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才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~  作者: かたなかじ
第四章「人獣王都へ」

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第百二十六話


 オークションは前半の熱を引き継ぎ、更に盛り上がりを見せている。

 二つ先の品までが順番に並べられており、そこにはハルが希望している腕輪が用意されていた。


「ハ、ハルさん。そろそろですよ!」

「うーっ、あれ、手に入るといいね!」

 硬い表情で手を握るルナリアとエミリは自分のことのように緊張している。


 ベヒーモスの素材は落札される側であり、いくらまで値あがるのかという緊張感があった。

 しかし、欲しいものが落札できるかどうかという緊張感は先のソレとは異なり、まるで心臓が壊れるのではないかと思われるほどバクバクしていた。


「二人とも落ち着け」

「そうです。常にクールにいかなければ落札できません。安心して下さい、戦うための武器は用意してもらいました。ここからは私の戦いです」

 ただ成り行きを見守るハル。

 チェイサーも静かに言葉を紡ぐが、その身体からは頼もしく大きく見えた。


「ルナリア、エミリ……大丈夫だ。チェイサーに任せるんだ」

 ハルは彼のことを信頼していた。それゆえに動揺することもない。


 一つ落札され、次の品に移る。

 いよいよ次となると、落ち着こうとしてもルナリアもエミリも強く手を握っている。


 そして、次の品も落札され、いよいよハルの希望の腕輪の順番がくる。

「――私にお任せ下さい」

 そう言ったチェイサーの口元には笑みが浮かんでいた。


 地味な品物ではあったが、それでも何組かの入札がある。

 しかし、その入札があるとすぐにチェイサーがかぶせるように入札をする。

 時間にして十分程でチェイサーの落札が決まる。


「他にいませんか? ……それでは六十八番のお客様の落札です!」

 カーンという音とともにチェイサーの落札が決定する。落札が決まっても彼の表情は涼しげだ。


「チェイサー、ありがとう」

「さすがです! さすがチェイサーさん!」

「うん、ありがとうなの!」

 三人がチェイサーのことを褒める。自分たちの希望の品が初めて落札されたことで、ルナリアもエミリも興奮しているようだった。


 一見冷静なハルも内心の興奮を必死に抑えていた。

 希望していたものが手に入るかはオークションであるがゆえに、どんな些細なものでも不安要素が片隅にあったからだろう。


「ありがとうございます。ですが、これは私の仕事の一つ目です」

 優しく微笑みながらそう言うとチェイサーはハルに目配せし、頷く。

 ハルとチェイサーは互いに認識している。

 これはあくまで前座――今回の目玉となっているのはルナリアとエミリの希望の品であるということ。


 ここからしばらくは他の出品物に対する入札が続く。

 その間にハルたちはクールダウンする。


 ハルの目的の品の間立っていたエミリは椅子に深く腰かけ、休憩する。

 まだ子供であるのと、信頼するハルの品がちゃんと落札できた興奮で疲れを見せており、ウトウトし始めていた。

 ルナリアも椅子に座る位置をそれとなく直し、エミリが倒れないように支える。


 そして、ついに次の希望の品に順番が回ってくる。

 ルナリアが希望する品――ルナティックケーンのオークションが始まる。


「チェイサー、頼んだぞ」

 背中を押すようにハルが声をかけると、チェイサーはルナリアの方を向いて力強く頷くと、戦いに向かった。


 ハルの腕輪とは異なり、ルナティックケーンは競合者が多く、値段がどんどんつり上がっていく。

 最初のうちは十組ほどが入札し、上がっていく掛値に負けて徐々に減っていった。


 最後にはチェイサーを含めた三組が入札していく。


 ルナリアは空いている右手に力が入り、手のひらには汗がにじんでいた。

 自分の品物が落札されなくてもいい、エミリの希望しているものだけ落札されれば十分だ。

 そう思っていたはずだったが、彼女はこの武器にどこか運命的なものを感じていたため、自然と緊張が高まっていた。


「……ルナリア、大丈夫だ」

 耳元でハルがささやく。そして彼女の肩に手を置いた。

 手のひらからハルの体温が伝わり、徐々に彼女を落ち着かせる。


 チェイサーの表情は余裕そのものである。

 札をあげ入札を続ける。ポーカーフェイスではなく、あくまで余裕のある表情。


 入札相手のどちらにも表情に焦りが募り、額には汗が浮かんでいる。

 相手が入札しても、チェイサーは即入札し返す。

 このことはチェイサーの資金に余裕があることを示しており、資金の上限が見えてきている相手は肩を落とし、依頼者にこれ以上は無理だと告げ、一人、二人と入札を諦める。


「ありませんか? ありませんね? ……それでは六十八番のお客様の落札です!」

 この結果によって、わあっと歓声があがる。

 それほどにチェイサーの入札は自信に満ち溢れた堂々たるものであり、見ている者たちも引き込まれて興奮させられていた。


 落札が決まった瞬間、自然と拍手が巻き起こり、競争相手も苦笑していた。


「ルナリアさん、勝ちました」

 日常の一幕であるかのような自然な言葉はルナリアにも笑顔をもたらした。

「うん、ありがとうございます。嬉しいです」

 目じりには涙が浮かび、喜んでいた。


「さすがチェイサーだな。相手の意欲を完全に失わせていた」

「いえいえ、それもこれもハルさんたちの資金提供のおかげです」

 二人からは余裕が見られる。しかし、その表情はすぐに引き締まった。


 次の品がオークションにかけられ、更にその二つ次の品物が並べられた。


 そこにはエミリの希望の品、銀の胸当てがあった。

 名称はただの銀の胸当て、正式名称はエルフェニウムプレート。


 しかし、その事実に気づいているのはハルたちだけ。

 一つ、二つとオークションが終わり、ついにはエミリのお目当ての胸当ての入札が始まる。

 

*****************

名前:ハル

性別:男

レベル:3

ギフト:成長

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)3、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

     竜鱗4、鉄壁2、剛腕1、統率1

     耐炎3、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

     氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

     皮膚硬化、腕力強化4、筋力強化4、敏捷性強化3、自己再生

     火魔法4、爆発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、

     骨強化3、魔力吸収3、

     剣術5、斧術3、槍術1、弓術1、短剣1

     開錠1、盗み1、


加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


*****************

名前:ルナリア

性別:女

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法3、雷魔法2、

     水魔法1、光魔法2、闇魔法1

加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


*****************

名前:エミリ

性別:女

レベル:-

ギフト:体術2、格闘術2、魔闘術1、先読みの魔眼

加護:武神ガイン

*****************


お読みいただきありがとうございます。

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