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魔法少女戦争 ~ロストグリモワールを俺は知っている~  作者: ゆき
第五章 『RAID6』へようこそ

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71 『RAID6』の地図の秘密

 プレイヤーがログインできるようになってから、数日が経っていた。

 まだ、セレーヌ城にも城下町にも来ていないようだ。


 道具屋の娘、エメの言う通り、セレーヌ城には人が集まっていた。

 何事も無かったように、住民がいて、道具屋のエメがいる光景に戻っていた。


 エメも特別目立った行動はない。


「あ、ティナと、フィオーレだ」

 ノアがウキウキしながら2人に手を振る。


 ティナとフィオーレはルナリアーナを真似して配信を始めていた。

 主にセレーヌ城下町の美味しいものを紹介しているらしい。


「あー、疲れたー」

「ふふ、なんだかすごいスパチャ貰っちゃったね」

 フィオーレが少し照れながら、談話室に戻って来た。


「おかえり。どちらも、私とリルムで作ったの。美味しいから食べてみて」

 ノアがハーブティーとクッキーの籠を差し出した。


「ありがとう」

「お疲れ様。見てたけど、ティナがあんなに噛むの珍しいね。意外な一面見れてよかったよ」

 アクアがいたずらっぽく言う。


「うっ・・・・き、緊張したの!」

「可愛かったって。ギャップにやられるリスナーも多いんじゃない?」

「そうそう、可愛かったー」

 ノアが頷いてほほ笑んでいた。


「いきなり配信してあそこまで話せるなんて、すごいよ。配信ってずっと話していないといけないから大変だもんね」

 ルナリアーナがモニターを見ながら言う。


「僕にはできないなぁ・・・フィオーレみたいに、あんなにコメント拾えないよ」

「へへ、動体視力だけはいいから」

「そうゆう問題じゃない気が・・・」

 アクアがこめかみを搔く。


「アクアもやったらいい。僕っこは意外とモテるから失敗しても大丈夫」


「・・・僕は・・・ほら、ネットとか苦手だから」

 リルムの言葉に、アクアがさらっと流していた。


 アクアは画面越しに男に見られるのが苦手らしい。

 まぁ、あんなことがあったし、当然だな。


「でも、配信するってちょっと楽しかったかも」

「私たち完全に世間から外れちゃってるもんね。たまに、外の人と交流するのも刺激になるよね」

 ティナとフィオーレが嬉しそうに話す。


「いいなぁ」

「ノアも参加したらよかったんじゃない?」

「わ、私は目立つのが苦手だから」


「?」

 ノアが両手を振って、苦笑いして誤魔化していた。 


「ありがとな。2人のおかげで、大分状況がつかめたよ」

「べ、別にカイトのためじゃないし」

 ティナが顔を赤くして、ツンとしていた。


 プレイヤーは魔法少女と主と交流を持ち、魔法少女戦争に加わる形になっている。

 俺たちは明確に『RAID6』というゲームキャラという位置付けだ。

 コメント欄を見ている限り、既にプレイヤーと合流した魔法少女もいるらしい。


 魔法少女たちは自分の顔を出して配信することで、他の魔法少女の動向も探り合っているようだった。

 元国民的アイドル、イルアーニャが消えたことが広まり、魔法少女戦争はかつてないほど注目を浴びている。


 人々の熱狂を集めた魔法少女は、どんどん強くなっていた。

 魔力が格段に上がるわけではない。

 速さ、判断能力、適応能力等のステータス全体が徐々に上がってるように見えた。

 

