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魔法少女戦争 ~ロストグリモワールを俺は知っている~  作者: ゆき
第五章 『RAID6』へようこそ

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73 ダンジョンのパーティーの情報共有

 浮遊魔法で飛びながら、大地の神カプリニクスの大木のある方角へ向かっていた。

 1キロくらいなら歩いてもいいんだけどな。


 俺は別に構わないが、ファナは面倒だから飛んでいきたいらしい。


『セレーヌ城から1キロ北東に行ったところの大きな木ねぇ。楽しみだなぁ、ダンジョン・・・』

 カマエルがにやける顔を押さえながら呟く。


『ねぇ、カイト、俺の髪整ってる?』

「知らん」

『冷たいなぁ。久しぶりだけど俺だってわかるかな? わかるよね?』

「知らんって」

 カマエルはルピスの予知を信じ切っていて、テンションが高い。

 完全に浮かれている。


 まぁ、ここまで当たってるなら、リリスもそこにいるんだろうな。


「ダンジョンに2人の知り合いでもいるの?」


「カイトとカマエルは秘密ごとが多すぎるー」

「そうだそうだ」

 ファナとノアとアクアが一斉にこちらを睨んでくる。


「たまには僕らにも共有してほしいね」

「うんうん」

「別に秘密にしてないって。話すと長くなるから端折ってるだけだ」


「ティナがまた留守番で指令室任されるって文句言ってたわよ。たまには、私が代わってあげてもいいのに。私も主がカイトなんだから、いいでしょ?」


「ファナだと軍の統制が執れないだろ?」

「へぇ、はっきり言うのね」

 ファナが鼻を鳴らした。


「火を見るより明らかだ。ティナの戦闘指示能力、各自への離脱のタイミング、補佐すべき場所、自分含む6人の魔法少女が出るべきタイミング、全てにおいて無駄なくこなしているんだからな」

 ティナの統率力は何で培ったものかはわからない。


 でも、どんな局面でも、柔軟で的確な指示を出していた。


「天部の才・・・なのかもな」

 小さく言う。 


「そうゆうことはティナの前で言いなよ」

「あえて言う必要ないだろ? 他のメンバーからも言われてるんだから」


「全く、乙女心がわかってないなぁ」

 アクアが後ろに手をやって、肩を伸ばしながら話していた。


「アクアが乙女心ねぇ・・・」

 最初に出会ったときよりも、アクアが女子っぽくなった気がした。

 フィオーレたちといるからだろうか。


「ぼ、僕だって女子だからね! ちゃんと女子として扱ってよ」

「アクアを男だなんて、一度も思ったことないって」

「ふ、ふうん、そ」

 アクアがなぜか顔を赤くしてそっぽを向いた。


『ねぇ、ファナ、女性目線から見て今日の俺の服どう?』

「いつもと変わらないでしょ?」

『変わってるんだよな。この襟とか、シャツ切り返しがね。お子様にはわからないかな?』

「私、その辺の人間よりは年上よ?」

 カマエルとファナが似たようなやり取りを繰り返している。


 ノアが少し離れたところからついてきていた。

 会話に頷いたり笑ったりするだけだ。


「ノア」


「!!」

 声をかけるとびくっとして、視線を逸らした。


「はっ、え、えっと、そこにいるのはプレイヤーじゃない?」

「ん?」

 ノアが指すほうを見る。


 ― 透明化ステルス ―


 ファナが素早く俺たちに、ステルス魔法を付与した。


「・・・・・・」

 3人いるプレイヤーの内、こちらに気づいている者はいなかった。

 何も起こらないまま、上空を通り過ぎていく。


「気づかれなかったみたいね」


「しばらくステルス魔法を使っていったほうが安全かもな。プレイヤーには興味があるが、まずはダンジョンだ。魔力は持つか?」

「余裕よ。こんなの、ちょっとの魔力しか消費しないんだから」

「さすがだな」

 ファナが少し得意げな顔をしていた。


『ねぇ、プレイヤーって俺の姿見えるの?』


「うーん、ポロに聞いてみるよ」

『ん?』

 カマエルが聞くと、ノアが手のひらを上に向けた。


「AIポロ」


 ジジジ 


 ノアが言うと、ポロが現れた。


『はい。ご用件は何でしょうか?』


「魔法少女が呼んだら出てくるのか。なんかグー〇ルとかSir〇みたいだな」

『何? ぐー〇る? 尻?』

 カマエルが無理やり会話に刺さってこようとする。


「尻じゃねえよ。昔で言うなら百科事典で検索するような感覚か。つか、神なら文明についてこいって」

『時代の流れって早すぎるんだよね。俺からするとついこの間まで手紙でやりとりしてたし』


「もう、2人とも静かにしてて!」

 ファナが顔をしかめた。


 ノアが俺たちを無視してポロと会話していた。


『プレイヤーにも契約した神が見えるかというご質問ですね。はい。見えます。魔法少女の主と同等のステータスで来ております』

「同等ねぇ」

 引っ掛かりを覚えた。


『そこの魔神はダンジョンに行こうとされているのですか?』

『そうだよ。何か文句でもあるのか?』

 カマエルが突っかかっていく。


『中にエリンちゃんがいるんだよ! 俺が行かなくてどうするんだ!』

『エリン? そのような魔法少女はエントリーがありませんが、神は人数にカウントされませんよ』


『え?』


「どうゆうこと?」


 ノアがポロの目を見て聞く。


『ダンジョンに入れる人数は5人と決まっています。でも、神は戦力ではないのでカウントされませんので、今まで通り自由にされていてください。魔法少女同士の戦いに参戦できませんから』


