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魔法少女戦争 ~ロストグリモワールを俺は知っている~  作者: ゆき
第六章 Lost Grimoire

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80 女子トークは止まらない

 俺はプレイヤーに3日以内に契約する魔法少女がいなければ強制ログアウトさせると話した。

 ダンジョンに閉じ込められていた魔法少女と主との契約が、切れている場合がないか考慮してのことだった。

 

 主を失った魔法少女は、魔法少女戦争の敗北者となり、消滅することとなる。

 明確なルールは無いが、メイリアの話では、約3日後だった。


 魔法少女が消滅したほうが敵が少なくて済むが、デメリットもある。


 戦闘慣れしていない魔法少女が、経験値なしにいきなり強敵と戦う可能性も否めない。


 リリスは強い。

 でも、メイリアによると、リリスと同等の力を持った者も多くいるとのことだ。

 純粋な魔力だけの力では勝てない。


 電子世界はまだまだリリスにとって慣れなければいけない環境でもある。

 敵は多いほうが、戦闘の感覚を掴みやすいと思っていた。


「ふぅ・・・・」

 一通り話して、配信を切った。


「ん?」

 後ろを見ると、ファナとノアがいなくなっていた。


「カイト! 配信許可してよかったの!?」

「SNSでバズってる! トレンド1位だよ!」

「っと、落ち着けって」

 ティナとフィオーレが転びそうになりながら、駆け寄ってきた。


 リルムは息をついてハーブティーを飲んている。


「電子世界は人間の想いも魔力に変換されるらしい。だから、配信の流れは止められない」

 モニターに配信ランキングを映してその場を離れる。

 イルアーニャは更新されていないにも関わらず、ランキングに載ったままだった。


『信仰は力だもん。いかに推されるかだよね』


「ベルゼブブ、推しって意味知ってるのか?」

『知ってるって。最近の人間はごろごろしながらスマホ見て、ぽちっと押して感情が揺らいだりするんだろ? 怠惰の俺そのものじゃん』

 ベルゼブブがゴロゴロしながら言う。


 ベルゼブブは15歳くらいの容姿をしているが、横幅があるから、幅を取るんだよな。


『悪魔とされた私たちが呼ばれるときなんか、誰かを殺すだの憎むだの、暗いことばかり。ま、私の魔法少女ちゃんは違うけどね』

「・・・・っ・・・」

 バアルがルナリアーナを見つめると、ルナリアーナがびくっとしていた。



「ねぇ、カイト。あたしたちも配信したほうがいい?」

 リルムが首を傾げて聞いてくる。


「強要はしない。目立つのが嫌な魔法少女だっているからな」

 椅子を回して、アイスティーを飲んだ。


「地図は? プレイヤーや魔法少女たちに渡してよかったの?」

 アクアが心配そうに聞いてきた。


「僕たちのいる位置がわかっちゃうよ」

「いいよ。どちらにしろ、『ロストグリモワール』のゲームマスターは俺だ。必要に応じて組み換えさせてもらう」

 片方のモニターでランダムに魔法少女の姿を映した。


 反応は様々だ。

 驚いて動けない者もいれば、勝機と踏んだのか、ほほ笑んでいる者もいる。

 

