始まりの風
きっとまた輝けるだろうか
私にその権利があるだろうか
もう一度、やり直せるのだろうか
そんな不安な気持ちを抱えながら、胸の奥の重さを誤魔化すように、新たな場所へと私は足を踏み入れた
クラスの周りには知らない人しかいなかった。中学時代の友達も、同級生も、皆他の高校に行ってしまった。けれど正直それで良かったと思う。その方が今の私には気楽だ
「みなさーん、廊下に2列で並んでください」
そんなことを考えていたら、生徒会の人が来た。いよいよ入学式が始まるらしい。私は言われるがままに列に並ぶ
「じゃあ、行きますよ〜」
生徒会の人の合図で私たちは歩き出した
パチパチパチパチ
拍手の音が聞こえてくる。一歩進むごとに、だんだん大きくなっていく
私の胸の鼓動も、だんだん早くなるのを感じ、少しだけ息苦しくなった
「はぁはぁ」
「大丈夫?」
後ろのメガネの女の子に控えめに肩を叩かれる。その声はとても心配そうだった
「あ、うん、大丈夫、ありがとう」
そう言って、胸の鼓動が収まらない中私は再び歩き出した。ああ、この感覚、あの時のに似ている
皆が席に座ると、ついに入学式が始まった
「校歌斉唱、一同ご起立ください」
皆一斉に立つと、校歌のイントロが流れる。それを聞いた瞬間
「うっ」
私はものすごい不安に駆られた
どうしよう、また歌えなくなったら
あの時みたいに、ああ
「ハァハァハァ」
もう、だめ、、だ
だんだん、音が遠くなっていく
バタン
足元の感覚が消えた私はその場に倒れ込んでしまった




