当然であり、普遍的な現実
俺の名はライト、
この「モーリの村」で、猟師をして暮らしている。
この村の近くにある森が主な狩り場だ。
今日はさっそく狩りのため森に来ている。
鉈や弓矢を使って動物や、森に自生するきのこや
植物などを取るんだ。
この弓なんかは、先日、
俺が17歳の誕生日を迎えたときに、貰ったばかりだ。
森は一見薄暗くて怖いイメージがあるけど、
陽は射すところには射すし、さまざまな生き物や
植物が見られて俺は好きだ。
ガサガサッ…
「ん?なんだ獲物か?」
しめしめ、今日は幸先がいいぜ。
もう獲物にありつけそうだ。
「グルル…!」
なんと、茂みをかき分けて出てきたのは、
巨大な熊であった。
「なっ…?!」
「(なんだこのデカい熊は!
まさか、このあたりでは
ジャイアントベアと呼ばれて恐れられてる熊か…!?)」
「グルル…ガァァァ!」
やばい、来る!?
お、俺ももう立派な猟師だ!
こんな熊くらいっ…!
「く、くらえー!」
ライトはすかさず弓矢を射かける。
矢は巨大熊の分厚い皮膚を貫通せず、
チクリチクリと刺さっては抜け落ちた。
「なんだと…!? き、来てみろ!
俺にはまだ鉈がある!猟師をなめるなー!」
巨大熊は弾かれたようにライトへと
突進を繰り出した、
ライトは鉈で巨大熊の頭を切りつけようとしたが、
「がぇッ……!!」
はっ?…え?は?! え?!
痛っ…痛い痛い痛い痛い!熱いぃぃいいい!!
あ゛ぁぁぁぁぁぁ!!顔がぁぁぁぁぁ!!
見えない見えない見えない?!
目ェどこ?!痛いぃぃぃィィィィィィィ!!
痛いィ?!これは痛みか?熱なのか?!
わからないィィィィ!
激痛のあまり、今にも昇天しそうである。
ライトの顔面は、というより頭部は半分近くが
抉り取られ、脳漿を撒き散らしていたのである。
そのまま、ずるずる…ずるずる…と
巨大熊の住処へと引きずられて行ったという…。
まぁ、猟銃でもなきゃ熊には勝てないっすよ。