『カイトー!!!』

 カマエルが勢いよく飛んでくる。


 ぶわっ


「おっと」

 風が巻き起こって、隣のテーブルの紙が飛んでいた。


「ひゃっ」

「なんだよ、急に。風を起こすなって」


 飛びそうになったクッキーの入った籠を掴んで言う。

 ノアがふわっと浮き上がったスカートを押さえていた。


『ダンジョンが現れた! この大陸はただの想像だけで作られたものじゃない』

 早口になっていた。


「落ち着け、何の話だ?」

『この場所にいて、何かを感じない? サマエルは感じ取れないの?』

「だからその名で・・・・」


『大地の神カプリニクス・・・大地の鼓動がわかないか?』


「ん? あいつは大昔に・・・」

『彼の魔力を覚えてるよね?』

 カマエルが真剣な表情で言う。


「・・・・・・」

 床に足をつけながら、鼓動に耳を傾ける。


 どこか、大地の神カプリニクスの魔力と似たものは感じられた。

 でも、記憶が薄く、確証はない。


「え? 大地の神かぷりにくす?」

 ティナが首を傾げる。


『どう?』

「・・・いや、じゃあカプリニクスがここに居るとして、どうして今まで気づかなかったんだ? 地図だって何度も見てきたはずだろ?」


『わからない・・・俺だって何度も見てきて、今気づいたんだ。正確にはあの時、一部だけ沈んだ大陸が、蘇っている。陸続きになってるんだ。今いる場所もカプリニクスの管轄内だ』

 カマエルが確信を持って言う。


『あの大陸で・・・神々の祭壇のあった位置に、ダンジョンがあるんだよ。セレーヌの祭壇の場所をこの目で見てきたから間違いない!』

「・・・・・・」


 口に手を当てて、モニターを出した。

 地図を広げる。


『ほら、ここからだよ』

「・・・あぁ」

 カマエルが沈んだ大陸の境目を指していた。


「カプリニクスがどうして・・・現代は、大地の神としてよみがえったということか?」

『そこまではわからない。でも、電子世界にいることは確かだ。あの大陸が復活しているんだから』

 

 地図は全体を広げると、確かに昔沈んだ地が繋がっているように見えた。

 なんとなくカマエルの言っていることもわかる。


 沈んだ部分が全く形を残しているわけではないが、ほとんど同じだった。


「ちょっと待って、順を追って説明してよ」

「僕らはわからないって」

 ティナとアクアが口を挟んだ。


「そうだな。簡単に説明すると、大昔、大地の神カプリニクスが統べる大陸があったんだ。本当は・・・・」

 地図を見ながら昔俺たちがいた混沌の根源となった大陸のことについて話していた。

 三賢者と聖杯の話、大地の神カプリニクスの罪を除いて、な。




 ルピスの話していた予知を思い出していた。


 ベラクルス城から1キロ北東に向かった、巨大の木の下にいたのは大地の神カプリニクスだった。

 本当に、リリスとエリンはダンジョンにいるのだろうか。


 時が経っているとはいえ、全く気付かなかった。

 ゲームの地図ばかり照合しようとしていたからか。


 どおりで、どのゲームとも似ている地形が無いはずだ。


「おにい、どうしたの?」

「あぁ、明日の朝からダンジョンへ向かう。身支度だ」 

 倉庫から魔道具を出しながら言う。

 美憂が心配そうにこちらを見る。


「本当に大丈夫なの?」

「心配するなって。美憂はこの前の戦闘で疲れてるだろ? 魔法少女のみんなとゆったりと過ごしていてくれ」


「私は・・・連れて行ってくれないの?」

 美憂が俯きながら言う。


「また留守番?」

「ダンジョンは5人しか入れない。理由あって、カマエルも連れて行かなきゃいけないから、実質4人だな」

 メンバーは、俺、ファナ、ノア、アクアに絞っていた。


 他の魔法少女も行きたがっていたが、ダンジョンには補佐できるアクアと火力のノア、バランスの取れたファナを連れて行くのがいい。


「俺のいない間、セレーヌ城にも戦力を残しておかなきゃいけない。前みたいに、魔法少女が急に襲撃するかもしれないからな。美憂はティナたちとここを守ってくれ」


「・・・・おにい、私のこと嫌いになったわけじゃない?」

「嫌いになんかならないって」

 笑い飛ばして、美憂に視線を合わせた。


「美憂は世界でたった一人の妹だ。何があったって、嫌うわけないだろう」

「そ・・・そっか」

 少し照れながら目を逸らしていた。


 バタン


「カイト様! あの・・・・」 

 ルーシィが勢いよくドアを押さえて入って来る。


「リリス様が・・・・戻りました」

「・・・は・・・?」

 一瞬、頭が追いつかなかった。


 リリスはダンジョンにいるはずでは・・・。

 じゃあ、ルピスの予知が外れたのか? いや、そんなはずは・・・。


「おにい!」

「!」

 美憂の声にはっとして、正気に戻る。


「今行く」

「はい」

 ブレスレットの魔法石を置いて、ルーシィの後を走っていった。 

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