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才能(ギフト)がなくても冒険者になれますか?~ゼロから始まる『成長』チート~  作者: かたなかじ
第三章「ルナリアの故郷」

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第百三話


「さて、それではエリッサさんのパーティから鑑定を行いましょう」

 そして、他の冒険者たちの分の査定を終えたギルド員がエリッサたちに声をかけ、そちらから先に鑑定が始まる。

 他のパーティよりも高い鑑定額となるため、周囲で見ていた冒険者たちから期待交じりの歓声があがっている。

 これまでの鑑定では皮や骨ばかりで、使用先が限られるため、査定額は通常の採集依頼程度のものだったからだろう。


 少し遅れてハルたちにも声がかかり、鑑定が始まることとなる。


「それではお二人の鑑定素材をお出しください」

「はい――これとこれとこれかな」

 ギルド員の前にあるテーブルのところまできたハルはベヒーモスの魔核、角を二本提出する。


 配分通りにもらっただけのものを何気なく提出したハル。

 ルナリアも別段気にすることもなく、のんびりとした様子で鑑定結果を待っていた。


「あ、あの、これは……」

「ちょっと……」

 しかし、なぜかギルド員たちの評価が止まる。そして困惑したように顔を見合わせていた。


「……ん? 何か問題でも?」

 様子がおかしいことに気づいたハルが訝しげな表情で問いかけた。


「――っ、ちょ、ちょっと、お待ち下さい!」

「か、確認してまいりますっ!」

 ハッとしたように我に返って弾かれるように走り出したギルド員は慌ててこの場をあとにし、誰かのもとへと向かっていった。


「何があったのでしょうか?」

「さあ? なんだろうな?」

 ハルたちは突然の出来事に驚き、顔を見合わせる。ギルド員を待っている間、周囲の冒険者たちも何事かとざわつき始めていた。


 時間にして数分経過したところで、ドタドタと大きな足音をたててギルドマスターライセンがやってきた。


「ど、どれだ?」

 最初にハルたちの鑑定をする予定だったギルド員を伴ってライセンがやってきたのは、ハルたちの鑑定素材の前だった。

「こ、こちらです……」

 そして、ギルド員が指したのはベヒーモスの魔核だった。


 通常、ベヒーモスを倒すとなるとかなりの人数で、かなりの時間をかけて戦うこととなる。

 そうなると、心臓である魔核への負担が大きく、力が失われていく。

 しかし、今回の戦いではゼンラインによって一瞬のもとに倒されたため、その負担はほとんどない状態で倒された。


 ベヒーモスといえば、確認されている魔物の中でも危険度の高いものとして指定されている。

 それゆえに、通常では考えられないほどの力を持った魔核を持っていた。


 つまりハルたちが持ち込んだ魔核は最高級品と言ってもいいほどのものだったのだ。

 

「これは……困ったな……」

 ライセンは初めて見る高ランクの魔核に困惑していた。ハルたちから事前に話は聞いていたが、これほどの品だとは思っていなかったようだ。

 腕を組んでしばらく考えたのちに、ハルたちへ視線を向ける。


「申し訳ないが、正直に申し上げると、当ギルドではこの魔核に対して正当な価格を算定することはできかねる。だがこれほどの魔核ならばもっと大きな街のギルドに持ち込むことを勧める。これほどのものになると相当な金額になることは間違いない……しかしうちで支払うにはちょっと……」

 高額すぎる――それが、ライセンの本音だった。


「なるほど……それじゃあ、こっちの角はどうだろうか?」

 魔核に関しては値段がつけられない。ならば、残った角だけでも鑑定してもらえればとハルが質問するが、ライセンの表情は明るくない。


「こちらはなんとか値段をつけることはできるだろう。だがやはりこちらも大きな街のギルドに持ち込んだほうがいいと思う。通常持ち込まれるベヒーモスの角は傷ついていることが多いが、これは目立った傷がないから……」

 角はベヒーモスの持つ武器の一つであり、冒険者と対峙した際に武器と接触することで傷がつくことが多い。

 しかし、今回のは一撃で倒されたために傷一つない。


「なるほど、こちらも品質が良すぎるということか……承知した。角も別の街のギルドに持ち込むことにしよう。時間をとらせて悪かった」

 ハルは謝罪を口にしながら、魔核と角をしまっていく。

 彼のマジックバッグには時間停止の魔法がかけられているため、魔核と角の品質が下がることはない。


「いや、こちらこそお役に立てなくて申し訳ない。今回のベヒーモス討伐の最功労者である二人の力になりたかったのだが」

 ライセンは苦笑しながら頭を下げる。


 ベヒーモスが表れたこと、それを街に来ないように動きを止めてくれたこと、そして倒してくれたこと――そのどれもが表彰ものの働きである。

 ただ、最終的に倒したのがここにいる誰でもないため、そういった形にはならなかったが、それでも強い感謝の思いをライセンは持っていた。


「さて、鑑定が無理ならとりあえず俺らは行こうか。ちょっと人を待たせているから、また機会があったらよろしく」

「失礼します」

 ハルとルナリアはライセンと、鑑定をがんばってくれたギルド員たちに頭を下げてこの場所をあとにする。


 エリッサたちは、まだ細かいものの鑑定に時間がかかっていたため、バラバラに行動することとなった。



*****************

名前:ハル

性別:男

レベル:3

ギフト:成長

スキル:炎鎧4、ブレス(炎)3、ブレス(氷)4、ブレス(毒)1、ブレス(闇)1、

     竜鱗4、鉄壁1、

     耐炎3、耐土3、耐風3、耐水3、耐氷3、耐雷2、耐毒4、

     氷牙2、毒牙2、帯電2、甲羅の盾、鑑定、

     皮膚硬化、腕力強化4、筋力強化4、敏捷性強化2、自己再生

     火魔法3、爆発魔法3、水魔法2、回復魔法1、解呪、

     骨強化3、魔力吸収3、

     剣術4、斧術2、槍術1



加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


*****************

名前:ルナリア

性別:女

レベル:-

ギフト:オールエレメント

スキル:火魔法2、氷魔法2、風魔法2、土魔法3、雷魔法2、

     水魔法1、光魔法2、闇魔法1

加護:女神セア、女神ディオナ

*****************


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