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08 次男[3]
「麻哉ちゃんは自分の恋愛を捏造されることにどんなデメリットを感じる??」
優しく問いかけられてはいるが彼の目は笑ってはいない。
「えっと…嫌悪感を感じるから、とか??」
「嫌悪感を感じる理由は??」
「うーん…」
それにデメリットがあることはわかる。わかるけど明確な言葉にはできないというか。それより竜兄が明らかに怒ってるから寒気を感じてるというか。
「俺はさ、なるべく女の子とは関わりたくないんだよ。付き合う気も無い子にかまって勘違いされたくないんだ、わかる??」
「…うん」
「不特定多数の人にプライベートさらけ出すことなんて望んでなかったのに。確かに内面を見て欲しいとは思うけどもね」
彼はいつになく真剣な瞳で私を諭すように告げた。
「俺のことは俺が好きな人1人だけが見てさえすればそれでいいんだ。たった1人だけで…」
ひとりごとのように呟いた彼はパッケージの竜哉と同じ表情をしていた。