125.新しい人生へのステップ, 2
(ローズ)
直射日光の暖かさを肌で感じている。風は本当に冷たいけれど、私の内側からたくさんの暖かさが伝わってくる。むしろ気分がいい。
長い眠りの後、体がゆっくりと目覚めていくのを感じる。痛みはあまりない。
彼女がそこにいることは分かっている。あなたはずっと私を見守ってくれていた。
ベールが静かに開いていく。私が浴びていた暖かい空気が外に漏れている。直射日光が目に痛いので、一瞬目を閉じる。
柔らかい金属音が聞こえる。音符だ。そしてまた別の音。そしてまた別の音が続く。彼女は私のために音楽を奏でてくれている。
頭を上げて座ろうとする。動くのは難しい。たくさんの花々が私の全身に咲き乱れ、まるでとても重く分厚い花々のコートに縛られているかのようだ。まるで石棺のように、棘のない青白いワラビと小さな青白いつぼみが、私の全身を頭からつま先まで覆っている。私は小さく光るバラに見覚えがある...。
ネクタイが緩み、座ることができる。花や葉が雪のように舞い落ちる。彼らの音楽は消えていく。
私は自分が沼地の真ん中にある小さなマウンドの上にいることを発見した。おかしい?
森があった盆地のようだが、赤い光とともにすべてなくなっている。急に不安になった。悲しくなってきた。
出て行ったの?心臓が痛い。胸が変な感じ。私の上に花が落ちていない。よく見てみる。
花は私の傷口から生えている。それは今、私の中にある。
そして、胸の奥から涙声や臆病な声が聞こえてくる。
B 「それが私にできる精一杯のこと...。君が生きるために...そして私のために...動くために
R「私の体に何が起きたの?
B - 傷...私の防衛本能...私の過ち、あなたの欠点...私はあなたを生かし、正気に保つためにできる限りのことをした...
悪い気はしないけど、やっぱり不安なんだ。僕のことも、彼女のことも。
R「体に何があったんですか?
B - 私は...消費した
彼女は不安そうな声で私に言う。彼女は私のコピーを作ることができなかった。原子レベル、あるいはそれ以下の、以前の私の写真。
彼女は自分の体を燃料にして、私たち二人のありのままの姿を、生き続けるものへと溶かしていった......。
彼女は、私の瀕死の肉体に補給するために、精一杯のものを溶かしたと言ってくれた。彼女は自分の体を細胞レベルで私の体に従わせ、なんとかそれを成功させた。
そして今、私は彼女の命を両手で挟んでいる。私の体は救われ、彼女はそこから生えるわずかな花に身を落としたのだから。
彼女は私に寄生し、その根は私の肉体と循環系に融合した。
本当に奇妙に感じる。こんなことが可能だなんて思ってもみなかった。そしてなんとなく、それもいい感じだ。
ブルームは私に、最後の花を切り取るだけで彼女を殺すことができると言った。彼女は自分の体をコントロールすることを放棄した。私を助けるために。いや、正確には違う。
ただ、私と一緒に世界を見てみたいだけなんだ。
彼女は同乗者になったので、私は彼女を連れて行くことができた。他のものを見るために...私と一緒に旅をするために。
ペットではない。考えたり話したりする能力はあっても、彼女は真の人間でもない...。
彼女はおとなしく私の答えを待っている。
私の選択は...この狂気を受け入れるか、彼女を追い出すか。彼女が悩んでいる間、実は別のことを考えているんだ。
私は何になりたいのか?
私がこの世界で理解したことがひとつあるとすれば、それは、許されること、可能なことと、不可能なことの境界線は、もう見えないほど遠くに逃げてしまったということだ。
これが自由なのかどうかはわからない。今は違うのかもしれない。そうだと思うけど...。
私たちは皆、何になりたかったのだろう?
自分の選択を考えると少し緊張する。彼女への答えを考えているうちに、鼓動が高まってきた。私が話す前に、彼女はまた話した。彼女は私が緊張していると感じたのだろう。彼女の声に込められた気持ちが本物なら。
B - 決める前に...君の知らないことを教えてあげよう...まず第一に、私はいつも、いつも大切にしてきた...
R 「わかってるよ。もう知ってるよ。
私は一番大きな花を見ている。茎を引っ張らずに手に取る。少し震えているのがわかる。彼女は不思議に思う。
R 「あなたの声がずっと聞こえていた。眠っている間、ずっとあなたの声が聞こえていた。
彼女は私に話すのを止めなかった。自分の罪、無邪気さ、夢、過去、したこと、感じたことを告白した。
彼女は、まだ人間の体の機能を学んでいる私に聞こえるかどうか確信がなかった。しかし、彼女は自分の心の中にある重みを、私に告白する人間的な必要性を感じていた。愛というものを理解していないように見えるものでさえも...。
彼女は起こったことすべてにひどいと感じた。まだドキドキしているが、申し訳ない気持ちもある。彼女はある意味楽しんだ。私が提供できる何かを。
もしかしたら、本当の理解や移動や旅行の能力以上に。彼女はロマンチックな感情を夢見た。彼女は大胆で、そしてとても無邪気だ。今思うと微笑ましい。本当だ、彼女は嘘をつかなかった。彼女は花だ...。
私はニヤニヤしている。彼女には私が見えているのだろうか、それとも内側から感じているのだろうか。彼女をからかってやろう。私はまだ不安げな花を手にしている。
R 「君の言ったことは全部聞いたよ...。すべての言葉、すべての考え...
彼女は震えている。私はそれを感じる。彼女も少し嬉しそうだ。いや、むしろ安堵感が強い。運命をたどる前に、今私が言ったことで慰めを得られると思っているようだ。
彼女は僕を愛している。
ダイウア以外にはあり得ない形で。その大きさは言葉では言い表せない。そして、彼女自身もそれを完全に理解しているわけではない。
なんて奇妙に聞こえるんだろう...。でも、僕は彼女を受け入れられると思う。もしかしたら、いつか彼女を愛するまでに成長できるかもしれない?
わかるかい、シスター?私は...ああ、よくわからない。もう本当に人間じゃないみたい。
私は別の種類のローズになったと言っておこう...。
そしてブルーメも。彼女は私が家から持ち帰った小さなバラを使って、新しい自分を形作っていた。でもほとんど、彼女は私と一緒にいたいだけだった...。
私の胸と左腕に咲いている花は、彼女だけのものではない!私のものでもある。
彼女は恥ずかしそうに私の答えを聞いてくる。
私は立ち上がる。振り返る。私が立っている森の朽ちた残骸の向こうに道が見える。私は去ることができる。
彼女は私の感触を感じているので、私はそっと花のひとつに触れた。
R - 新しい世界へようこそ。
彼女は静かに微笑んでいる。もうすぐ、私もそうなる。
腕の花へ...
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