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才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~  作者: かたなかじ
第四章「人獣王都へ」

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第百二十五話


 カーンという音が響きわたり、ついにハルたちの出品物へのオークションが終了する。

 それと同時に大きな歓声が巻き起こる。


 最後に残った二組はある貴族と、ある大商人であり互いに吊り上げ続け、最後には貴族が部下に止められたことで終了となった。

 その熱は会場中に伝播しており、結果としてこの歓声と拍手の渦という結果になった。


 争った貴族は熱くなっていた自分に気づいて苦笑しており、勝利した大商人は拳を強く握って満面の笑顔になっていた。

 しばらくこの盛り上がりは続くが、司会がカンカンと大きく音を鳴らしたところでそれも収まる。


「えー、とても白熱のオークションでしたが、ここで一旦休憩となります。休憩時間は一時間半。競り落とした商品がある方は一時間のうちに支払いと、交換札の受け取りをお願いします。落札された品物がある方は後半三十分のうちに証明書の提出と落札金の受け取りをお願いします」

 ざわめく場内にアナウンスが流れ、代理人などが手続きに向かって行く。


「しばらくしたら私のほうで受け取りをしてきます。この落札金があればまず負けないと思いますので、早い手続きをしてきます。まずは……部屋に行って休憩をしましょう」

 チェイサーのささやくような声に頷いて、割り当てられた部屋へと移動するハルたち。


 部屋には軽食が用意されていた。

「これは参加者へのサービスになっていますので、ご自由にお召し上がり下さい。私も少し緊張して疲れましたので、少し頂きましょう」

 リラックスさせるように優しい声音のチェイサーが説明をしてから近くにあった軽食を手に取って、ハルたちにも食事を促す。


「美味しそうなの!」

 ここには多くの有力者が集まっているため、用意されたものの質はかなり高い。

 トレイにきれいに並べられている軽食を見てエミリが目を輝かせた。


「エミリ、好きに食っていいぞ。ルナリアも一緒に食べよう」

 テーブルに並んでいる料理をとると、ハルもソファに座って食事をする。


「は、はい」

 ルナリアも同じように食事を手にするとハルの隣に座る。

 しかし、まだ先ほどの興奮から抜けきれないらしく少しぼーっとしていた。


「しかし、ベヒーモスの素材は思っていた以上……いや、想像できないほどの値段で競り落とされたなあ」

 ハルも先ほどのオークションを思い出していた。


「あれは興奮しましたね。あれほどの高額落札はそうそう見られるものではありませんよ」

 そう言いながらも落ち着いた口調のチェイサーは次のことを考えていた。


「このあと落札金を受け取ってきます。私の方でもマジックバッグを持っていますので、そちらに入れてきますね。こちらに戻って確認してもらったのち、そちらもオークションの資金にしたいと思いますが構いませんか?」

 あれだけの資金があればどの品物でも落札できるだけの余裕が持てるので、その許可を得たいとチェイサーが確認する。


「もちろんだ。それを使って俺たち三人の欲しいものを全て落札してくれ」

 即答するハルにチェイサーは笑顔を見せた。






 司会に説明されていた時間がくるとチェイサーは五分経過してから、受け取りの場所へと移動する。

 ここでも金にがっついていると思われるのを避けたかった。


 手続きは問題なく行われ、チェイサーは落札金を持って部屋に戻ってきた。

 もちろん外では表情には何も見せず、通路を移動する際も速すぎず遅すぎずの速度で移動していた。


「ハルさん、ルナリアさん、エミリさん、問題なく落札金を受け取ることができました。ご確認ください。これで問題なく落札できるはずです。もうすぐ後半の開始時間です。みなさんの品物が全て後半に集中していて本当によかったですよ」

 マジックバッグの中身をハルたちに見せながら、チェイサーは自分に与えられた任務をこなすための武器を手に入れることができたため、今日一番の笑顔を見せていた。


「チェイサー、お願い」

 ちょこちょこと近づいたエミリは笑顔でチェイサーに手を差し出す。


「エミリさん……了解です! エミリさんの胸当ても、ルナリアさんの杖も、ハルさんの腕輪も全て私が落札します!」

 可愛らしいエミリの気持ちを受取ったチェイサーは彼女の手を握り返して、強く宣言した。


 それと同じタイミングで部屋の扉がノックされた。


「そろそろ後半のオークションの開始時間となります。よろしくお願いします」

「はい、わかりました。今向かいます」

 各部屋を職員が訪ねて回り、オークション再開の連絡を伝えているようで、順番が来たハルたちも立ち上がって部屋を出る準備をする。


「さて、ここからが本番だな」

 通常は出品したものがいくらで落札されるかが本番だが、ハルとルナリアとチェイサーはエミリが欲しがっているものを絶対に落札しようと強く心に決めていた。


「行こー!」

 その思いは当のエミリも同じであるようで、強い決意を秘めた表情をしていた。


 既に会場には多くの人が集まっており、前半最後のオークションの熱が冷めやらぬ様子で高揚した表情で今か今かと待っていた。


 定刻になったところで、司会が壇上に上がる。


「さあ皆様、ご休憩はお済みですか? これより後半のオークションを開始しようと思います。前半最後のオークションは本日一番の盛り上がりとなりましたが、後半も同じように盛り上がることを望んでいます。――さあ、オークション再開です!!」

 司会の声に応えるように、会場はわあっと沸き上がった。



*****************

名前:ハル

性別:男

レベル:3

ギフト:成長

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)3、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

     竜鱗4、鉄壁2、剛腕1、統率1

     耐炎3、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

     氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

     皮膚硬化、腕力強化4、筋力強化4、敏捷性強化3、自己再生

     火魔法4、爆発魔法3、水魔法3、回復魔法1、解呪、

     骨強化3、魔力吸収3、

     剣術5、斧術3、槍術1、弓術1、短剣1

     開錠1、盗み1、


加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


*****************

名前:ルナリア

性別:女

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法3、雷魔法2、

     水魔法1、光魔法2、闇魔法1

加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


*****************

名前:エミリ

性別:女

レベル:-

ギフト:体術2、格闘術2、魔闘術1、先読みの魔眼

加護:武神ガイン

*****************


お読みいただきありがとうございます。

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