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魔法少女戦争 ~ロストグリモワールを俺は知っている~  作者: ゆき
第五章 『RAID6』へようこそ

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75 カプリニクスのダンジョン② ~再会と

 ザンッ


 ノアが襲い掛かって来たゴーレムを真っ二つに斬った。

 砂の粒になって消えていく。


「全然手ごたえがない。ダンジョンに出てくる敵は、強くないね」

 大剣をくるっと回して、地面に足をつけた。


「プレイヤーのレベル上げのための敵だろうな」

「なんかわかって来たかも。魔法少女との戦闘の模擬試験に似てる」

 大剣を消しながら言う。


「模擬試験?」

「・・・そう。ある程度戦えないと、すぐに死んじゃうって言われてたから。本当に力が与えられるのか確認しなきゃいけなかった」

 ノアが言いにくそうにしていた。


「無理して昔のことなんか言わなくていいからな」

「うん。ありがと」


 ダンジョンは地下10階まで降りてきていた。

 通常ルートは外れていたが、道にはなっているようだ。


 ゴーレムやゴブリンのような敵は多かったが、ノアが大抵一人で片付けてしまう。


 敵は問題ないんだが・・・・。


「ノア、そこは踏むな!」

「わっと」

 床にうっすらと魔法陣が描かれていた。

 1階降りるごとに、トラップがあるのが厄介だった。


「ノアってよくトラップに引っかかるよな」

「私、昔からくじ運いいんだ」


「くじ運って・・・引きやすいのか。そこを避けて降りていくぞ」

「うん!」

 戦闘しているほうが自分らしくいられるのか、ノアがいつものノアに戻っていった。


「歩きにくい。カイト、転ばないでね」

「転んだたら浮遊魔法使え」

「あ、そっか」

 階段は下に向かうにつれて凸凹としていて歩きにくかった。

 壁に伸びている蔦を掴みながらゆっくりと降りていく。



 突然、足元から眩い光が放たれた。



「わわっ」

「ファナか?」


 ― 粛清の矢 ―


 ザザザザザザザザザーッ


 10体以上のゴブリン目掛けて光の矢が降り注いでいた。

 軽く跳んで、地面に足をつける。


「カイト! ノア!」


「わぁーアクア!!」

「心配したよ」

「こっちのセリフだって」

 ノアがアクアに抱きついていく。


「ファナ、そっちは大丈夫そうか?」

「まぁね。敵は雑魚ばかりなんだけど、ずっとこんなのだから飽きちゃった」

 ファナが矢を杖に変えていた。


 ラインハルトが後ろから青白い顔でふらふら歩いてくる。


「で、ラインハルトはなんであんなに顔色悪いんだ?」

『魔法少女だと思って吸ったのは、魔法少女じゃなくて、人魚だったんだ。そこからずっとあんな感じだ』

 カマエルが、ラインハルトに代わって話す。


「人魚の地じゃ駄目なのか? つか、ここ、人魚いるのか?」


『途中で泉みたいなのがあったんだよ。そしたら急に少女が顔を出してね』

「ラインハルトってば、魔法少女だって確認しないで喰らいつくんだもん」

 ファナが呆れたように言う。


「人魚があんなにまずいとは・・・・・ぐふ・・・・」

『は、吐くなよ』

「大丈夫。嘔吐恐怖症だから」

 ラインハルトが消え入るような声で話して、近くの段差に座った。


「カイトたちのほうにも泉無かった?」


「あ、あああ、あったよ。ねぇ、カイト?」


「!?」


 ノアの動揺に、一瞬で俺に注目が集まる。


「・・・カイトと何かあったの?」

「ち、ち、違うよ。何もない何もない!」

「ノア、顔が真っ赤。カイト、ノアに何したの?」

 アクアが疑惑の目をこちらに向けてくる。


「何もしてないって」

「ノアのあの反応を見ると、そうは見えないんだけど?」

「ファナまで俺を疑うのかよ」

「火を見るより明らかじゃない」

 ファナがこちらを睨みつけてくる。


「こっちがゴブリンと戦ったり、ふらふらのラインハルト引き摺ってたときに、そっちはいちゃついてたとは・・・」

「だから、違うって言ってるだろ」

 頭を搔く。


「カイトの言う通りだよ。本当に違う違う、何もない」

「怪しい? 何してたの?」


「何もないから! 本当に」

 アクアに詰め寄られるたびに、どんどん赤くなっていく。


「健全だって・・・年頃の若者が・・・げほっと・・・2人きりになって・・・・何も起こらないほうが不健全だろうが・・・・」

「ラインハルトは黙ってて」

 アクアが睨みつける。