「マジか・・・盲点、というか、勝手に思い込んでたな」

「カマエルが魔神っぽくないのよね」

「まぁな」

 頭を搔いた。

 ファナとカマエルのほうを見ながら言う。


『今、カイトとファナにすごく失礼なこと言われてる気がするんだけど』 


「ほら、人間に馴染んだほうがえりえり、エリンちゃん? とかいう子にモテると思うよ。神って言われると、一歩引いちゃうもん」


『あー、なるほどね』

 ファナが適当に言った言葉を一切の迷いも無く吞み込んでいた。

 

「ありがとう、ポロ」

『はい。では、失礼します』


 ジジジジジ

 

 ポロが消えていった。


「どうする? このまま4人のパーティーで行く?」

「まぁ、ティナももう配置決めてるだろうし・・・・」


 ゴオォオオオオオ


「キャッ」

「!?」

 ラインハルトが凄まじい勢いで飛んでくる。

 風圧で顔が伸びていた。


「ふぅ・・・・・・・」

 近くまで来ると、ピタッと止まった。


「ど・・・どうした?」

 ノアとアクアが俺の後ろに隠れていた。


「話によると、ダンジョンに乗り込む席が一つ空いたと・・・」

「どこで聞いてたの?」

「ほら」

 ノアとアクアの服の襟に、小さな宝石に見せかけた盗聴器がついていた。


「あ!?」

「女子の話を盗聴するなんて、最低!」

 ファナが2人の盗聴器を取って、一瞬で粉々にした。


「今までの会話も全部聞かれてたってこと!?」

「私の体重の話も?」

「僕の胸の大きさの話も!?」

「初体験が無いって話まで!?」

 ノアとアクアが混乱して、大声で聞いていた。

 ファナが注意しようとして、手を止める。


「そもそも、君らには全く性的な気持ちはない。裸だろうと、その辺の樹が歩いているのと一緒だ」


「っ・・・なんか、それはそれで腹立つな」

 アクアが頬を膨らませた。


「どうしてラインハルトがここに来たんだ?」

「ダンジョンは魔法少女の匂いがする。魔法少女がいるんだろう? カイト、カマエル」

 ラインハルトがにやっとする。


『・・・・・・・』

「はぁ・・・・・」

 ダンジョンに着いて確信になってから、話すつもりだったんだが・・・。


「逃げ惑う魔法少女の血が欲しい自分には、ぴったりの場所かな? と思ってね。あ、ティナの補佐はレベッカとシロナがいる。問題ないとのことだ」


 ラインハルトは前回も魔法少女戦争に関わっていただけあって、勘がいい。

 ファナが腕を組んで、ため息をついた。


「ねぇ、カイト、カマエル、これから行くダンジョンについてわかってることくらい共有してくれてもいいんじゃない?」

 ファナがこちらを見ながら言う。

 

「わかってるよ。移動しながら話す。他の奴らにはまだ言うなよ」

 予知能力のある夢見の魔法少女ルピスの話から始めた。


 ルピスはよく寝ているため、魔法少女と接触していない。


 彼女の予知が今のところ全て当たっていること、

 『RAID5』から『RAID6』に移行できなかった魔法少女が1/3いること、

 魔法少女は各ダンジョンに閉じ込められていることを話す。


「その中に、リリスもいる。Vtuberえりえりもな」


「・・・どんな基準で移行できなかったの・・・・?」

「わからない。七陣魔導団ゲヘナの魔法少女が全員転移できたのは奇跡だったな。ここからはゲームデバッカーとしての勘だが・・・」


 1/3の魔法少女は、プレイヤーと契約をさせたいのだろう。

 今の主と強制的に契約破棄をして、新たな契約を結ばせようとしているのだと思っていた。

 最初、プレイヤーはAIアンドロイドの魔法少女と契約を結ばせると思っていたが、リリスとエリンが閉じ込められているのなら、話は違う。


 電子世界では、AIアンドロイドの魔法少女も、人間の魔法少女も、扱いに変わりはないということだ。

 やりにくいな。


「ひどい! 魔法少女戦争で戦って死ぬなら覚悟はできていた。なのに、閉じ込められるなんて!」

 アクアが強い口調で言う。


「へぇ、今回の魔法少女戦争は面白いじゃない。リリスが閉じ込められる? 俄然、ダンジョンに行きたくなったわ」

 ファナがほほ笑んだ。

 

「私が、閉じ込められたらよかったのに・・・」

 ノアがぽつりと言う。


「ノア?」


「あはは、なんちゃって、冗談だよ。びっくりした? ごめんごめん、早く2人を助けなきゃね」

 ノアがへらっと笑って手を振って誤魔化していた。

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