい豆なの……」
エミリはエルフ豆の魅力に夢中だった。
食事を食べ終えた三人は追加でデザートを注文して、大満足で食事を終えたその後はふかふかのベッドであっという間に眠りに誘われることとなった。
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名前:ハル
性別:男
レベル:4
ギフト:成長
スキル:炎鎧4、ブレス(炎)3、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、
竜鱗4、鉄壁4、剛腕3、統率1
耐炎3、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、
氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、
皮膚硬化、腕力強化6、筋力強化6、敏捷性強化5、自己再生
火魔法4、爆発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、
骨強化5、魔力吸収3、
剣術5、斧術3、槍術1、弓術1、短剣1
開錠1、盗み1、精霊契約
加護:女神セア、女神ディオナ
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名前:ルナリア
性別:女
レベル:-
ギフト:オールエレメント
スキル:火魔法4、氷魔法4、風魔法4、土魔法5、雷魔法4、
水魔法3、光魔法4、闇魔法3
加護:女神セア、女神ディオナ
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名前:エミリ
性別:女
レベル:-
ギフト:体術2、格闘術2、魔闘術1、先読みの魔眼
加護:武神ガイン
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お読みいただきありがとうございます。
ブクマ・評価ポイントありがとうございます。
書籍が3月22日に発売となっています!
出版社:ホビージャパン
レーベル:HJノベルス
著者:かたなかじ
イラストレーター:teffishさん
よろしくお願いします!