「一気に声を出したら・・・き・・・気持ち悪い・・・・・ファナ、かいふく・・・を」

「ヴァンパイアって治し方がよくわからないのよね」

 ラインハルトが口に手を当てながら、ファナの回復魔法を受けていた。


『本当に何もないよ』

 カマエルが腕を組んで、天井から降りてきた。


「どうしてわかるの?」

『カイトはリリス意外を愛せない。そうゆう呪いを受けてるから』

 足をつけて、こちらを見上げる。


『な、カイト』

「呪いって・・・・俺は、そう思っていないって言ってるだろ」


『騙されてるんだよ。リリスは悪女だ。いい加減目を覚ましてくれ』


「俺は俺の判断を下す。口を出すな。命令だ。忘れたのか? 序列は俺のほうが上だろうが」

『わかったよ』


 低い声で言うと、カマエルが渋々と下がった。



「呪い? どうゆうことなの・・・・?」

「・・・・・・・」

 ファナとアクアとノアがこちらを見ていた。


 サアァアアア



『ほら、聞いてると思ったよ。君の気配は、俺の中でエリンちゃんの次に濃いからね』

 カマエルが息をついて後ろを向く。

 部屋の奥から黒いローブが見えた。


「リリス!?」

「っ・・・」

 すぐに動こうとしたファナを止める。


「あ・・・・カイト、久しぶりだね」


「久しぶりって・・・」

「仲間とうまくやれてるみたいでよかった」

 リリスが俯いて、少しほほ笑んでいた。


『リリス』


 ザッ


 カマエルが素早く飛んでリリスの前に剣を突き立てた。


「カマエル!」


「変わらないのね。私はカマエルの剣で刺されたって死なないよ。何度も試してきたじゃない」

 リリスが杖を出す。


『いつまでサマエルを縛るつもりだ?』

「・・・・・・」

 カマエルの剣を小突いて、消した。


「カマエル・・・・・・・・」


『・・・・・!』


 カマエルとすれ違うときに、小声で何かを話していた。

 カマエルが床を見つめたまま固まった。


「カイト、急にごめんね。私の主、カイトじゃなくなちゃったんだ」


「ごめんって・・・まだ何かに操られてるのか?」

「ううん。如月タツキ、が組んだ魔法と洗脳は全部解いた。私は三賢の一人、リリス=ミュフォーゼだよ。電子世界の戦い方はコツが掴みにくいけど、もう大体わかってきたかな」

 リリスが軽い口調で話していた。


「七陣魔導団ゲヘナの軍との戦闘のことは正直、覚えていないんだけど・・・私、七陣魔導団ゲヘナの魔法少女と戦士たちを殺しちゃったんだよね?」


「・・・・・・・・」


「ごめんなさい。魔法少女戦争にいる限り、死ぬのは覚悟してると思うけど、七陣魔導団ゲヘナのみんなを殺すつもりはなかった・・・」

 杖の宝玉を見つめながら言う。

 取り繕っているようにしか見えなかった。



 シュンッ


「待って、貴女本当にリリスなの!?」

 ファナがリリスの胸に剣を突きつける。


「ん?」

「な、何?」

 リリスが剣を気にせず、ファナの顔を覗き込む。


「前回魔法少女戦争の勝者・・・?」

「・・・そうよ」


「あ、確かファナ、って名前だったよね? 不死の呪いを受けたって噂、本当だったんだね。あの最終決戦で、私に負けていれば・・・・」

「お前・・・・」

「止めろ!」

 ファナが動く前に、ファナの剣を握り締める。


「私も不老不死だから死なないよ。ここで私たちがぶつかっても意味ない」

「よくも・・・私を、私がどんな思いでいたか・・・」

 怒りで目が血走っていた。


「に、偽物だよ。だって、移行に失敗した魔法少女はダンジョンの中に閉じ込められてるって言ってたから、一人でいるのもおかしいし」

 ノアが両手を握り締めて言う。


「今ここに居るリリスはリリスじゃない、ね、アクア」

「うん。ダンジョンの幻影か、変装している魔法少女だよな」

 アクアが警戒しながら、杖を出していた。


「いや、リリスだ。七陣魔導団ゲヘナの魔法少女リリスだよ。間違いない」

 俺が間違えるはずがない。

 契約のときにはめられた指輪が光る。


「七陣魔導団ゲヘナのリリスだ」


「そうだね・・・・・今は『黄金の薔薇団』に入ったけどね」

 リリスが髪を耳にかける。


「は?」


 俺を無視して、階段の前に立つ。


「じゃあ、そうゆうことだから。私は『黄金の薔薇団』に戻らなきゃ。みんなも頑張ってね。敵になっちゃったときは容赦なくいくから、そっちも遠慮しないで」

 浮遊魔法をかけて、何もなかったように地面を蹴ろうとしていた。

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