表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女戦争 ~ロストグリモワールを俺は知っている~  作者: ゆき
第一章 魔法少女戦争のはじまり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/112

6 伯爵の槍(グレンスター)

「いい加減泣き止んだら?」

「だって・・・・」

「うーん、如月カイト、どうにかしてくれ」

「俺に丸投げするなよ」

 バトルフィールドから戻って来ても、花音はしばらく泣いていた。

 リリスが首から下げていた鍵を服の中に入れる。


「じゃ、本借りに行こう」

「あの本なら、たぶん美憂が持ってるよ。表紙にケーキが載っていたやつだろ?」

「そうなの? 早く帰らなきゃ」

「切り替え早すぎだろ。つか、学校行って戦闘ってマジで息つく暇も無いな」

 頭を搔く。

 リリスが手を引っ張ってきた。


「私、カイトについていく」

「えっ!?」

 ナナキと俺が同時に言った。


「カイトとリリスを見て、それでも魔法少女になりたいと思ったら、魔法少女になってもいいんでしょ?」

「・・・それは・・・」

 ナナキが困惑したような表情を浮かべていた。


「それもダメなら、お供えにクッキーあげないから。一生」

「げっ・・・・一生!? それはキツい・・・」

「決まりね」

 花音が目を擦って、ほほ笑んだ。


「クッキーが好きってことは西洋のほうの神? ナナキは真名じゃないのね」

 リリスが首を傾げた。


「詮索禁止だ」

「もしかして真名を忘れた神?」

「ノーコメントだ」

「えー」

 ナナキが視線を逸らした。


「ねぇ、友達になろう。リリス」

「と・・・友達?」

 花音が柔らかくほほ笑んで、リリスの両手を掴んだ。

 リリスがびくっとする。


「怖くないの? 私のこと・・・・」

「戦ってるリリスは怖かった。でも、リリスは悪い魔法少女に見えない」


「・・・・・?」

 リリスが目を丸くして、硬直していた。


「じゃ、俺は帰るぞ」

「あ、カイト待って」

「私も行く。ナナキも、ほら・・・」

 リリスと花音が走ってついてきた。


「花音が行くってことは、俺も行くのか。面倒くさいな」

 ナナキがぶつぶつ言いながら飛んでくる。


 ズン・・・・

 

「!?」

「ん? どうしたの?」


「嫌な予感がする。リリス、スマホに入っててもらえるか?」

「魔法少女? 私強いから大丈夫だよ!」


「命令だ!」

 強い口調で言う。


「う・・・主の言うことは絶対・・・わかった。何かあったら、すぐに呼んでね」

 リリスがぱっと光を散らして、スマホの中に入っていった。

 ナナキが隣に並ぶ。


「君の勘、当たってそうだよ。よく気づいたね。まるで・・・・」

「説明してる時間は無い」

「あ、待ってってば」

 走って校門を出ていった。

 花音が慌ててついてくる。中学のときの奴らが花音といることをなんか言ってきたが、何も聞こえなかった。


 一刻も早く家に・・・。


 ガチャッ




「美憂!!!」

 部屋は暗く赤い光が走り、壁には美憂が磔にされていた。

 蔦のようなもので縛られている。

 地面がドロドロした黒い魔力が水のように流れている。


「お・・・おにい・・・」

 美憂の前にはおかっぱ頭の白い服を着た男と、黒いシスターのような服を着た魔法少女が立っていた。

 魔法陣の中からは何かが出てこようとして、頭が出てきている。


「っ・・・・七陣魔導団ゲヘナ」

 ナナキがぼそっと呟く。


「カイト!!」

 ポケットに入れたスマホから、リリスの声が聞こえる。

 今、リリスを出すのはまずい。


「ヒーヒヒヒヒ、貴方が如月カイトですか」

 おかっぱ頭の男が目を見開いて高笑いをする。


「妹に何をしている!?」

 金の指輪に触れながら、詠唱をする。


 ― 斬炎剣 ―


「カイト?」

「今すぐ妹から離れろ!」


 ザッ


「かっこいい・・・カイト様」

 魔法少女が剣を出して、俺の剣を止める。

 短いくるんとした髪が揺れた。

 西洋の人形と見間違えるくらい、美しい顔をしている。


「彼女には魔神と契約し、魔法少女となってもらう」

「駄目だ。美憂に関わるな!!」


「妹想いのお兄ちゃん。ますますかっこいいです。惚れてしまいます」

 剣をまとっていた、炎の魔力が塞がれていく。


 こいつ、戦闘慣れしているな?


