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126.アウェーでは1

(ローズ)


私は今、長い廃道を歩いている。道そのものは人間が作り上げたものだが、疲弊し、荒れ果て、崩れ落ちている。というのも、いくつかの植物や他のものが、この道を横切るチャンスを狙っているからだ。


人間にとっては悪夢であったことが、他の生物にとっては自由と権力の夢がついに実現したのだ。彼らはより広い世界を経験する。


私は反対側に行ったと思う。なぜなら、その道は私には怖くも悲しくもなく、魅力的でかわいく見えるからだ。チャンスがあれば、自分のよく知らない世界のすばらしさを味わいに来ない人はいないだろう。

私が得たそのチャンス、それはとても奇妙なもので、私はあと数年はそのことに戸惑いを感じるだろう。なぜなら、私は大好きだった世界と人生を失ったからだ。そしてここでの生活は、そうでなければ決して受け入れられなかったであろう変化を私に強いるものだった。でも、つらい時期が終わった今、私はこの新しい人生を楽しむことができる。


ブルームが僕と一緒に生きてくれていることを、共生と呼ぶんだと思う。私を生かすこと以上に、それが彼女の夢だったのだから......。

以前はよく笑っていた。私にしがみつくようになってから、彼女は恥ずかしがり屋になった。私と融合した彼女の身体は、私たち二人によってコントロールされている。呼吸と同じで、考えればコントロールできる。

彼女はもう何もできない。でも、こんなに幸せだったのは初めてだと言っていました。


彼女の花は、私の傷ついた左手の代わりをしてくれる。でもほとんどは、私の胸の傷から咲く数少ない花だ。

彼女の脳は物理的な物質でできているのではなく、現実の花の上に咲いている目に見えない花のようなものだと彼女は言った。私がそこに咲かせているわずかなつぼみと花の中で、彼女は生きている。そのうち変わるかもしれないけれど、今はそういうものなんだ。


前よりもっと食べないと。彼女にも食べさせているんだから

私は子供を産んだことはないが、出産前にこれと似たような感覚を持つことはないと思う。


彼女は私の感覚も共有している。そして私たちの間には強い共感がある。結局、私たちは同じ人生を共有しているのだから。


~


今は誰もいないテリトリーの外にいる。静かで寒い。きれいだ。なんだか自信が湧いてくる。夜は焚き火で暖をとっている。ずっと抱えてきた本を、ようやく正しい人のところに持っていった。


私は翻訳された文書のページをめくる。


B 「その本は何ですか?


彼女は字があまり読めない。彼女の声が体の中で聞こえることに慣れてきた。果たして隣の人に彼女の声が聞こえているのだろうか。私は笑っている。


R「あなたを語る本です。

B 「私が?

R 「ダイウァの転生ドキュメントだ。あなたが生まれた海から、あなたが愛するこの地球へ...。


彼女は興味をそそられている。それが面白くて、遊んでいるんだ。


B 「教えてください。お願い、読んで。

R「あまりいいネタ本じゃないけど、まあ、やってみるよ。君のために調整できるかもしれないし...。私たちのために


そして、私はその文書にある民話を彼女に読み聞かせ始めた。詩はほとんど翻訳されないので、その詩について私が好きでないことや理解できないことを、私は再想像してみる。その代わりに何があっただろうか?私にはとても難しいことだが、とにかくやってみる。


私の記憶と願いを使って、冷たい物語を柔らかい物語に変える。彼女は、物語を甘美なものにしようとする私のばかげた試みがとても好きなのだ。 恐怖が消え去り、新しい朝が来た後に笑うために。

やんちゃでだまされやすいダイオウたちの悲劇的な物語...。私はそれらを、あなたが私を愛するという物語の角度の下に置くようにしている。


それがあなたの願いだった。それが叶いますように。今日、それが私の幸せです。

あなたに聞きたいことがたくさんあったのに、ほとんど無意味になってしまったから。


明日、どこに行こうとも、太陽はまた昇る。


~


ローズ・ブルーメ


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