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我思う。

作者: 葛しょこら

お開きいただきありがとうございます!


とても読みづらいかと思いますが、良かったらそのまま下にスクロールくださいw

 そこでは、パレードが盛大に行われていた。


 しかし、その盛大さはどこか虚偽に包まれている。それは、祝っている人々が心から祝っていないからだろう。表面で笑顔を作り、歓声を上げて、祝っている風にみせていようと、それは偽り。そこには何もないのだ。


 そんなことをされて喜ぶ、ヒトはいないだろう。


 しかし、その偽りを聞いて満面の笑みを浮かべているモノがいた。このパレードの中心でオープンカーに乗り、手を振っているモノ。今回のターゲットだった。



 ソレは、この国のトップであるが、国民から選ばれた訳ではない。自ら名乗り始めたのだ。それに反発しようものならば、反逆だと処刑される。だから、国民はいやいやながら、ソレに付き従っていた。


 このパレードの中でも軍人たちが目を光らせているため、声を出さなければならなかった。そうでなければ反逆とされ、殺されるからだ。


 そのため、嘘で塗り固められたパレードをしているのか


 あまりに滑稽だ。こんなことで良いのか貴様らは。なぜ、自ら歯向かわないのだ。この王が嫌なのだろう、気に入らないのだろう。……死ぬのが怖いか?答えを出すのが怖いか?だから行動しないのか?


 だから、私のようなモノが存在しなくてはならないのか。


 そんなことを思いながらただ傍観していた。


 

 すると、後ろから声をかけられた。ふり返り、言葉の発信者を見ると手には銃を抱えている軍人であった。


 

「おい!お前、なぜ国王を祝わないのだ。続けるようならば、反逆者とみなし、ここで射殺するぞ!」と銃で脅された。


 すかさず、手をあげ、弁解する。


「スミマセン!コトバワカラナイ。ウタナイデ!」と片言で言葉をかわす。


「お前、外人か?」(こんな時に)と小声が混じりながら銃を下ろした。


「アリガトウゴザイマス!」と頭を下げる。



 ちょっと来いと腕をつかまれ、路地裏に連れていかれた。


「良いか?今、国王の式典の最中だから、最高とか万歳と言って、祝うんだ。今回は見逃すが他の奴にまた、見つかれば間違いなく殺されるぞ。わかったな?」と釘をさされた。


「見逃していいのか、軍人」と返す。


「お前、しゃべれるのか!?くそ、反逆者め!」と銃をこちらに向けられた。


「どっちがだ。私は、外人。お前は、国民。どっちが法律に適応される?」と言い返す。


「それは……。」と言葉に詰まらせる。


「別に、守らなくても良いじゃないか?祝いたくないなら、叫べよ。お前なんか糞くらえだ!!ってな」と叫ぶ。馬鹿かと言われたがもう遅い。その声を聞きつけ、軍人が集まる。


「誰だ!!今、叫んだやつは?」と銃を構えながら、近づいてくる。


「こ、コイツです!」と私といた軍人が私を指さす。


「ドウイウコトデスカ?トイレオシエテクレルイッタデショ」と声色を変えた。


「この外人がか?」


「ち、違う!!演技だ!!俺じゃない!」と首を横に振る。


「お前はこんな外人に罪をなすりつけようとしたのか?反逆者はこうも汚いか」とその場にいた軍人たちに銃を向けられていた。そして、殺された。何発もの銃弾が彼に食い込む。


 彼はその場に崩れ落ちながらも、俺じゃないと言い、息絶えた。



「罪の無い人を」と私は彼の目を閉じる。



「お前、演技だったのか!!」と次にこっちに躊躇なく弾を撃ちだした。



 トップであるモノも悪いが、このようにその下でその権力を行使し、こうも鉄砲を躊躇なく撃てる奴らも悪いのだと思いながら銃弾をかわし、ソレらの元にのらりくらりと近づく。



「アイツの痛みだ」と告げ、ソレらの首にナイフを切りつけた。ソレらから血が吹き出す。


「これでアレを祝ってやるよ。すまなかったな、助けてくれたのにこんな返しで。それでも嫌なら私を呪い殺してくれよ」と撃たれた軍人に祈りを捧げた。


 気づけば、周辺の空気はパレードのムードがさっきの銃声によりガラッと変わっており、国民たちがこちらに注目していた。しかし、パレードが止まることはない。


 さて、ここまでで良いかと国民の中に紛れ込む。先ほどいた路地裏をふり返ると、すでに軍人が湧いていた。


 そのまま、国民をかき分けながら仮面をつける。一応、顔が割れないためだ。そして、公道へ出て、ターゲットの前に立った。



 ソレは私を睨みつけ、ヤレとだけ言った。すると、ソレの近くにいた軍人たちが一斉に発砲する。


 かわせる。なぜなら、殺そうと思って撃っていない弾に殺傷能力が無いに等しいからだ。その鉛を全て避け、ソレに近づく。


「何をやっている!?役立たずが!!」とソレは近くの軍人から鉄砲を奪い取り、自ら発砲する。



 無意味だと気付かないのだろうか。まぁいいかとソレの元にたどり着く。


「うっ」とひきつった顔を浮かべ、座席にへたり込む。


 私は車に乗り込み、ソレの胸ぐらを掴み持ち上げた。


「お、お前ら!な、何をしている!?こ、殺せ!!」とソレは泣き叫ぶ。そして、私に向けて、銃弾が飛んできたが、私はソレを盾にし、全ての銃弾をソレに食い込ませた。


 そして、ソレを放すとソレは言葉を発することなく、その場でうつ伏せになって息絶えた。


 

 全ての音が止まった。全員がこっちを見ている。


 そこで、オープンカーに備えつけられているマイクを手に取り、スピーチを始める。


「国民のみなさん!おめでとうございます!これで自由です!これは皆さんが勝ち取ったものです。なぜなら、私ではなくコレを殺したのはそこにいる軍人だからです。さぁ!嘘で塗り固められた言葉を発するのは終わりです。喜びましょう!」と言った。



 すると、歓喜の声、悲鳴、どよめきなどいろいろの声があふれだした。



 そして、自分は軍人たちに取り囲まれたが、彼らに撃つ意思はない。彼らの目からは一切そんなものは感じない。




 貴様らは私を英雄と称えるだろう。自らの手を汚すことなく手に入れた自由に酔いながら。だが、忘れるな。貴様らにも罪の重石を乗せてやる。真の自由を得られると思うな。貴様らはいつか気づく。罪の影を。私に背負わせた罪の重石に足を引かれて、貴様らはきっと、そこから動くことはできない。



 そう、考えながらその場を後にした。



お読み頂きありがとうございます。


この話は行動を起こさない自分の代わりにこうやって行動してくれないかなぁと思いながら書きました。


やはり、行動を起こすことが大事ですねw



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― 新着の感想 ―
[良い点] 行動を起こす事はとても大切だと思います。 そしてこの物語の主人公のようにさっぱりとした考えのもとで、ずぶずぶな環境の改善を施すのは素晴らしいと思いました。 [一言] ライトノベルとして読ま…
2013/07/17 23:35 退会済み
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