「そこのぉ、ぼうっとしてる奴らも魔法少女ですか? 邪魔ですねぇ」

 

 ドドドドッドドッドドドド


 おかっぱ頭の男が両手を広げて、弾丸のようなものを撃った。

 ナナキが緑の髪を揺らして、巨大なシールドを張った。


 しゅうぅうううう


「馬鹿が。俺は神だ」

 腕を組んで花音の前に出た。


「こいつは魔法少女じゃない。見学者だ」

「・・・・・」

 花音が硬直して動けないでいた。


「なるほどなるほどぉ・・・じゃ、仕方ないか。契約ですからね。その魔力、魔法少女になれば解放されるものを」

「アモデウス様、どうしますか?」

 

 キィン キィン キィン・・・


 美憂を縛った草が、鉄のように襲い掛かって来た。


 剣で弾くので精いっぱいだ。

 まだ、魔力を上手く練られない。こいつらが来る時期が早すぎる。


「クソッ・・・・」

 美憂に近づけなかった。


「美憂! 聞こえるか!? 美憂!!」

 美憂は気を失っていた。

 あの蔦に力を奪われているのか。

 

 この魔法少女を殺せば・・・。


 ガッ

 

「!!」

 急に体が引き寄せられて、魔法少女の前に行く。


「彼、もう魔法少女と契約しているようです」

「離せ・・・・」

「残念です。私だけ、私だけが彼と契約したかったのに。私と契約しませんか? 私は契約者を探してる魔法少女、七陣魔導団ゲヘナの一人、ルナリアーナです。次の満月までに主を探さなければいけません。貴方の魔力なら二重契約も許されるでしょう?」

 体が動かない。

 ひんやりとした手で頬を撫でられる。


「冗談じゃない!」

 吐き捨てるように言う。


「ナナキ! 私を魔法少女にして! カイトを助けたいの!」

「駄目だ。それに、カイトは元々助けなんかいらない」

「へ?」

 後ろのほうで花音とナナキの声が聞こえた。


「神が現れぬな。やはりここで魔力が足りないのか?」

「あ! アモデウス様。彼とエッチなことしてもいいですか? 欲望が高まれば、魔神も姿を現すはず!」

 ルナリアーナが興奮気味に言う。


「ね、ね、カイト様」

「するかよ!」


「ルナリアーナ・・・」


「駄目!!!!」

 花音が叫ぶ。


「や、や、やめて!」

「へぇ・・・あの子、君の恋人ですか? カイト様のことがずっと好きだったのですね。愛と欲望の鼓動が聞こえます」

「っ・・・・」

 花音の頬が真っ赤になっていた。


「でも、愛に時間は関係ないと思います。ね、カイト様」


「・・・やめろ。お前に興味はない」

「嫌って言われると、もっと奪いたくなっちゃう。私、清純に見えて、結構大胆なんですよ」

 唇を重ねようとした瞬間、ぴたっと止まる。


「後でやれ。色欲のルナリアーナ。それより、降りるぞ」

「はーい。じゃ、後でね。行きましょう、カイト様」


 魔法陣を展開した。


「カイト、今すぐリ・・・」

「これを・・・頼む」

 指で言うなと合図をする。


 力を振り絞って、ポケットからスマホを出して廊下を滑らせた。

 ナナキが受け取る。


 シュンッ

 

「カイト!!!!!」

 花音の叫ぶ声が聞こえる。

 身体が浮くようにして、真っ暗などこかへ落ちていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
魔法少女戦争、1000人とか3000人とかいると、この先の戦いは果てしなく長そうですね。皆が戦意バチバチのバトルロワイヤルって、凄く面白いと思いました。半分現実じゃないから好き勝手やれる、というのも、…
読みにきました。 魔法少女、脳内が勝手に◯リキュアを想像してしまいました 魔法少女は何人いるんだろう。気になる事が沢山です。 お話はこれから進んでいくみたいなので これからもがんばってください
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