表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

休み時間

連載小説二作目です。

幽霊はでてきますが、ホラー系ではありません。

ご了承ください。

どちらかと言うと、学園友情物語って感じです。

 私は佐倉悠羽さくらゆう。この女子校稜ヶ崎学園りょうがさきがくえんの二年生。五クラスあるうちの一番最後五組の生徒だ。

 今日の一時限目は社会。朝から眠くなる教科だ。

「……ZZZ」

 案の定、寝てしまった。そのまま授業は進む。

 キーン コーン カーン コーン

「ハッ……、ああ、寝ちゃってた」

 二時限目は数学。割りと得意な教科なので、授業の内容は簡単に理解できる。

「この問題、できるやつはいるか?」

 あの問題はちょっと難しいけど、大体の考え方はわかる。

「ハーイ」

 なんて手を上げてみたけど、先生は全くの無視。それどころか、先生は私の後に挙げた委員長(アダ名)に解くように言った。

 サラサラと書いてしまう委員長。すべて書き終わった委員長を、先生は褒めた。

「さすがだな、他の人が手を挙げなかった問題をこうも簡単に解くなんてな」

「いえ、こんな問題、簡単ですよ」

 そう言って自分の席に戻る委員長。

「……私だって解けたのに……、まあ、しょうが無いか」


 先生が無視をしたのも無理は無い。

 実は、佐倉はこの二年五組に憑いている地縛霊で、未だ誰にも存在に気づかれていないのだ。


「今日は授業、ちょっとサボっちゃお」

 二時限目が終わったあと、佐倉は教室を抜け出した。

 廊下には、友達と話している人などが多くいるので、ぶつからないように気を付けて飛んだ。

 以前、人を避けずぶつかりながら飛んだ時、体はすり抜けて大丈夫だったのだが、すり抜けられた人は寒気が止まらなくなって大変だった。

 だから今では、ぶつからないように気を付けて飛んでいる。

 階段を降り、一階下にある一年生の教室の前で止まった。

 ついこの間、入学式を終えたばかりで慣れていないのか、廊下は静かだった。それでも、ある程度の人間関係はしっかりしてきたようで、廊下には少なからず話している人がいる。

 佐倉はその人達のわきを通りぬけ、三組の教室に入った。

「へえ~、これが今年の一年生かあ~」

 教室には友達と話してる人と、ひとりぽつりと座っている人が数人いる。

 佐倉は、入口から一番遠くに一人座っている、黒髪のボブの子が気になった。その子は本を読んでいる。

「なんの本を読んでいるんだろう……?」

 佐倉はその子に近寄って、本の表紙を覗き込んだ。

「シェイクスピア、マクベス」

「……え?」

「この本の題名ですよ。知りたかったんでしょう?」

「み、視えるの?」

 女の子は本を閉じ、呆れた顔をした。

「当然じゃない。視えるから話しかけているんじゃないですか。私にひとりごとを言う趣味はないわ」

「……」

 佐倉は視えているなら、と開き直って聞いてみた。

「……あなた、友達を作ろうとは思わないの? こんなトコロに一人で……」

 女の子はそっぽを向いた。

「……いいのよ、私は」

 それを見て、佐倉はなにか手伝ってやれることはないか、と考えた。

 どうやって友達を作ろうか。と、そこまで考えて、まだ名前を聞いていないことに気が付いた。

「まだ、名前を聞いていなかったね。私、佐倉悠羽。死んだときは二年五組の生徒で、委員長やってたんだよ。あなたは?」

「……夜野原玲歌やのはられいか

夜野原はぶっきらぼうに答えた。


キーン コーン カーン コーン


「もう、授業が始まっちゃった。じゃあ、また後で来るね」

「ちょ、ちょっと……」

夜野原は反論しようとしたが、すぐに先生が教室に入ってきたので、最後まで言えなかった。

佐倉は生徒たちの頭上を飛び越え、壁の向こうに消えていった。

(なんだったんだろう、あの幽霊……)

教室に幽霊が堂々と居たのにも関わらず、先生も生徒たちも授業を進めていった。夜野原もそれに習うことにした。


その後、いつもと同じように授業を受けたが、あの幽霊は現れず、無事に三時限目は終わった。

このお話は、伶歌が友達を作るところまでは続ける予定です。(その先はまだ未定ですが)

最期まで読んでいただけるよう頑張りますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