「えっ、他の魔法少女の様子、見れるの?」

「当然だ。俺がゲームマスターだって言っただろ?」


『魔法少女だけじゃなく、プレイヤーの情報も見ることができるようになっております』

 シロナが自慢げに話していた。


「チートすぎる・・・」


『クリフォトの樹の魔神を集めて創った世界なんだから当然よ』

 ティナの声に、バアルが尻尾を振って反応していた。


『ミハイルには動き無いのですか?』

 ベルフェゴールが腕を組んで、ソファーに座る。


「さぁな、そのうち出てくるだろ。俺はちょっと席を外す。シロナ、何かあったら連絡してくれ」

『かしこまりました』


「え!? カイト様、もう少し・・・」

 ルナリアーナが勢いよく立ち上がった。

 バアルが近づく。


『カイトがいなくなればいいのよね? 私が誘惑する方法を教えてあげるわ。まずは下着をチェックしなきゃ』

「きゃっ・・・・」

 バアルがルナリアーナの服に手を入れる。


「あっ・・・・」

『ん? この感じ、意外とエロい下着? えっ!? 私でも驚く、これって・・・ほとんど透けてるじゃない。さすが、私の契約した魔法少女・・・』

「だ、だ、だって・・・」


『一番感じるのはどこ? もちろん、ここだよね?』

「あっ・・・」

『声出しちゃ駄目。ふふ』

 ルナリアーナの耳が赤くなっていた。


「バアル、いい加減にしろ。命令だ。ルナリアーナに変なことするなよ」

 バアルが両手をひらひらさせて、ルナリアーナから離れる。


『はーい。サマエルの命令は絶対』

「ルナリアーナも、何かあったら避けろよ。言いなりになる必要ないからな」

『・・・はい』

 顔が赤いまま頷いていた。


 バタン


 息をついて、部屋の扉を閉めた。


『見てみたい、ルナリアーナの下着。みせてみせて』

「し、シロナまで・・・その手つき、アウトだよ!」

『大きい胸ふかふか。好きなので、もみもみしたい』


「ルナリアーナ、配信でその下着みせちゃ駄目だからね」

「そうよ。主にいいようにされないようにね」


「わわわかってる。脱ぐことなんかないし、これは、いつそんなふうになってもいいようにって・・・・・」


「そんなふうにって・・・・そんなことまで考えてるの!?」

「でも、カイトだって男だよ。もし、もし、もし、そんなシチュになっちゃったら・・・」


「か、考えちゃうもん。そうゆうティナとフィオーレはどうなの?」

 ティナとフィオーレとルナリアーナの声は廊下まで響いていた。

 

「へ・・・? 私・・・?」

「私ばかりずるい。じゃあ、そうゆうみんなの下着も見せてよ」


「うわっ、僕!?」


「不意打ち狙わなきゃ。わぁ・・・・すごい、アクアのおっぱい大きい。はみ出ちゃってる。絶対下着が小さすぎるよ。サイズ変更しなきゃ」

「見ないでってば! ベルフェゴール様とベルゼブブ様もいるんだから!」


『僕はもうちょっと成熟した女性じゃなきゃ興奮しないんで。もっといえば、第三者視点の百合・・・のような展開が好みですね。うん、女同士の醜態を見るのは好きなので』

『俺は色恋は興味ない』

 あくび交じりのベルゼブブの声も聞こえた。


『私が見繕ってあげる』

「えーっ、バアル様・・・」

「アクア、エロい声出しちゃ駄目だってば」


「・・・・・・」

 頭を搔く。


 かなり際どい会話をしていた。

 意外と廊下に声が響くこと知らないのか? こいつら。




 ザアアアァァァァァ


「!?」

 急激な魔力の高まりを感じた。


 ― 十字星斬グランディウス


 キィンッ


「・・・・・」

 外から魔法の放たれる音が聞こえる。

 ファナの魔力だ。敵か!? いや、そんなはずは・・・。


 慌てて、窓から地上のほうへ降りていく。


「はぁ・・・はぁ・・・ファナ」

 ノアがファナが魔法で出した複数の剣を、大剣を出して受け止めていた。


「は? お前ら何やってるんだよ!」

「カイト!」


「ファナ! 止めろ! 命令だ!」

「フン・・・・」

 ファナが杖を回しながら後ろにやった。

 魔力が途切れる。


「よくも私たちを騙してきたわね!」

「・・・ち、違う!! そんなつもりは」

 ノアが叫ぶように言う。


「ファナ、落ち着けって」

 ファナとノアの間に入る。


「カイトはノアがどの魔神とも契約していないこと知ってたの? 貴女は何者? どうして七陣魔導団ゲヘナにいられているの!?」

「それは・・・」

「ずっと情報流してたってこと? どれだけ仲間を危険にさらしていたかわかってるの? みんな貴女を信頼してたのよ?」

 ファナが目を吊り上げる。


「俺は知ってた。こいつは、人工的に創られた神と契約した」

「そんなこと・・・ありえるの?」

「この電子世界ではありえるらしい。ノアはここから出て行くって言ったが、俺が引き留めたんだよ」

 ファナが愕然としながら、杖を構えていた。


「・・・ごめん」

 ノアが大剣を消した。


「ファナにもちゃんと説明するね。私は魔法少女研究機関被験者番号1129のノア」

 ノアが首の後ろを触りながら、真っすぐファナを見つめる。


「チップが埋め込まれてる。だから、私の会話は全て魔法少女研究機関に伝わってる。今まで黙っていてごめんなさい・・・研究員の者が私を異端と判断した・・・みたい・・・ごめん」


「どうゆうこと!?」

「ファナ、離れろ」

 ファナを後ろにやる。


 ノアの額に、何か紋章のようなものが浮き上がっていた。


「私は魔法少女研究機関によって作られた魔法少女なの。普通の魔法少女とは違う。研究機関が求めていることは・・・」

 その場に膝をつく。

 異様な魔力がノアを包んでいた。


「ノア!」

「ご、ごめん。私、機械人形になるみたい。私が私の友達を殺そうとする前に、私を殺してね・・・・お願い、カイト」

 息を切らしながら言う。

 

 ジジジジジジ ジジジジジジ


 ノアががくっとその場に倒れこむ。

 すぐに起き上がって、髪の色が赤くなっていった。 

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