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ラストプラネット  作者: 五嶋 月
【第1章】 モーリー星編
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【第4話】 森林の惑星

━━━ここは、アンゴの宇宙船(スペースシップ)


「よーし、遂に出発出来たぞー!このまま最終星(ラストプラネット)へ一直線だー!!」


アンゴは、笑顔で両手を広げてそう言った。


しかし、この時アンゴは、重大なミスに気づいてなかった。この後大変なことになるとは知る由もなかったのだ…。


「て言ったってよー、最終星(ラストプラネット)なんてどこにあんだー?どんな星なのかも知らねぇしよー。まあ、とりあえず突っ切ってみるかー。」


三時間後


「あー、暇だなー。俺てっきり一瞬で着けるもんだと思ってたのにー。てか!まず仲間探せねぇと!俺何やってんだよ本当に!一人で最終星(ラストプラネット)なんて行ける訳ねぇ!!!!」


ようやく仲間が必要なことに気づいたアンゴは船内で一人で暴れていた。しかし、まだ試練は続く。


ブーブー


「な、なんだ!?何の警告音だ!?」


暴れていたアンゴは宇宙船(スペースシップ)の操縦席から聞こえる警告音に驚いた。


[ネンリョウブソク、ネンリョウブソク、マモナクネンリョウガナクナリマス]


「ね、燃料不足ーー!?なんだよ、燃料不足って!」


ピー


[ネンリョウガナクナリマシタ、スペースシップハテイシシマス]


プシュー


アンゴの乗っていた宇宙船(スペースシップ)は、惑星と惑星の間で停止した。


「ど、どうした!スペースシッコ!動かなくなっちまった!外は酸素もないし、俺、このまま死んじまうのか!?」


アンゴはとにかく慌てた様子でどうすることも出来なかった。


「おいおい、燃料不足なんてどうしたらいいんだよ!!!誰か助けてくれよ!!!俺、こんなところで死にたくねぇよ!最終星(ラストプラネット)で死にてぇんだよ!!!!」


アンゴは泣きながら一人でそう叫んでいたが、停止してから気づいたらもう一日が経過しようとしていた。宇宙船(スペースシップ)内の酸素が無くなるまで後一時間。


「し、死ぬぅ……。腹も減ったし、俺どうしたらいいんだ……。」


いつものアンゴの元気はどこへやらすっかり空中で横たわってしまっていた。顔も青くなりかけていた。


━━━ここは、森林の惑星「モーリー星」


「おい、あれを見ろ!!!」


モーリー星の者が、望遠鏡で宇宙を観察していたところ、何かを発見したようだ。


「おーん?どうした?そんな慌てて?」


もう一人が慌てている者にそう聞いた。


「いいから、早く見てみろ!俺の指さす方向を!」


「あ、あれは!?宇宙船(スペースシップ)!?」


この二人は、なんとアンゴの乗る宇宙船(スペースシップ)を偶然発見したのだ。


「しかもあれ、停止してねぇか!?」


「そうなんだよ!ありゃ大変だ!!すぐに助けを呼ばなければ!!」


「あぁ、そうだな!俺、グリーンゲルさんを呼んでくるよ!!」


「任せた!」


「困ったな、俺は一体何をすればいいんだ。」


15分後


「連れてきたぜ!グリーンゲルさんを!」


さっきの人が、急いで戻ってきた。


「ありがとう!」


そして、その戻ってきた者の後ろには、全身緑色で、更には緑色の立派なヒゲを生やしたおじいさんがやってきた。


「グリーンゲルさん!あそこに宇宙船があるんです!この星に、上陸させましょう!」


「モリモリモリ、任せなさい。ハッ!」


そう言ってグリーンゲルは、右腕をまるでツルのように伸ばし、その伸びた右手は10km以上離れた場所にあるアンゴの宇宙船(スペースシップ)を掴んだ。


「ウォーーー!ハー!」


ドカン!


アンゴの宇宙船(スペースシップ)は勢いよくモーリー星に上陸した。


「さすが!グリーンゲルさん!」


周りにいた2人は拍手をした。


「な、なんだ!?何が起こった!?」


アンゴは、青ざめた顔で勢いよく起き上がり、窓から辺りを見渡した。


「ど、どこだここ?」


アンゴが見渡した先には緑が一面に広がっていた。


「俺、どっかに上陸できたんか!?」


アンゴは喜びの表情を見せた。


プシュー


ドアが開き、アンゴはそこから勢いよく飛び出した。


「あ?誰だ?お前ら?」


アンゴが飛び出した先には、助けてくれた三人がいた。


「て、てめぇ!恩知らずにも程がっ……。」


最初に発見した人がそう言いかけた時グリーンゲルに右手で口を塞がれた。


「まあいいんだよ。君、名前はなんて言うんだい?」


グリーンゲルはアンゴに目線を向けそう聞いた。


「俺はアンゴ!俺はいずれこの宇宙の覇者となる!」


「アンゴ君かね、君は最終星(ラストプラネット)に行きたいのかね。」


「お、よく知ってんなー。俺は最終星(ラストプラネット)を目指してたんだが、気づいたらこんなところに来ちまったよ。」


「ほぉー。それで燃料切れを起こしてたのか。」


「てか!そいえばなんで俺はここに上陸できたんだ!?俺、途中で気失って…。」


「私が君を宇宙船ごとここに引っ張ってきたんだよ。」


「おっさん、そんなことも出来んのか!?すげぇなー。もしかして、おっさんも何かの能力持ってんのか!?」


「まぁ。そうかもしれないね。とにかく、君が無事で何よりだ。燃料はここで調達するといい。改めてようこそ!我らが森林の惑星モーリー星へ!」


グリーンゲルは両手を広げてアンゴを歓迎した。

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